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急性非心原性虚血性脳卒中,TIAに対する治療—早期2剤併用 vs 単剤抗血小板療法
meta-analysis

非心原性虚血性脳卒中またはTIA患者において,2剤併用抗血小板療法は単剤療法よりも急性期の脳卒中再発予防効果に優れていた。中国で実施されたCHANCE試験の結果は,他の地域での試験結果と一致した。
Wong KS, et al. Early dual versus mono antiplatelet therapy for acute non-cardioembolic ischemic stroke or transient ischemic attack: an updated systematic review and meta-analysis. Circulation. 2013; 128: 1656-66. PubMed

コメント

本メタ解析により,急性期の非心原性虚血性脳卒中,TIAに対する二次予防治療として,抗血小板薬2剤併用が抗血小板単剤療法より予防効果が大きく,出血リスクが増加しないことが示された。これまで,アスピリンとジピリダモールの併用は有効とされてきたが,アスピリンとクロピドグレル併用の有効性についてはエビデンスが確立されていなかった。本メタ解析で,発作後3日以内の投与に限れば,2剤併用療法の有用性が示されたといえる。今回,解析に加えられたCHANCE試験(n=5,170)は急性期の二次予防効果を検討した大規模臨床試験であり,この試験を加えることにより,アスピリンとクロピドグレル併用の有効性が明確になったものと考えられる。虚血性脳卒中,TIAの再発は,急性期数日以内に多いので,急性期に強力に抗血小板作用を発揮させることが重要と言えるだろう。(


目的 虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の急性期は再発のリスクが高く,より積極的な抗血小板療法が有効な可能性がある。この仮説はサロゲートエンドポイントを用いた複数の2剤併用 vs 単剤抗血小板療法のランダム化比較試験(RCT)で裏付けられており,2011年までに実施されたRCTのメタアナリシス(Stroke. 2012; 43: 1058-66. PubMed)では,急性期(発症後3日以内)のデータを統合解析した結果,2剤併用は単剤よりも脳卒中再発リスクが低く,重大な出血にも有意差がないことが示された。その後行われた大規模RCTのCHANCEでも,clopidogrel+aspirinはaspirin単剤にくらべ脳卒中の再発を予防し,出血も増加しないことが示されている。
非心原性虚血性脳卒中またはTIAの急性期に開始する2剤併用抗血小板療法の有効性と安全性をさらに検証するため,先のメタアナリシスにCHANCEを含む2011年以降発表のRCTを加えて,システマティックレビューとメタアナリシスを実施した。
有効性のエンドポイントは,脳卒中再発,および脳卒中+TIA+急性冠症候群(ACS)+全死亡の複合エンドポイント。
安全性のエンドポイントは,重大な出血。
対象 9,012例・14 試験*。18歳以上の非心原性虚血性脳卒中またはTIA患者において2剤併用抗血小板療法と単剤抗血小板療法を比較したRCTで,発症後3日以内に登録とランダム化が行われたもの。
* ESPS 2,MATCH,CHARISMA,FASTER,EARLY,PRoFESS,CHANCEなど。
方法 PubMedを検索(2011年1月~’12年11月)。参考文献とレビュー論文もハンドサーチ。
今回新たに検索された1試験とCHANCE試験を,先に行われたメタアナリシスの対象12試験に追加して解析した。
結果 [試験治療の内訳]
aspirin+clopidogrel vs aspirin(5,901例・5試験); vs clopidogrel(491例・1試験)。
aspirin+dipyridamole vs aspirin(964例・5試験); vs dipyridamole(220例・2試験); vs clopidogrel(1,360例・1試験)。
cilostazol+aspirin vs aspirin(76例・1試験)。

[有効性のエンドポイント]
脳卒中再発(12試験)のリスクは,2剤併用抗血小板療法が単剤療法にくらべ有意に低かった(リスク比0.69;95%信頼区間0.60-0.80,P<0.001)。
CHANCE(0.70;0.59-0.83)とCHANCE以外(0.66;0.48-0.91)の結果も同等であったが,CHANCEを加えると95%信頼区間は狭まった。
脳卒中+TIA+ACS+全死亡(8試験)のリスクも2剤併用群が有意に低く(0.71;0.63-0.81,P<0.001),CHANCE(0.71;0.61-0.83)とCHANCE以外(0.71;0.56-0.91)の結果も同等であった。

[安全性のエンドポイント]
重大な出血のリスクに有意な群間差は認められなかった(1.35;0.70-2.59,P=0.37)。

[感度分析]
二重盲検試験のみ(脳卒中再発:7試験[7,875例],複合エンドポイント:5試験[7,438例],重大な出血:6試験[7,654例])の解析結果も同様であった。

[異質性と出版バイアス]
試験間,サブグループ間の異質性,出版バイアスはともに認められなかった。

(収載年月2014.06)
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