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2011.March  

 慢性心不全の治療—エビデンスからみた最近の進歩
堀 正二 (大阪国際がんセンター名誉総長,大阪大学名誉教授)
別ウインドウが開きます
–1–
はじめに
I. 急性非代償性心不全に対する薬物治療
II. 慢性心不全の薬物治療
–2–
III. 拡張性心不全に対する薬物治療
IV. 慢性心不全に対する非薬物療法
V BNP ガイドによる患者ケア
おわりに
はじめに

慢性心不全は,あらゆる心疾患の転帰を反映する共通病態であり,高齢化社会において疾病・医療負担の大きい疾患である。慢性心不全の予後は,患者の年齢や原因疾患,重症度などによって大きく左右されるが,平均して5年生存率は50-60% とされ,悪性腫瘍の生存率に匹敵するほど不良である[1]。1970年代以前のジギタリスと利尿薬を中心とした心不全治療が,現在ではRAS 阻害薬やβ遮断薬が中心となり予後改善に重点が置かれるようになったが,さらに心臓再同期療法(CRT)や左室補助循環装置(LVAD/LVAS)など非薬物治療にも大きな進展がみられる。心臓移植は,和田移植以来,社会的抑制が強かったが,1990年の臓器移植法によって脳死移植が再開され[2],2010年の臓器移植法の改正により本邦でも心臓移植が加速されている。一方,再生医療はいまだ開発段階にあり広くエビデンスとして確立されるに至っていないが,中規模の臨床試験が数多く実施されている現状にある。

本総説は,最近のエビデンスとして主として2008年以降の大規模臨床研究を中心にとりあげ,慢性心不全の治療の最近の進歩についてまとめたものである。したがって,2008年以前のエビデンスについては個々にとりあげず,それらの報告を踏まえ最近のエビデンスの位置づけについて概説することとした。

I. 急性非代償性心不全に対する薬物治療
LIDODBRUSSLANDBREVIVE-IISURVIVEDBPre-RELAX-AHFDBPROTECTDBEVERESTDB

強心薬はこれまで心不全の予後を悪化させることから,ジギタリスを除いていずれも開発が中止されてきたが,唯一,レボシメンダン(levosimendan)はドブタミン(dobutamine)に代わる血管拡張性強心薬として期待がもたれていた[3]。levosimendan は,PDE 阻害薬ではあるが,Ca 増感作用により心筋酸素需要を増加させない利点があること,またこれまでのいくつかの臨床試験で期待される成績が得られていたからである。LIDO 試験[4]で,dobutamine に比し血行力学的優越性が報告され,RUSSLAN 試験[5](急性心筋梗塞後の心不全)で6ヵ月の予後改善効果が示された。その後,REVIVE-II 試験[6]でlevosimendan はプラセボに比し治療早期のBNP 値は低下するが90日予後は不良であるとの結果となったが,長期予後については不明であった。levosimendan の心不全の長期予後に対する効果を検証する目的でSURVIVE 試験が実施された。

SURVIVE 試験[7]は,急性非代償性心不全による入院例で,過去12ヵ月間に左室駆出率(EF)が30% 以下で強心薬の静注投与が必要な患者1,327例を対象としlevosimendan 投与群とdobutamine 投与群を比較した。静注投与は可能な限り持続し(最低24時間),症状により用量調節するプロトコールで,一次エンドポイントは180日後の全死亡であった。levosimendan 群は,治療早期にはBNP の減少も大きく死亡率も抑制傾向がみられたが,30-180日の死亡率は,両群間で差がみられなかった。levosimendan 群で心不全の発症率は低かったが(P=0.02),心房細動の発症はdobutamine 群より多かった(P=0.05)。このように,levosimendan の長期予後がdobutamine を凌駕することができなかったため,levosimendan の開発は中止された。

一方で,血管拡張作用と利尿作用を有する体内ホルモンであるリラキシン(relaxin)が注目されている。relaxin は,妊娠時に分泌される心血管系のペプチドホルモンであり,血管拡張作用を有し,腎血流を増加させ利尿を促すとともに肺動脈楔入圧を低下させBNP 値を減少させる。Pre-RELAX-AHF 試験[8]は,relaxin の急性心不全に対する症状緩和,転帰,安全性を検討する第II 相(用量設定)試験である。プラセボを対照とし,多施設(8ヵ国54施設)共同で実施された二重盲検試験で,234例の急性心不全患者を無作為に割り付け,平均122日追跡した。relaxin 10,30,100,250μg/kg/日およびプラセボが投与(48時間静注)されたが,relaxin 30μg/kg/日にて呼吸困難(リッカート尺度)が改善し,その他の転帰(60日後の心血管死,再入院,180日後の心血管死など)も改善傾向を示した。本試験の対象者は,relaxin の作用が発揮されやすい血圧が正常または高値(収縮期血圧>125 mmHg)の急性心不全患者であるため,近年注目されている拡張性心不全が多く含まれている可能性がある。今後の大規模な試験での検討が期待される。 relaxin はナトリウム利尿ペプチドやアドレノメジュリンと類似した薬理作用を有する体内ホルモンであり,妊娠初期の血行動態調節のために分泌され,全身および腎血管の拡張作用,心拍出量増加作用,腎血流増加作用を有する。relaxin はrelaxin/insulin-like family peptide (RXFP)-1受容体に結合し,cAMP を賦活化し,エンドセリン・タイプB 受容体を刺激してNO を活性化するのがその薬理作用と考えられている。したがって心臓に負荷をかけずに血行動態の改善を図ることが特徴と考えられるが,臨床的有用性を検証するためには大規模な臨床試験が必要である。

急性心不全では,しばしば腎機能障害が惹起されるが,腎機能障害も急性心不全の予後悪化を招く因子であることが報告されている。アデノシンがアデノシンA1 受容体を介して腎血流量を低下させ,糸球体濾過量(GFR)が減少し,レニン活性が上昇する。A1 受容体阻害薬は腎保護に働くので急性心不全の予後改善をもたらすものと考えられた。PROTECT パイロット試験[9]ではA1 受容体拮抗薬ロロフィリン(rolofylline)30mg 投与群で第2-3病日の呼吸困難の改善,持続性腎機能障害の抑制,60日死亡・再入院の抑制傾向がみられたので,第III 相試験としてPROTECT 試験[10]が実施された。対象は,呼吸困難,腎機能障害(推定クレアチニンクリアランス20-80mL/分),BNP高値(BNP ≧500pg/mL またはNT-ProBNP ≧2000pg/mL)がありループ利尿薬を投与している心不全患者2,033例であり,rolofylline 30mg/日(4時間静注/日,最長3日間)とプラセボを2:1に無作為割り付けし180日間追跡した。一次エンドポイントは,生存率,心不全の状態,腎機能の変化に基づく治療の成否であり,二次エンドポイントは60日後の死亡・心血管治療あるいは腎機能低下による再入院であった。rolofylline によって呼吸困難の改善はみられたが,生存率や再入院に両群で差はなく,治療の成否にも有意な差は認められなかった。また,腎機能低下のリスクを減少させないなどその他の有効性は認められなかった。PROTECT パイロット試験とプロトコールに大きな差異はなかったことから,パイロット試験でrolofylline の有用性が示唆されたのは,統計学的な偶然性によるものと考えられる。

慢性心不全の急性増悪時にみられる体液貯留や浮腫の改善には,おもにループ利尿薬が用いられるが,低Na 血症や低K 血症がしばしば問題となる。このような電解質バランスを是正する水利尿薬としてV2受容体拮抗薬トルバプタン(tolvaptan)が開発された。tolvaptan の心不全に対する効果を短期的[11],長期的[12]に検証するためにEVEREST 試験が実施された。対象は,入院30日以上前に治療を要した慢性心不全の既往のある患者または心不全悪化による入院から48時間以内の患者でEF が40% 未満でNYHA III ~IV 度の4,133例である。tolvaptan(30mg /日)投与群とプラセボ群に無作為に割り付けられたが,当然心不全の標準治療は継続し,医師の裁量により利尿薬は投与されるプロトコールになっている。短期有効性試験では,検証性向上のために同一の試験A(2,048例)と試験B(2,085例)に分けられた。追跡期間は7日で早期退院の場合は退院まで追跡した。一次エンドポイントは7日後(早期退院の場合,退院時)の全般的臨床症状,体重の変化であるが,一次エンドポイントは,試験A,B ともtolvaptan 投与群で有意に優れており(P<0.001),体重減少はtolvaptan 投与群で大きく,1日目の呼吸困難はtolvaptan 群で有意に改善したが,全般的臨床症状および重篤な有害事象には両群間差はみられなかった。以上の結果より,利尿薬を含む標準治療にtolvaptan を追加することで重篤な有害事象を伴うことなく心不全症状を改善しうると考えられる。

一方,長期予後については,同症例においてtolvaptan(30mg/日)を60日以上投与し,全死亡,心血管死+心不全による入院を一次エンドポイントとして,平均9.9ヵ月追跡した。全死亡についても心血管死+心不全についても,tolvaptan 投与群とプラセボ群に有意差はみられず,心不全の悪化も同群に差は認められなかった。したがって,tolvaptan の短期投与による長期予後改善効果は否定されたが,短期的な症状改善には有用であり,長期予後に及ぼす効果は長期継続投与のプロトコールで検討されるべきであるのかもしれない。

II. 慢性心不全の薬物治療
RALESDBEPHESUSDBEMPHASIS-HFDBATLASDBHEAALDBRECOVERRENAISSANERENEWALACCLAIM DBCORONA DBGISSI-HFDBBEAUTIFULDBSHIFTDBFAIR-HFDB

RAS 抑制はβ遮断薬とともに慢性心不全のリモデリングを抑止し,予後の改善をもたらすことが数多くの臨床研究で実証されてきた[13]が,いくつかの疑問点も残されている。アルドステロン拮抗薬のエプレレノン(eplerenone)が軽症の心不全に有効かどうかは残された課題であった。これまで,スピロノラクトン(spironolactone)もeplerenone もその有効性が示されたのはいずれも重症心不全が対象(RALES 試験[14]EPHESUS 試験[15])であり,軽症心不全(収縮不全)に有効かどうかはエビデンスがなかった。EMPHASIS-HF 試験[16]は,左室駆出率(EF)<30% またはEF>30-35%,非ペーシング時のECG で QRS 間隔>130ms の慢性心不全でNYHA II 度の症例2,737例を対象とした。いずれもACE 阻害薬/ARB とβ遮断薬への上乗せ投与で,プラセボ対照多施設(29ヵ国278施設)共同試験であり,平均21ヵ月の追跡が行われた。一次エンドポイントは心血管死+心不全による初回入院の複合エンドポイントである。eplerenone の投与は血清K 値が5.0mEq/L を超えないように25mg/日から開始し,4週間後に50mg/日に増量。血清K 値が5.5-5.9mEq/L になれば減量し,6.0mEq/L を超えれば中止し,5.0mEq/L 以下になれば再開するプロトコールで実施された。その結果,一次エンドポイントにおいて,eplerenone 群でプラセボ群に比し有意に優れた転帰(ハザード比[HR] 0.63,P<0.001)が得られ,全死亡(HR 0.76,P=0.008)でも心不全入院(HR 0.58,P<0.001)でも有意な優越性を示した。血清K 値が5.5mEq/L を超えた率は,eplerenone 群で11.8% ,プラセボ群で7.2% と,やはりeplerenone 群で高かったが,有害イベントによる中止はeplerenone 群13.8% ,プラセボ群16.2% とeplerenone 群で少ない傾向(P=0.09)が得られた。

この成績は,心筋梗塞を対象としたEPHESUS 試験の結果とあわせて,軽症から重症まで心不全の重症度によらず,また心不全の原因(虚血か非虚血か)によらず,抗アルドステロン薬の投与が予後の改善に有用であることを示唆する。eplerenone は,spironolactone と異なり,鉱質コルチコイド受容体に選択性が高いので女性化乳房の副作用もなく使いやすい薬剤である。血清K高値は注意すべき副作用ではあるが,これが突然死の抑制に効いている可能性も高い。本試験は,基礎治療薬としてRAS 阻害薬(ACE阻害薬/ARB) とβ遮断薬が,ほぼ全例に投与さ れているうえにeplerenoneを上乗せしているので,一次エンドポイントにおいて37% の改善がみられた効果は極めて大きいと考えられる。

現在心不全治療に広く用いられているACE 阻害薬は,その投与量と転帰との関連がATLAS 試験[17]で検討されているが,ARB についてはいまだ検討されていなかった。HEAAL 試験[18]は,ACE 阻害薬不忍容の慢性心不全患者3,846例(NYHA II-IV 度,EF≦40%)を対象にロサルタン(losartan)高用量(150mg/日)と低用量(50mg/日)の有用性を比較した試験である。平均年齢は66.0歳。平均4.7年追跡した結果,一次エンドポイント(死亡・心不全による入院)は,高用量群で低用量群に比べ有意に低下した(HR 0.90,P=0.027)が全死亡には有意な差はみられなかった。心不全による入院は有意に減少(HR 0.87,P=0.025)したが,ATLAS 試験におけるACE 阻害薬(リシノプリル [lisinopril] )の増量成績と同様に,その効果はあまり大きいものではない。また,サブグループ解析で高血圧例では一次エンドポイントに有意な群間差が認められなかったことにも注意しておく必要があろう。

RASの上流に位置するレニンを抑制するレニン阻害薬については,現在ASPIRE HIGHER プログラムの1つとして,慢性心不全患者を対象とした無作為割付けの二重盲検試験ATMOSPHERE試験が進行中であり,その結果が注目される。

RASと並んで心筋障害や心筋リモデリングに関与する因子として炎症が注目されてきた。心不全では,TNFαやIL-1βなど炎症性サイトカインが上昇することが知られ,しかも心不全の重症度と比例して活性化がみられることから,抗炎症治療が慢性心不全の治療として注目されている。慢性心不全に対する抗サイトカイン療法は,ヒトTNF 抗体(エタネルセプト [etanercept] )を用いてRECOVER 試験(ヨーロッパ)とRENAISSANE 試験(北米)が実施され,これらを統合してRENEWAL 試験[19]として解析されたが,本療法の有用性は認められなかった。これは,数多くの炎症性サイトカインの中で単独のサイトカイン(TNFα)のみを抑制しても炎症機転が抑制できないためであろうと考えられた。そこで,非特異的な炎症抑制メカニズムを作動させるために,免疫修飾療法(IMT)が試みられた。これは,自家血をex vivo で酸化ストレスに曝露し,これを患者に戻すことによって免疫修飾を加える治療法である。具体的には,患者から10mL の静脈血を採血し,特殊な血液処理デバイスに入れて酸素とオゾンガスに曝露させ,さらに紫外線を照射することによって活性酸素を発生させ,酸化ストレスを加えることにより傷害された血液を筋肉内注射で患者に戻す方法である。このようなIMT がプラセボを対照に二重盲検で実施された(ACCLAIM 試験[20])。対象患者はNYHA II-IV 度でEF が30% 以下の慢性心不全で,本試験には2,426例が登録され平均約10ヵ月追跡された。一次エンドポイント(全死亡,心血管疾患による初回の入院)では,IMT 群とプラセボ群に有意差はみられなかった(HR 0.92,P=0.22) が,サブ解析では,NYHA II 度,心筋梗塞の既往のない患者では有意にIMT 群が優れていた。また質問票によるQOL の判定では,IMT 群でQOL が改善し,CRP もIMT 群で低下する傾向が認められた。したがって,この結果は,今後免疫修飾療法に期待がもてることを示した点で意義が大きいといえる。

炎症が心筋障害を促進し,逆に抗炎症機序が慢性心不全のアウトカムを改善するとすれば,HMG-CoA reductase 阻害薬(スタチン)の抗炎症作用にその効果が期待できるかもしれない。この仮説を検証するために,CORONA 試験[21]は60歳以上の虚血性心不全(NYHA II-IV 度)でEF が40% 以下(NYHA II 度ではEF ≦35%)の症例(5,011例)を対象にロスバスタチン(rosuvastatin)10mg/日群とプラセボ群を平均32.8ヵ月追跡し,一次エンドポイント(心血管死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中複合エンドポイント[初発までの時間])を比較した。rosuvastatin 投与群では,LDL コレステロールは平均137mg/dL から76mg/dL に,またhs-CRP は3.1mg/dL から2.1mg/dL に低下したが,一次エンドポイントでは両群間に有意差は認められなかった(HR 0.92,P=0.12)が,心不全の悪化による入院は有意に抑制した(HR 0.91,P=0.01)。一方,スタチンはコエンザイムQ10濃度を低下させるので心不全を悪化させ死亡を増やすのではないかとの危惧もあったが,本試験で,rosuvastatin 投与群で確かにコエンザイムQ10濃度は低下したが有意な転帰の悪化はみられなかった。また,rosuvastatin はhs-CRP が高値(≧2.0mg/dL)の症例に限ればプラセボ群に比し,一次エンドポイントで有意に優れていた(HR 0.87,P=0.024)。

CORONA 試験と同様に慢性心不全を対象にrosuvastatin の効果を検証した試験にGISSI-HF 試験[22]がある。本試験は,心不全の原因を問わず,虚血性(40%),非虚血性(34%),高血圧性(18%)を含み,EF の平均は33% であるが,EF ≧40% も10% 含んでいるのが特徴である。4,574例を対象に3.9年(中央値)追跡した結果,一次エンドポイント(全死亡,全死亡および心血管疾患による入院)に有意な差はみられなかった。また,心不全の悪化による入院にも差はみられなかった。したがって,GISSI-HF 試験からは,スタチンの有用性は全く期待できないと結論される。虚血性心不全に限ってもrosuvastatin の有用性は示唆されなかったことは,CORONA 試験との大きな相違である。

β遮断薬の慢性心不全に対する有用性は確立しているが,β遮断薬の作用の中で心拍数の抑制作用が大きいことが示唆されている[23]。しかし,徐拍化の効果を純粋に評価することは極めて困難であった。If チャネル阻害薬のイバブラディン(ivabradine)は,洞結節のペースメーカー細胞に作用して,選択的に心拍数を減少させる薬剤である。左室収縮機能障害(EF <40% ,左室拡張末期径>56mm)を有する安定冠動脈疾患患者においてivabradineによる心拍数の低下が心血管死および合併症を抑制するかどうかを検討したのがBEAUTIFUL 試験[24]である。平均65.2歳の患者10,917例が登録された。ivabradine は5mg ×2回/日より開始し,2週間後に安静時心拍数が60bpm 以上であれば,7.5mg ×2回/日に増量,50bpm 以下になれば5mg ×2回/日に減量,それでも50bpm 以下なら中止した。追跡期間中央値は19ヵ月で,一次エンドポイントは心血管死,急性心筋梗塞による入院,心不全の新規発症あるいは悪化による入院であった。ivabradine 投与により安静時心拍数は約6bpm 減少したが,一次エンドポイントにプラセボ群と差は認められなかった(HR 1.00,P=0.94)。心拍数が70bpm 以上の症例に限っても一次エンドポイントに有意差は認められなかったが,急性心筋梗塞による入院がivabradine 群で有意に減少した(HR 0.64,P=0.001)。心不全による入院も有意差はなかった(P=0.76)が,Kaplan-Meier 曲線では,1年後に乖離傾向がみられたことから,心拍数の多い症例での効果に期待がもたれた。

これをうけて,SHIFT 試験[25]では安静時心拍数が70bpm 以上の慢性心不全患者(EF ≦35% ,12ヵ月以内に心不全入院の既往がある症例)6,505例を対象に,ivabradine 群(5mg ×2回/日から開始,7.5mg ×2回/日に増量)とプラセボ群で比較した。追跡期間は中央値22.9ヵ月で,一次エンドポイント(心血管死+心不全悪化による入院の複合エンドポイント)に有意な差が認められた(HR 0.82,P<0.0001)。特記すべきは,β遮断薬投与の有無にかかわらず有効性が認められた点であるが,さらに,心血管死あるいは全死亡では有意差がみられていないことも注目される。一次エンドポイントの中でも心不全悪化による入院の減少(HR 0.74,P<0.0001)の寄与が大きいことは,頻脈が心機能の低下や心不全死の原因になるが,必ずしも突然死の原因にならないことを示唆しているのかもしれない。これは,交感神経活性の抑制作用をもつβ遮断薬と大きく異なる点である。もう一点,ivabradine は心房細動には無効であるので,心不全に合併しやすい心房細動の徐脈化には適応がないことも留意する必要がある。

神経体液性因子は炎症性因子も含めて直接的・間接的に心不全心筋や血管に作用するが,同様に心筋に対する酸素供給も重要な環境因子である。心不全においては,種々の要因で貧血や鉄欠乏が生じやすい。心不全でみられる炎症性サイトカインの上昇は腎におけるエリスロポエチンの産生を抑制するとともに十二指腸からの鉄の吸収を阻害することが知られている。また心不全患者の栄養不良も鉄欠乏性貧血の原因となっている。貧血や鉄欠乏は,血液の酸素運搬能を低下させ運動能(QOL)を減少させるばかりか,予後をも不良にする。

FAIR-HF 試験[26]は,鉄欠乏性貧血治療薬ferric carboxymaltose(FCM)の静注が症状を改善するか否かを検証するために実施された。対象は,EF の低下(NYHA II 度ではEF≦40% , NYHA III 度ではEF≦45%)したNYHA II-III 度の鉄欠乏(ヘモグロビン値9.5-13.5g/dL,血清フェリチン濃度<10μg/dL,トランスフェリン飽和度<20% の場合は10-29.9μg/dL)の患者459例である。FCM 投与群は,FCM 4mL(鉄200mg に相当)を週1回静注し,鉄欠乏を補正した後は4週に1回投与する24週追跡のプロトコールで,一次エンドポイントは,24週後の患者評価によるPatient Global Assessment(PGA)スコアおよびNYHA 心機能分類である。PGA スコアが改善した割合はFCM 投与群(50%)でプラセボ群(28%)に比し有意に優れており,NYHA 心機能分類も有意に改善した。これらの症状の改善は,貧血の有無によらず認められたが,あくまでも患者の主観的な症状の改善であり,心不全入院や生命予後については今後,大規模試験で検証される必要がある。

III. 拡張性心不全に対する薬物治療

左室駆出率(EF)の維持された拡張性心不全(拡張期不全とも表記される)は,EF の低下した収縮性心不全と生命予後において差がないことが報告されているが[27],生命予後を改善する治療法は確立していない。拡張性心不全は,心筋肥大や間質の線維化が病態の本体と考えられるため,ACE 阻害薬やARB のようなRAS 阻害薬が有用であると推測される。

しかし,ACE 阻害薬ペリンドプリル(perindopril)を用いたPEP-CHF 試験[28]では,開始1年後にプラセボ群との間に傾向差(一次エンドポイント[全死亡+心不全による予定外の入院]で30% のリスク減少,P=0.055)があり,perindopril の有用性が示唆されたが,1年後オープンラベルのACE 阻害薬に変更する被験者が多くなり,3年後には両群の差は消失した。したがって,PEP-CHF 試験では,ACE 阻害薬の有用性は示されなかった。

ARB については,カンデサルタン(candesartan)を用いてCHARM-Preserved 試験[29]が行われた。一次エンドポイントは心血管死および心不全入院であるが,candesartan 投与群で減少傾向を認めたが,補正後のハザード比(HR)は0.86(P=0.051)でありプラセボ群との有意差はみられなかった。これらの成績を踏まえてARB(イルベサルタン[irbesartan])の有用性を検討する大規模臨床試験(I-PRESERVE 試験)が行われた。

I-PRESERVE 試験[30]の対象は,EF が45% 以上のNYHA II-IV 度の慢性心不全患者4,128例で過去6ヵ月間に心不全で入院した症例であるが,入院していない場合はNYHA III-IV 度に限定した。irbesartan 投与群は,300mg/日まで増量した(平均投与量は275mg/日)。平均追跡期間は49.5ヵ月で,一次エンドポイントは全死亡と心血管疾患による入院であったが,一次エンドポイント(HR 0.95, P=0.35)においても,全死亡や6ヵ月後のNT-pro BNP などの二次エンドポイントにおいてもプラセボ群との間に差を認めなかった。試験開始時のACE阻害薬服用は対象例の25% であったが,試験期間中,若干のACE 阻害薬服薬例が増加したとはいえARBへの期待が否定された結果となった。また,心血管死が60%(突然死26%,心不全14%,心筋梗塞5%,脳卒中9%)であったが,いずれも治療群間差はみられなかった。

拡張性心不全に対するβ遮断薬の有用性について検証した大規模臨床試験は未だ報告されていないが,示唆を与える臨床試験が,高齢者心不全を対象としたSENIORS 試験[31]である。本試験は,70歳以上で過去1年以内に入院歴がある患者または過去60日以内にEF 低下(35% 未満)が記録されている患者2,128例を対象にβ遮断薬ネビボロール(nebivolol)を無作為割付けで平均21ヵ月追跡した試験である。この試験では,一次エンドポイント(全死亡または心血管疾患による入院)に有意な改善がみられたが,そのサブ解析で,EF ≦35% とEF >35% の2群の一次エンドポイントに差がみられなかったことから,拡張性心不全にもnebivolol が有用かもしれないとの推察もされている。しかしEF 35% 以上が必ずしも拡張性心不全を表さないこと,またad hoc 解析の結果であることから,β遮断薬の有用性については不明と結論される。現在,本邦でJ-DHF 試験[32]が,小規模ながら進行しており,その結果が待たれるところである。

IV. 慢性心不全に対する非薬物療法

慢性心不全の非薬物療法の中でその有用性が確立しているのが,心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy:CRT)である。CRT により死亡および心不全入院が有意に減少し,QOL の改善も得られることを明確に示したのがCARE-HF 試験[33]である。それまで,数多くの小規模の臨床試験やCRT-P(CRTの機能をもつペースメーカー) とCRT-D(CRT+植込み型除細動器 [ICD]) の比較試験(COMPANION 試験[34]で,CRT 治療の有用性は示唆されたが,CARE-HF 試験で,標準的な適応基準(NYHA III-IV 度,左室駆出率[EF]35% 以下,QRS 時間120ms 以上)を満たす慢性心不全患者において,通常の薬物療法に比しCRT-P が生命予後のみならず心不全の入院を減らしQOL も改善することが示され,そのサブ解析でICD 機能はなくても突然死の抑制効果があることが示された。

ICDの付加効果については,COMPANION試験でCRT-PとCRT-D の比較が行われ,CRT-D よりも良好な生存率(2年時点で約4%)が観察されたが,統計学的な有意差は認められなかった。その後,Rong らは,CRT 患者を前向きに予後調査しCRT-P とCRT-D を比較した結果,CRT-D の生存率がCRT-P より約10% 良好であることを報告した。一方,ICD とICD-CRT(ICD にCRT を追加)の比較については,RAFT 試験[35]が実施されている。対象はEF 30% 以下のNYHA II-III 度でQRS≧120ms あるいはペーシング調律時のQRS ≧200ms の慢性心不全患者1,798例である。一次エンドポイントは全死亡および心不全による入院の複合エンドポイントで,平均40ヵ月追跡観察された。ICD-CRT 群はICD 単独群に比し,一次エンドポイントにおいて有意に優れていた(ハザード比 [HR]0.75, P<0.001)。NYHA II 度の対象に限ってもほぼ同様の結果となったが,植込み後30日の有害事象(左室リードの不具合や感染など)は有意にICD-CRT 群で多く,入院期間の延長やデバイス関連の入院の原因となっていることが明らかになった。

MADIT-CRT 試験[36]もQRS 時間の延長した軽症心不全患者で予防的CRT-ICD がICD 単独治療と比較して死亡および心不全のリスクを低減するか否かを検証する目的で実施された。対象は,虚血性心筋症(NYHA I-II 度)または非虚血性心筋症(NYHA II 度)で洞調律でEF が30% 以下,QRS ≧130ms でガイドラインによるICD 適応患者1,820例である。一次エンドポイントは全死亡あるいは非致死的心不全で,平均2.4年追跡観察された。本試験は中間解析で,CRT-ICD 群がICD 群に比し優位であることが明らかになったので,予定より早期に終了した(HR 0.66,P=0.001)。心不全は有意に減少(HR 0.59,P<0.001)したが,全死亡は両群間に有意差は認められなかった。また虚血性と非虚血性心筋症の間にも差はみられないことがサブ解析で示された。本試験でもCRT-ICD 群において有害事象が多く,CRT に伴う手技や感染症,リード不具合などに関するトラブルはある程度避け得ないことも認識しておく必要があることを示唆している。

近年,CRT の適応拡大を目的とした臨床試験の結果が発表されている。REVERSE 試験[37]は,無症候性または軽度の症候性(NYHA II 度)の慢性心不全患者においてCRT の有用性を検証した試験である。対象は,NYHA I-II 度のQRS ≧120ms の洞調律患者で左室拡張末期径≧55mm の610例である。一次エンドポイントは12ヵ月後の心不全の転帰(悪化・不変・改善)であったが,CRT 機能をON にする群とOFF にする群で比較が行われた。CRT をON にすると心不全による入院頻度が低下した(初回の入院までの時間が延長)。また,CRT ON 群で左室収縮期容積指数が有意に減少し,左室リモデリングの改善が認められた。したがって,従来の適応基準よりも軽症心不全に対する有用性が示唆されたといえる。さらに,QRS 間隔が<130ms の症例に対してRethin Q 試験[38]が行われた。対象は,EF ≦35%のNYHA III 度の心不全でQRS <130ms の症例172例である。一次エンドポイントは6ヵ月後の心肺運動負荷試験における最大酸素消費量(VO2 max)が1.0mL/kg/分以上増加した患者の割合とした。QRS ≧120ms のサブグループでは,CRT 群で有意に増加したが,QRS <120ms のサブグループでは,その割合は対照群と差はなかった。この結果から,機械的非同期収縮が存在してもQRS <120ms ではCRT の有効性がないことが結論され,心エコー検査による非同期収縮の存在は,施設により評価にバラツキがあることに由来するかもしれないことが示唆された。このことはPROSPECT 試験[39]でも指摘されているところである。現在,心エコー検査上の指標でCRT の適応を決定できるものは未だ確立されていないといえる。

心不全の非薬物治療の中でも有効な治療はCRT といえるが,最大限の内科的治療でもコントロールできない重症慢性心不全に対しては,左室補助循環装置(LVAD / LVAS)が適用される。これまで,心臓移植までのブリッジ使用(bridge to transplantation:BTT)が普及しつつあるが,恒久的使用も検討されている。米国において心移植の適応のない重症心不全に対してHeartMate-VE を用いた恒久的治療(destination therapy:DT)と薬物治療とのランダム化比較試験(REMATCH 試験[40]が行われDT の有用性が示された。この成果をうけて,米国FDA は,DTとしてのLVAS 使用を許可し,全世界で使用されている。近年,この拍動型LVAS より小型で長寿命の定常流型LVAS が普及をみせている。これをうけ,心移植不適の重症慢性心不全患者において拍動流型LVAS と定常流型LVAS を生存および重症脳卒中の発症,デバイス不具合発生の観点から比較したHeartMate II 試験[41]が実施された。対象は,心臓移植不適の重症心不全で,EF <25%,PVO2 max<14mL/kg/分または予測値の50% 以下,NYHA IIIb-IV 度の重症例200例である。HeartMate II(定常流型LVAS)あるいはHeartMate XVE(拍動流型LVAS)に無作為割付けし追跡した。一次エンドポイントは,2年後の死亡,後遺症の残存する脳卒中 (Rankin Score >3), デバイス不具合の複合エンドポイントである。平均2年追跡されたが,HeartMate II(定常流型LVAS) のほうが有意に優れており(HR 0.38,P<0.001),2年生存率も有意に良好であった(HR 0.54,P=0.008)。脳卒中の発症は両群で同等であったが,HeartMate II 群で有害事象も再入院率も低く,定常流型LVAS の有用性が示された。

一方,非薬物治療の対極に運動療法がある。従来から心不全に対する運動療法には多くの報告があり,心不全患者のデコンディショニングの是正に効果があることが報告されている。近年,大規模な臨床試験としてHF-ACTION 試験[42]が実施された。対象はNYHA IV 度でEFが35% 以下の安定した心不全患者2,331例である。運動群は,通常の至適薬物治療に加え監視下で3セッション/週の有酸素運動(予備心拍数の60% に相当する15-30分のウォーキング,トレッドミル,エアロバイクのいずれかを1セッションとする)を3ヵ月施行。18セッション以後は家庭での運動プログラムに移行し,心拍数予備の60-70% 相当の運動40分を5セッション/週を行うプロトコールである。一次エンドポイント(全死亡,全入院の複合エンドポイント)は運動群で低値であったが,通常治療群との間に有意差は認められなかった(HR 0.93,P=0.13)。しかし,ベースライン時の主要な予後予測因子による調整後の運動群の一次エンドポイントは対照群に比し有意に抑制された(HR 0.89,P=0.03)。運動群では通常治療群に比し3ヵ月後の6分間歩行距離,心肺運動負荷時間,VO2 max が有意に改善したが,12ヵ月後には6分間歩行の差は消失した。以上の結果から運動トレーニングの効果は明確には示されなかったが,最近のメタ解析でも,生命予後や入院には抑制作用はみられないものの,心不全関連入院やQOL の改善は得られることが示唆されている。適度な運動を継続させることが重要であろう。

V. BNPガイドによる患者ケア

血中BNP 値は,心不全の診断のみならず,心不全の病状(心室の力学的負荷)を客観的に推定するバイオマーカーとして認識されている。この利点を利用してBNP 値測定により在宅ケア中の心不全患者の病状を把握し,迅速に適切な措置を施すことにより入院を減らし生命予後が改善することが期待される。このような仮説を検証するためいくつかの臨床試験が実施された。

STARS-BNP Multicenter 試験[43]は,BNP ガイドにより血漿BNP 値を100pg/mL 未満に下げる治療をする群とBNP 値を測定せず現在の心不全治療ガイドラインに沿った治療をする群とに無作為に割り付けたフランスでの臨床研究である。左室駆出率(EF)<45%,NYHA II-III 度の220例を対象とし,平均15ヵ月追跡した。BNP ガイド群で全死亡の有意な減少はみられなかったが,心不全関連死はBNP ガイド群で少なく,入院に関しても心不全による入院を有意に減少させた。その結果一次エンドポイント(心不全に関連した死亡と入院)はBNP ガイド群で有意に抑制された。同様の臨床研究を高齢者を対象としてもう少し大規模なランダム化比較試験として実施されたのがTIME-CHF 試験[44]である。60歳以上の収縮性心不全(EF ≦45%, 呼吸困難を伴うNYHA II 度以上で1年以内の心不全による入院歴)を対象として,18ヵ月後の入院回避率,QOL を一次エンドポイントとし平均18ヵ月追跡した研究である。NT-BNP ガイド群はNT-BNP レベルが正常上限値の2倍未満,NYHA ≦II 度になるように治療し,症状ガイド群では,呼吸困難の症状が軽減するように治療した。その結果は,入院回避率,QOL,全生存率ともに両群間に有意差は認められなかった。しかし年齢別にad hoc 解析をすると,若齢群(<75歳)ではNT-BNP ガイド群で症状ガイド群よりも転帰が有意に改善したが,高齢群(≧75歳)では両群間に有意差を認めなかった。本プロトコールはBNP 値によって一律にACE 阻害薬/ARB またはβ遮断薬を増量するように規定していたため,高齢者においてかえって有害事象が増加する要因になったためかもしれない。今後,BNP ガイド の有用性が発揮されやすい対象の絞り込みがなされていくものと考えられる。

おわりに

本稿では,慢性心不全の薬物治療を中心として最近のエビデンスから治療法の進歩について概説した。したがって,RAS 阻害薬やβ遮断薬については,最近のトピックスのみに限定し,急性増悪時の治療として急性心不全病態に対応する治療法の進歩および拡張性心不全に対する薬物治療のエビデンスについて各々項立てをして記述した。しかし,最近の慢性心不全治療は,非薬物治療のウエイトが大きくなりつつあり,心臓再同期療法(CRT)の有用性が注目されている。また重症心不全に対しての植 込み型人工心臓の開発も盛んであり,大規模臨床試験も行われているため,非薬物治療についても最近の進歩についてまとめた。ただ,心臓移植と再生医療(細胞移植治療)については,国内では限られた施設でのみ実施されていること,とくに後者については,急性心筋梗塞について若干の試みがなされているものの海外でもいまだエビデンスとして確立されていないため,本稿からは割愛した。いずれ慢性心不全治療の一般的治療法として確立,普及していくことが期待される。

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