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糖尿病を合併した非ST上昇型ACS患者における侵襲的 vs 保存的治療
collaborative meta-analysis

非ST上昇型ACS患者において,早期の侵襲的治療は糖尿病合併症例と非合併症例の心血管イベントを同等に抑制する。ただし,侵襲的治療による非致死的心筋梗塞リスクの抑制は糖尿病合併症例のほうが大きいようである。
O'Donoghue ML, et al. An invasive or conservative strategy in patients with diabetes mellitus and non-ST-segment elevation acute coronary syndromes: a collaborative meta-analysis of randomized trials. J Am Coll Cardiol. 2012; 60: 106-11. PubMed

コメント

本論文は糖尿病(DM)を合併した非ST上昇型ACS患者(NSTE-ACS)における侵襲的治療群と保存的治療群の有効性を比較検討した論文である。現在のところガイドラインではNSTE-ACSにおいてはハイリスクの患者群でPCIが推奨されている。ESC/ACC/AHAガイドラインではDM合併患者はハイリスク群に分類されPCIが望ましいとされている。しかし,これは2つのトライアルのsubgroup analysisからの判断でパワー不足であり,今回メタ解析で9つのトライアルで9904人の症例数を持って比較検討している。
このメタ解析の結果で注目すべきは死亡,心筋梗塞,ACSでの再入院などの複合エンドポイントではDMおよび非DM患者のいずれにおいても侵襲的治療群で相対リスクの低下の傾向を認めるが,特に再発性の非致死的心筋梗塞においてはDM患者においてのみ非DM患者と比較して侵襲的治療が相対リスク低下を認める傾向にある点である(RR: 0.71; 95% CI: 0.55 to 0.92 vs RR 0.98; 95% CI: 0.74-1.29; p interaction=0.09)。また,非DM患者においては侵襲的治療群において死亡,心筋梗塞の有意な低下はなく,そのなかでもバイオマーカーの上昇群においてのみ侵襲的治療群の有用性を認めている(RR: 0.68; 95% CI: 0.55-0.84 vs RR 1.17; 95% CI: 0.89-1.54; p interaction=0.006)。これらの点からNSTE-ACS患者においてはDMを有することは侵襲的治療を施行する際の簡便なrisk stratification markerとなりうるが,非DM患者においてはバイオマーカーの上昇が認められるようであれば侵襲的治療の対象となりうるといえる。(京都大学医学部附属病院循環器内科 今井逸雄,木村)。


目的 ガイドラインでは,高リスクの非ST上昇型急性冠症候群(ACS)患者に対して侵襲的治療を推奨している。糖尿病(DM)合併例はACS後の心血管イベント再発リスクが高いが,このような患者においても侵襲的治療が有効かどうかは明らかではなく,侵襲的治療の有効性を裏付けるエビデンスも乏しい。
非ST上昇型ACS患者で,DM合併症例と非合併症例の侵襲的治療と保存的治療を比較する。
エンドポイントは12ヵ月間の心血管イベント:死亡+非致死的心筋梗塞(MI)+ACSによる再入院の複合エンドポイント。
対象 9試験*・9,904例。非ST上昇型ACS患者において侵襲的治療と保存的治療を比較したランダム化比較試験の登録患者。
* TIMI IIIB,MATE,VANQWISH,FRISC II,TACTICS-TIMI 18,VINO,RITA 3,ICTUS,OASIS-5 substudy。
■患者背景:DM合併例 18.1%,DM合併例は非合併例よりも高齢で,女性が多く,高血圧,高コレステロール血症,MI既往例が多く,冠動脈造影上の広範な病変が多かった(3枝・左主幹部病変:48% vs 31%,P<0.001)。
侵襲的治療群では,DM合併例と非合併例の血行再建術施行率は同等であったが(67.8% vs 66.0%),CABG施行率はDM例で多かった(31.9% vs 25.9%,P<0.001)。
方法 文献レビューにより試験を特定した。
結果 [イベントの発生]
12ヵ月間の複合エンドポイントはDM合併例30.5% vs 非合併例20.3%(死亡:9.3% vs 3.2%,非致死的MI:11.3% vs 7.1%,ACSによる入院:18.1% vs13.0%;すべてP<0.001)。

[糖尿病と転帰の関係]
侵襲的治療の保存的治療と比較した複合エンドポイントの相対リスクは,DM合併例(0.87;95%信頼区間0.73-1.03)と非合併例(0.86;0.70-1.06)で差はなかった(交互作用のP=0.83)。
非致死的MIのリスクは,DM合併例で侵襲的治療により低下したが(0.71;0.55-0.92),非合併例では低下しなかった(0.98;0.74-1.29,交互作用のP=0.09)。非致死的MIの絶対リスク低下はDM合併例のほうが大きかった(3.7% vs 0.1%;交互作用のP=0.02)。
DM合併の有無を問わず,侵襲的治療によりACSによる再入院リスクは25%低下したが(交互作用のP=0.68),死亡リスクは低下しなかった(交互作用のP=0.87)。

[イベント発生時期]
複合エンドポイントのリスクは,侵襲的治療群で早期(退院前)にDM合併・非合併いずれの症例でも上昇し(DM例:1.27;0.85-1.88,非DM例:1.38;0.99-1.92,交互作用のP=0.80),退院後は死亡,MIは減少傾向にあった(0.78;0.57-1.08,0.77;0.55-1.07,交互作用のP=0.72)。

[バイオマーカーの影響]
DM非合併例では,バイオマーカーが高い症例では侵襲的治療の効果が高かったが(0.68;0.55-0.84),バイオマーカー陰性症例では侵襲的治療の効果は認められなかった(1.17;0.89-1.54,交互作用のP=0.006)。一方,DM合併例ではバイオマーカーの影響はみられなかった。

(収載年月2012.10)
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