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長期のゆるやかな減塩の血圧への影響
meta-analysis

ゆるやかな減塩(4週以上で4.4g/日減)は,高血圧患者,正常血圧者において,性別や民族を問わず有意な降圧をもたらした。24時間尿中ナトリウム排泄量の低下と収縮期血圧の低下には用量反応関係が認められた。
He FJ, et al. Effect of longer term modest salt reduction on blood pressure: Cochrane systematic review and meta-analysis of randomised trials. BMJ. 2013; 346: f1325. PubMed

コメント

わが国のガイドラインでは1日6グラム未満の厳しい減塩を推奨しているが,6グラムという根拠は乏しい。厳格な減塩はまた血漿レニン活性やアルドステロンの上昇をまねき血圧低下を相殺する。そこで本メタ解析では緩やかな減塩が血圧低下に及ぼす影響についてコクランライブラリーからメタ解析している。世界でもっとも塩分摂取量が多いとされる日本の論文が入っていないことは,modest salt reduction論文の基準から除外されたのかもしれない。
本メタ解析の結果によると,1日摂取量を4.4グラム減らすことで収縮期血圧4.18mmHg/拡張期血圧2.06mmHgの低下が得られるという。
減塩による血圧低下は,高血圧の有無,年齢や民族にかかわらず認められたという。
1日9-13グラムから5-6グラムへ時間をかけて減塩することがもっとも血圧降下に効果的であり,3グラムという極端な減塩の効果は不明であるとしている。
高齢化が進んでいるわが国では高齢者の厳しい減塩は,低ナトリウム血症などの電解質異常をきたす可能性もあり,減塩は数か月かけて穏やかに実施するのが好ましいのだろう。(桑島


目的 現在多くの国で公衆衛生の観点から,塩分摂取量の約9-12g/日から5-6g/日への減量が推奨されている。このような減塩による降圧や心血管疾患リスクの低下はさまざまな研究で示されているが,2011,’12年に発表されたメタ解析では,減塩がホルモンや脂質に悪影響を与える可能性が示され,正常血圧者における降圧のベネフィットについても疑問が提起された。ただし,この解析には4-5日間という短期間で20g/日から1g/日未満に減らすといった急激な減塩の研究が多数含まれているため,推奨されている長期のゆるやかな減塩とは異なっている。
そこで,長期のゆるやかな減塩が血圧,ホルモン,カテコールアミン,脂質に及ぼす影響を検討するため,ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。
対象 34試験・3,230人。ゆるやかな減塩群と通常の食塩摂取群(対照群)を比較するRCTで,並行する他の介入(非薬物治療,降圧薬,その他薬物治療)がなく,24時間尿中ナトリウム(Na)排泄量の低下が40-120mmol(2.3-7.0g/日の減塩に相当),減塩期間≧4週,18歳未満/妊婦/高血圧以外の疾患を有する患者を含まないもの。
■背景(中央値):年齢50歳,24時間尿中Na排泄量160mmol(食塩摂取量9.4g/日に相当),血圧141/86mmHg。試験期間4週。
方法 Medline(1950-2012年11月),Embase(1980-2012年11月),Hypertension Group Specialised Register,Cochrane Central Register of Controlled Trialsを検索。レビュー論文,参考文献も調査。ランダム効果メタ解析,サブグループ解析,メタ回帰分析を行った。
結果 [減塩による血圧の変化]
減塩により血圧は有意に低下した。減塩群の対照群と比較した24時間尿中Na排泄量は-75mmol(4.4g/日減塩に相当)で,これに伴う血圧の変化は,収縮期血圧(SBP)が-4.18mmHg(P<0.001,試験間の異質性I ²=75%),拡張期血圧(DBP)が-2.06mmHg(P<0.001,I ²=68%)。
メタ回帰分析で,年齢,民族,高血圧の有無,24時間尿中Na排泄量の変化はSBPの低下と有意に関連(この4因子で試験間の異質性の68%を説明)。
また,減塩とSBP低下には用量反応関係が認められた(24時間尿中Na排泄量-100mmol[6g/日減塩]でSBP-5.8mmHg,P=0.001)。

[サブグループ]
・高血圧患者(22試験・990例:血圧中央値148/93mmHg)
減塩により血圧は有意に低下(24時間尿中Na排泄量-75mmol[4.4g/日減塩]で,SBP-5.39mmHg[P<0.001,I ²=61%],DBP-2.82mmHg[P<0.001,I ²=52%])。
メタ回帰分析では,民族と24時間尿中Na排泄量の変化は SBPの低下と有意に関連したが,年齢は関連せず(この3因子で異質性の46%を説明)。24時間尿中Na排泄量の低下とSBP低下には用量反応関係が認められた(-100mmol[6g/日減塩]でSBP-10.8mmHg,P<0.01)。DBP低下については,上記3因子で異質性の11%を説明,いずれもDBPの低下との有意な関連はなし。
・正常血圧者(12試験・2,240人:血圧中央値127/77mmHg)
減塩により血圧は有意に低下(24時間尿中Na排泄量-75mmol[4.4g/日減塩]で,SBP-2.42mmHg[P<0.001,I ²=66%],DBP-1.00mmHg[P=0.02,I ²=66%])。
メタ回帰分析で,24時間尿中Na排泄量の変化はSBPの低下と有意に関連したが,年齢と民族は関連しなかった(3因子で異質性の51%を説明)。24時間尿中Na排泄量の低下とSBP低下には用量反応関係が認められた(-100mmol[6g/日減塩]でSBP-4.3mmHg,P<0.05)。DBPの低下については,上記3因子で異質性の43%を説明,有意な関連がみられた因子は民族のみだった(P=0.04)。
・民族(白人/黒人/アジア人),性別による解析
SBPはいずれのサブグループでも有意に低下,DBPもほとんどのサブグループで有意に低下した。

[ホルモン,脂質の変化]
減塩により下記の項目がわずかながら有意に変化した:血漿レニン活性(+0.26ng/mL/h;P<0.001,I ²=70%),アルドステロン(+73.20pmol/L;P<0.001,I ²=62%),ノルアドレナリン(+187pmol/L;P=0.01,I ²=5%)。
アドレナリン(+37pmol/L;I ²=12%),総コレステロール(+1.9mg/dL;I ²=0%),LDL-C(+1.9mg/dL;I ²=0%),HDL-C(-0.8mg/dL;I ²=16%),トリグリセライド(+3.5mg/dL;I ²=0%)については有意な変化を認めなかった。

[出版バイアス]
SBPについては出版バイアスが認められたが(P=0.025),減塩効果が小さかった大規模長期試験2試験を除外した解析で,有意性は消失した。

(収載年月2013.10)
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