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症候性心不全患者における心臓再同期治療の合併症と死亡への効果
pooled analysis

左室収縮機能が低下した洞調律の症候性心不全患者において,QRS幅は心臓再同期治療(CRT)の死亡および合併症に対する有効性を強く予測した。一方,QRS形態はCRTの有効性を予測しなかった。
Cleland JG, et al. An individual patient meta-analysis of five randomized trials assessing the effects of cardiac resynchronization therapy on morbidity and mortality in patients with symptomatic heart failure. Eur Heart J. 2013; 34: 3547-56. PubMed

コメント

CRTの予後予測因子に関するメタ解析は,CARE-HF,MIRACLE,MIRACLE ICD,REVERSE,RAFTの5つの臨床試験を対象とし,4,317名の個々の患者データに基づき3,872名を解析している。死亡または心不全入院をアウトカム指標として解析を行った結果,有効性と有意の交互作用を示したのがQRS時間のみであった。ここで,(1) QRS時間が140ms以上では~180msまでは相関関係が示され,130ms以下では有効性が確認できなかったこと,(2) QRS時間で調整すると,左脚ブロックの存在は有効性予測因子とならなかったことから,QRS時間が極めて強い有効性の予測因子であることが窺える。このメタ解析では患者個人のデータが入手できなかったためCOMPANIONとMADIT-CRT試験のデータが含まれていないが,両試験ともQRS時間の有用性は確認されているので,本研究の結論に影響を与えることはないものと考えられる。CRTの適応に関するガイドラインは学会によって微妙に異なっているが,本解析結果は今後のガイドライン策定にも影響を与えるものと思われる。(


目的 心臓再同期治療(CRT)は心不全(HF)患者の症状を改善し死亡を抑制するが,有効性にはばらつきがある。多くの観察研究でCRTの有効性を予測する因子の探索が試みられたが,これらは主にサロゲートエンドポイントを用いている。
CRTの有効性を検討したランダム化比較試験(RCT)の個別患者データを用いて,CRTの有効性を予測する変数を探索するメタアナリシスを実施した。
一次エンドポイントは,全死亡,HFによる初回入院+全死亡の複合エンドポイント。
対象 3,872例・5試験*。CRTとICD,至適内科治療,バックアップペーシングを比較したRCTで,追跡期間≧6ヵ月,Medtronic社が個別患者データを提供できたもの。
除外基準:NYHA心機能分類I度,心房細動,ペースメーカー植込み例。
* MIRACLE,MIRACLE ICD,CARE-HF,REVERSE,RAFT。
■患者背景:年齢66歳**,女性22.4%,QRS幅160ms**,NYHA心機能分類(II度:48.5%,III度:47.8%),血圧116/70mmHg**,EF 24%**,左脚ブロック78.4%,追跡期間23.7ヵ月*** 中央値。
方法 CRT植込み例(CRT+ペースメーカー[CRT-P]:735例,CRT+ICD[CRT-D]:1,288例)と対照(至適内科治療±バックアップペーシング:700例,ICD:1,149例)において,CRT治療の一次エンドポイントに対する有効性に影響を及ぼす因子を探索。評価した変数は,年齢,性別,NYHA心機能分類,病因,QRS形態(左脚ブロックの有無),QRS幅,EF,収縮期血圧。
結果 [CRTの有効性]
CRT植込み例は対照にくらべ,全死亡(ハザード比[HR]0.66;95%信頼区間0.57-0.77),HFによる入院+全死亡(0.65;0.58-0.74)のリスクが有意に低かった。

[予測因子]
両エンドポイントにおいてCRTの有効性との有意な交互作用を示したのは,QRS幅のみであった(全死亡:P=0.0013,HFによる入院+死亡:P<0.0001)。
QRS幅を連続変数として横軸に,CRTの推定HRを縦軸にプロットした結果,CRTのHRはQRS幅の増加に伴い低下した。
推定HRは全死亡ではQRS 126ms,HFによる入院+全死亡では132msで1.0を下回ったことから,QRS幅がこれらの値よりも大きくなるとCRTが有効となる可能性が示唆された。さらに,HRの95%信頼区間はQRS幅およそ140msで1.0を下回ったことから,CRTはQRS>140msの患者に有効であることが明らかとなった。
QRS幅で調整後,QRS形態も含め,その他の変数とCRTの有意な交互作用は認められなかった。

(収載年月2014.06)
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