循環器トライアルデータベース
HOME
トライアル検索
フリーワード検索
*検索について
トライアル名検索
1 4 5
A B C D E F
G H I J K L
M N O P Q R
S T U V W X
Y Z
疾患分類検索
薬効分類検索
薬剤名検索
治療法検索
キーワード検索
掲載トライアル一覧
学会情報
meta-analysis, pooled analysis
日本のトライアル
Trial Review
用語説明
Topic
開設10周年記念座談会
開設5周年記念座談会
AHA2012/ISH2012特別企画
このサイトについて
ライフサイエンス出版のEBM関連書籍
meta-analysis, pooled analysis
← meta-analysis, pooled analysis のトップページへもどる
オメガ-3脂肪酸サプリメントと心血管疾患リスク
meta-analysis

オメガ-3多価不飽和脂肪酸の補給と,全死亡,心臓死,突然死,心筋梗塞,脳卒中リスク低下との関連性は示されず。
Rizos EC, et al. Association between omega-3 fatty acid supplementation and risk of major cardiovascular disease events: a systematic review and meta-analysis. JAMA. 2012; 308: 1024-33. PubMed

コメント

魚油に含まれるn-3系脂肪酸(n-3 PUFA)の摂取がCVD発症予防に有効であるという試験が多く発表されてきており,わが国でも種々のガイドラインで,高リスクの患者では,n-3 PUFAの摂取を勧めているところである。
本メタ解析は,これまで行われている最も大きなメタ解析であるが,結果的には,n-3 PUFA摂取によりCVD関連イベント(特に総死亡や,心血管死)の抑制効果が認められなかったということである。1997年に発表されたBucherらのメタ解析(Arterioscler Thromb Vasc Biol. 1999: 19; 187-95. PubMed,Am J Med. 2002: 112; 298-304. PubMed)では,総死亡については有意に抑制するという論文が発表され,わが国のガイドラインでもこのメタ解析とともにJELISをもとに,高リスク患者におけるn-3 PUFAの投与が推奨されてきたのである。しかし,本論文は,その後の試験も加えたメタ解析であり,n-3 PUFA投与の意義に関しては論議を呼びそうである。ただし,1999年以後に発表された論文はスタチンなどの心血管イベント抑制効果を持つ治療をベースに治療されたものが多く,その影響を受けていることも念頭に置く必要はあろう。実際に,最近の試験ではイベントの数が極めて減少しており,n-3 PUFAの効果を見るための統計的パワーが低下していることが問題となっている。さらに,ここでメタ解析されている治療法をみると,必ずしも一定ではなく,食事も含めたn-3 PUFAが用いられている試験のメタ解析であり,単純な分析が許されるのかこの点も吟味する必要があるものと思われる。(寺本


目的 オメガ-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)は,主要ガイドラインで心筋梗塞(MI)後の患者への補給が推奨されているが,FDAが承認する適応症は高トリグリセライド(TG)血症患者におけるTG低下のみである。一方,欧州の一部の国では心血管リスクの低下薬として承認されている。このような違いは,オメガ-3による心血管予防の是非について,臨床現場に混乱を招いている。また,オメガ-3 PUFAと心血管転帰の関連性を評価したシステマティックレビューとメタアナリシスの結果も,一致していない。そこで,オメガ-3 PUFAが心血管転帰に及ぼす影響を評価するメタアナリシスを行った。
エンドポイントは全死亡,心臓死,突然死,MI,脳卒中。
対象 20試験*・68,680例。成人患者において,オメガ-3 PUFA(食事またはサプリメントとしての補給)の心血管疾患一次/二次予防効果を他の食事療法またはプラセボと比較した,追跡期間が1年以上のランダム化比較試験。
* JELIS,ORIGIN,GISSI,GISSI-HF,DART1,2,SU.FOL.OM3など(一次予防0試験,二次予防13試験,一次・二次予防4試験,ICD 3試験)。
■試験背景:年齢68歳,治療期間2年,オメガ-3投与量(EPA+DHA 1.0g/日,EPA 0.46g/日,DHA 0.43g/日)(すべて中央値)。
方法 MEDLINE,EMBASE,Cochrane Central Register of Controlled Trialsを検索(~2012年8月)。システマティックレビューの参考文献も検索。
結果 すべての転帰において,オメガ-3 PUFA補給による有意なリスク低下は認められなかった。

[全死亡(17試験:6,295/63,279例)]
相対リスク0.96;95%信頼区間0.91-1.02,I ²=12%・絶対リスク低下-0.004;-0.01-0.02,I ²=38%。

[心臓死(13試験:3,480/56,407例)]
0.91;0.85-0.98,I ²=6%(P<0.01)・-0.01;-0.02-0.00,I ²=78%。

[突然死(7試験:1,030/41,751例)]
0.87;0.75-1.01,I ²=8%・-0.003;-0.012-0.006,I ²=91%。

[MI(13試験:1,755/53,875例)]
0.89;0.76-1.04,I ²=35%・-0.002;-0.007-0.002,I ²=35%。

[脳卒中(9試験:1,490/52,589例)]
1.05;0.93-1.18,I ²=14%・0.001;-0.002-0.004,I ²=15%。

(収載年月2012.11)
▲pagetop
    --------------------
© 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
 
携帯版 EBM LIBRARY