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BMIと全死亡
meta-analysis

過体重および肥満は全死亡リスク上昇と関連。BMIと全死亡にJ字型の関係がみられた。リスクが最も低かったBMI値は非喫煙者23-24kg/m²,非喫煙・健康者22-23kg/m²,追跡期間≧20年の非喫煙者20.0-22kg/m²。BMI低値例での死亡リスク増大は,未診断疾患の残余交絡の可能性が示された。喫煙歴,合併・未診断疾患,追跡期間の早期の影響を除外しないと,BMIと死亡の関係はU字型に近づく。
Aune D, et al. BMI and all cause mortality: systematic review and non-linear dose-response meta-analysis of 230 cohort studies with 3.74 million deaths among 30.3 million participants. BMJ. 2016; 353: i2156. PubMed

コメント

BMIと生命予後の関係は繰り返し検討され,多くの報告がある。UカーブまたはJカーブが存在することは,これまで一致している。
喫煙,糖尿病,冠動脈疾患,脳卒中はBMIと死亡の関係を考える上で影響する因子である。今回の報告は,3,000万人を超える大規模なメタ解析となった。喫煙,糖尿病,冠動脈疾患,脳卒中で調整すると異質性がみられた。
今回の報告では,喫煙歴,未診断疾患,追跡期間の早期を除外すると,BMIと死亡との関係はJ字型だったと結論されている。追跡期間20年以上の非喫煙者で最もリスクが低かったBMI値は20-22kg/m²と低いところにあり,J字型としている。ガイドライン等で推奨されるBMI値に対して有用なエビデンスを提供する報告となった。(中村,中野,永井

目的 高BMIと死亡リスク上昇が関係することは多くの研究から示されているが,2013年に発表されたメタ解析ではリスクが上昇するのはgrade 2(BMI≧35kg/m²)の肥満のみであった(JAMA 2013; 309: 71-82.)。しかし,多くの研究が除外されたため,その妥当性に疑問がもたれている。また,死亡と強く関連することが知られている喫煙や体重減少のある疾患は残存交絡因子となる可能性が高いが,これまでのメタ解析では十分に対処されていなかった。
BMIと死亡の関係の強さ,用量反応曲線の形状と最低値,喫煙,合併症・潜在性疾患による体重減少の交絡を検証するため,コホート研究のシステマティックレビューとメタ解析を実施した。
対象 3,023万3,329人・228コホート研究。≧3群に層別したBMIと全死亡の関係の調整相対リスク推定値(ハザード比あるいはリスク比)が報告された一般住民対象のコホート研究。
除外基準:患者(糖尿病・心血管疾患など),介護施設入居者での研究,調整リスク評価あるいは信頼区間のない研究,肥満者あるいは診断例での研究など。
■参加者背景:参加者数(<1,000人;15研究,1,000-<10,000人;92研究,10,000-<10万人;89研究,10万-<100万人;20研究,≧100万人;12研究),地域(北米:非喫煙者22研究,全例70研究,欧州:18研究,96研究,アジア:11研究,49研究)。
平均追跡期間は全例13.8年,非喫煙者14.2年。
方法 PubMed,Embaseを2015年9月23日まで検索。これまでのメタ解析の参照文献も調べた。
ランダム効果モデルで,BMI 5kg/m²増加ごとのサマリー相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。
喫煙の交絡を避けるため,非喫煙者での解析を主解析とし,全例および喫煙者での解析を二次解析とした。また未診断疾患の影響を検討するために追跡期間を層別して解析した。
結果 [非喫煙者(>997万6,077人・53研究)]
死亡は>738,144例。
BMI 5kg/m²増加ごとのサマリーRRは1.18(95%CI 1.15-1.21);I ²=95%,異質性P<0.001。
BMIと死亡の関係はJ字型(非線形,P<0.001)で,死亡率が最も低かったのはBMI 23-24kg/m²。関係に性差はなく,出版バイアスはみられなかった。
非喫煙・健康者(727,687人・26研究)では,死亡は>74,464例。
BMI 5kg/m²増加ごとのRRは1.21(1.18-1.25)I ²=93%,異質性P<0.001。
BMIと死亡の関係はJ字型(非線形,P<0.001)で,死亡率が最も低かったのはBMI 22-23kg/m²。
追跡期間早期(1~6年)を除外した非喫煙・健康者(119万2,443人・11研究)のサマリーRRは1.27(I ²=89%,異質性P<0.001)。

[全例(3,023万3,329人・228研究)]
死亡は>374万4,722例。
BMI 5kg/m²増加ごとのRRは1.05(1.04-1.07);I ²=97%,異質性P<0.001。
BMIと死亡の関係はU字型(非線形,P<0.001)で,死亡率が最も低かったのはBMI 25kg/m²。

[現喫煙者,元喫煙者,喫煙歴がある者]
死亡は現喫煙者(391万1,812人・22研究):>270,620例,元喫煙者(152万3,435人・17研究):>126,786例,喫煙歴あり(661万6,140人・24研究):>696,134例。BMIと死亡の関係はいずれにおいてもU字型(非線形,P<0.001)。

[サブグループ]
非喫煙者で結果に差がみられたサブグループは,追跡期間のみ(P=0.02)。
≧20年の研究に限定すると,BMI 20-22kg/m²の死亡リスクが最も低く,正常高値(24-<25kg/m²)でやや上昇,過体重,肥満,重篤な肥満では顕著なリスク上昇がみられた。
一方,全例では追跡期間(P<0.001),地域(P=0.04),死亡例数(P<0.001),研究の質(P=0.03)による有意な違いが認められた。また1日の喫煙本数を調整した研究でBMIと死亡の関係がより強く示され,未調整の研究との有意な異質性がみられた(P<0.001)。同様に,糖尿病,冠動脈疾患(P=0.003),脳卒中(P=0.07)で調整すると,有意な異質性が示された。

(収載年月2016.10)
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