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急性虚血性脳卒中に対する脳血管内血栓除去術
meta-analysis

急性虚血性脳卒中患者において,機械的血栓除去術はtPAによる内科的治療にくらべ機能的転帰の改善が大きく,血管造影で確認した血流再開率が高かったが,90日後の症候性頭蓋内出血と全死亡には有意差はみられなかった。
Badhiwala JH, et al. Endovascular Thrombectomy for Acute Ischemic Stroke: A Meta-analysis. JAMA. 2015; 314: 1832-43. PubMed

コメント

IMS-III,SYNTHESIS Expansion,MR-RESCUEにおいてt-PAを用いた内科的治療に対する優位性が証明されず,否定的な結果に終わったMerciやPenumbraなどの第一世代の血栓除去デバイスに比べて,SolitaireやTrevoといった新しいステント型デバイスは,再開通率も転帰改善率もはるかに優れていることがMR CLEAN, ESCAPE,EXTENDED-IA,SWIFT- PRIME,REVASCATにおいて相次いで報告されたが,このメタ解析では,これらの機械的血栓除去術のすべての試験を対象とし,t-PA静注療法と比較している。これまでのメタ解析は第一世代のデバイスの試験のみや,新世代のデバイスの試験のみを対象にしていたので,すべてのデバイスを対象にしたメタ解析であることが本研究の特徴といえる。一次エンドポイントであるmRSスコアの改善が内科治療より優れていたのは新世代のデバイスの成績が反映されているためであり,当然の結果である。二次エンドポイントのうち,再開通率が機械的血栓除去療法群で内科療法群より高かったのも,新世代デバイスによる効果を反映していると考えられる。90日後の症候性頭蓋内出血や死亡率には差がなかったことは第一世代のデバイスの成績が足を引っ張ったと考えられる。関連因子の中では,近位部閉塞とt-PAとの併用が転帰良好な因子として抽出されたが,血管内治療医には常識であり,臨床現場での適応を考慮する上で参考になるであろう。もうひとつの転帰良好因子はステント型デバイスの使用であり,機械的血栓除去術は今やこのタイプのデバイスの使用が常識となっており、第一世代のデバイスはもはや過去のものとなった。(内山

目的 急性虚血性脳卒中に対する血管内治療の臨床転帰は複数のランダム化比較試験(RCT)でtPA静注による内科治療と比較されているが,結果は一貫していない。また,従来のシステマティックレビューは内科的治療群にtPA静注が含まれておらず,小規模パイロット研究や大規模試験のサブ解析の統合解析であった。
最近報告された多施設共同RCTのメタ解析により,急性虚血性脳卒中患者における血管内機械的血栓除去術の臨床転帰を検証した。また,血管内血栓除去治療の良好な転帰に関連する画像検査・患者・治療・研究関連因子も検討した。
一次エンドポイントは,90日後のmodified Rankin scale(mRS)スコア。
対象 8試験*・2,423例(血管内治療群1,313例,標準的な内科的治療群1,110例)。18歳以上の急性虚血性脳卒中患者において,血管内治療(マイクロカテーテルや他のデバイスによる機械的血栓除去術)と標準的内科的治療(tPA静注を含む)を比較したRCTで,機能的転帰(mRSスコア)が報告されているもの。
* SYNTHESIS,MR RESCUE,IMS III,MR CLEAN,ESCAPE,EXTEND-IA,SWIFT-PRIME,REVASCAT。
除外基準:二重報告,post hoc解析,パイロット研究,ピアレビュー誌に論文が発表されていない学会抄録など。
■患者背景:平均年齢67.4歳,女性46.7%,発症から血管内治療までの平均時間3.8時間(5-12時間)。
試験背景:発表年2013-’15年。
方法 MEDLINE(PubMed,Ovid),EMBASE,CINAHL,Google Scholar,Cochrane Libraryを検索(2015年8月まで)。選択した文献とレビュー論文の参考文献もハンドサーチ。
結果 [一次エンドポイント]
mRSスコアは血管内治療群で有意に改善した(90日後の障害低下のオッズ比1.56;95%信頼区間1.14-2.13,P=0.005;I ²=75.9%)。

[二次エンドポイント]
血管内治療群は,90日後の機能的自立(mRSスコア0-2)(557/1,293例[44.6%] vs 内科的治療群351/1,094例[31.8%]:1.71;1.18-2.49,P=0.005;I ² =75.4%),24時間後の血管造影による血流再開(75.8% vs 34.1%:6.49;4.79-8.79,P<0.001;I ²=0.0%)が有意に高かった。
90日以内の症候性頭蓋内出血(5.7% vs 5.1%:1.12;0.77-1.63;I ²=0.0%),90日後の全死亡(15.8% vs 17.8%:0.87;0.68-1.12;I ²=17.7%)には有意差はみられなかった。

[関連因子]
血管内治療による良好な転帰と関連した因子は,2015年論文発表(オッズ比2.39 vs ’13年0.98,交互作用P<0.001),CT・MRIによる血管造影で確認した動脈近位部閉塞(2.24 vs 閉塞なし0.98,P<0.001),血管内治療+tPA(2.07 vs 非併用0.86,P=0.02),ステント型血栓除去デバイス(2.39 vs 第一世代デバイス0.98,P<0.001)。

(収載年月2016.01)
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