循環器トライアルデータベース
HOME
トライアル検索
フリーワード検索
*検索について
トライアル名検索
1 4 5
A B C D E F
G H I J K L
M N O P Q R
S T U V W X
Y Z
疾患分類検索
薬効分類検索
薬剤名検索
治療法検索
キーワード検索
掲載トライアル一覧
学会情報
meta-analysis, pooled analysis
日本のトライアル
Trial Review
用語説明
Topic
開設10周年記念座談会
開設5周年記念座談会
AHA2012/ISH2012特別企画
このサイトについて
ライフサイエンス出版のEBM関連書籍
meta-analysis, pooled analysis
← meta-analysis, pooled analysis のトップページへもどる
急性脳梗塞に対する遺伝子組み換え組織プラスミノゲンアクチベータ:最新のシステマティック・レビューおよびメタ解析
meta-analysis

急性脳梗塞患者において,遺伝子組み換え組織プラスミノゲンアクチベータ(rt-PA)療法により転帰良好例と自立例が増加した。発症後6時間までは有効な場合はあるが,できるだけ早期に治療を行うべきとの従来のエビデンスをさらに裏付ける結果が示された。
Wardlaw JM, et al. Recombinant tissue plasminogen activator for acute ischaemic stroke: an updated systematic review and meta-analysis. Lancet. 2012; 379: 2364-72. PubMed

コメント

急性脳梗塞の症例に対して適切にt-PAが使用された場合には,神経学的予後が劇的に改善する場合もある。一方,脳組織の損傷が進んだのちには重篤な出血イベントリスクが増加するので,適応の選択が極めて重要である。現在の医学はevidence-based medicineという過去の臨床経験の数値化を診療の妥当性の根拠としている。現在,t-PAは発症3時間以内の症例に対して使用されている。多分,発症4.5時間でも,6時間でも効果のある症例はいるのであろう。そのような個別的な症例を見出すためには,最初の枠から少しずつはみ出して経験を蓄積しなければならない。本メタ解析に含まれる症例数は少ないが,このような経験を蓄積して前に進むための資料にはなり得る。(後藤


目的 急性脳梗塞に対するrt-PA療法の治療開始時間は当初は発症から3時間以内に限定されていたが,2004年のpooled 解析,2008年のECASS 3の結果から,80歳未満の患者における発症後3.0-4.5時間以内の治療の有効性が示唆された。その後も,2009年の11試験・3,977例を対象としたCochrane Database of Systematic Reviewsで発症後6時間以内の治療に関するエビデンスが蓄積されたものの,死亡や機能的転帰に対する改善効果,治療開始時間の限界,80歳を超える患者での有効性など,未だ不明瞭な点は多い。そこで,新たに報告されたIST-3のデータも加えて,発症後6時間以内の急性脳梗塞に対するrt-PA療法の有効性を検証する。
対象 12試験*・7,012例。画像検査により頭蓋内出血およびその他の脳疾患が除外された脳梗塞患者においてrt-PA療法を評価したランダム化比較試験。
除外基準:関連する臨床転帰のデータなし,追跡期間<1ヵ月。
*Mori et al,JTSG,Haley et al,ECASS,ECASS II,ECASS 3,NINDS,ATLANTIS A,ATLANTIS B,Wang et al,EPITHET,IST-3。
方法 1992年以降Cochrane Database of Systematic Reviewsで定期的に行われている急性脳梗塞に対するrt-PA療法のシステマティック・レビューを更新。multiple overlapping search methodにより2012年3月30日までの論文を検索。英語以外の論文は翻訳し,追加情報を試験責任医師から入手。
短期転帰として,7日以内の死亡,致死的頭蓋内出血,致死的頭蓋内出血以外の原因による死亡,症候性頭蓋内出血,症候性浮腫,長期転帰として7日後から追跡終了までの死亡,総死亡数,追跡終了時の転帰良好(modified Rankin Scale[mRS]またはOxford Handicap Score[OHS]0-1),自立(同0-2),要介助(同3-5)のデータを抽出。
結果 rt-PAの総投与量は0.6-1.1mg/kg。
追跡期間は1ヵ月(2試験),6ヵ月(IST-3),3ヵ月(その他)。

[機能的転帰]
追跡終了時の自立(10試験)は,rt-PA群で有意に増加(rt-PA群1,611/3,483例[46.3%] vs 対照群1,434/3,404例[42.1%]:オッズ比1.17;95%信頼区間1.06-1.29,P=0.001:絶対増42/1,000例;19-66)。
転帰良好(10試験)もrt-PA群で増加(1,211/3,483例[34.8%] vs 998/3,404例[29.3%]:1.29;1.16-1.43,P<0.0001:55/1,000例;33-77)。

[死亡]
7日以内の死亡(8試験)はrt-PA群で増加したが(250/2,807例[8.9%] vs 174/2,728例[6.4%]:1.44;1.18-1.76,P=0.0003:25/1,000例;11-39),追跡終了時の死亡(12試験)には有意な群間差はなかった(679/3,548例[19.1%]vs 640/3,464例[18.5%]:1.06;0.94-1.20)。

[症候性頭蓋内出血]
7日以内の症候性頭蓋内出血(12試験)は,rt-PA群で有意に増加(272/3,548例[7.7%] vs 63/3,463例[1.8%]:3.72;2.98-4.64,P<0.0001:58/1,000例;49-68)。

[3時間以内 vs 3-6時間]
自立は3時間以内の治療例(6試験)ではrt-PA群で増加したが(365/896例[40.7%] vs 280/883例[31.7%]:1.53;1.26-1.86,P<0.0001:90/1,000例;46-135),3-6時間の治療例(7試験)では差はみられず(1,182/2,491例[47.5%] vs 1,133/2,480例[45.7%]:1.07;0.96-1.20),3時間以内 vs 3-6時間のオッズ比の差は有意であった(χ²=9.49,P=0.002)。

[>80歳 vs ≦80歳]
rt-PA治療による自立(3試験)は,3時間以内の治療例で>80歳(28.9% vs 19.3%,P=0.003:96/1,000例),≦80歳(49.6% vs 40.1%,P=0.001:95/1,000例)ともに増加した。

(収載年月2012.09)
▲pagetop
    --------------------
© 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
 
携帯版 EBM LIBRARY