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駆出率が保持されている心不全患者における薬物治療の運動耐容能,心機能,死亡への影響
meta-analysis, trail sequential analysis

駆出率が保持されている心不全患者において,薬物治療は運動耐容能を改善したが,拡張機能,死亡に対する有効性は認められなかった。
Holland DJ, et al. Effects of treatment on exercise tolerance, cardiac function, and mortality in heart failure with preserved ejection fraction; a meta-analysis. J Am Coll Cardiol. 2011; 57: 1676-86. PubMed

コメント

本メタ解析で,収縮性心不全と同様に,拡張性心不全(HFpEF)でも運動耐容能と生命予後が乖離することが示された。HFpEFの予後を改善する薬剤が未だ見い出されていない現状において,現在進行中のアルドステロン拮抗薬試験(TOPCAT,ALDO-DHF試験)やAGE(advanced glycation endproducts) breakerの臨床試験の結果に期待したい()。


目的 収縮性心不全患者とは対照的に駆出率が保持されている心不全患者は,高齢で,女性が多く,高血圧・左室肥大・糖尿病・心房細動を合併している場合が多いが,有害イベントのリスクは両者は同等である。
収縮性心不全患者は薬物治療により転帰が改善することが多いが,駆出率が保持されている心不全患者の予後に変化はみられず,薬物治療の有意な有効性を示した大規模ランダム化比較試験はない。
複数の試験結果を合わせれば,治療により死亡のみではなく運動耐容能,拡張機能に有効性が見出せる可能性があるという仮説を検証するためメタ解析を実施した。
対象 53,878例。30試験(18のランダム化比較試験*[RCT:11,253例],12の観察研究**[42,625例])の参加者。
* ALLHATCHARM-PreservedI-PRESERVE** OPTIMIZE-HFなど。
試験の登録基準は,心不全の診断法の記載があり,EFの結果,介入群および対照群が明確で,一次エンドポイント(死亡,入院など),運動耐容能,拡張機能,QOLなどのその他の転帰の結果が示されているもの。
■試験背景:RCT(発表年1990-2010年),観察研究(2000-2009年),出版バイアスはなかった(RCT;P=0.13,観察研究;P=0.32)。
方法 PubMed, Cochrane Controlled Trials Registry,U.S. Clinical Trials databaseで次のキーワードを検索した。heart failure,diastolic heart failure,heart failure normal ejection fraction,heart failure preserved ejection fraction。
試験の選別と解析はQuality of Reporting of Meta-analyses (QUOROM)のガイドラインを順守した。
結果 [RCTの結果:平均追跡期間18.6ヵ月]
・死亡への有意な有効性はみられなかった。
異質性I 2=17.1%(P=0.267)。
併用治療:相対リスク(RR)0.99;95%信頼区間0.92-1.06(P=0.699,ベースライン時のEFとの関係をみるメタ回帰分析後のP=0.722)。
ACE阻害薬/ARB:1.02;0.94-1.12(P=0.603,P=0.952)。
血管拡張薬:1.02;0.93-1.11(P=0.694,-)。
硝酸薬:0.91;0.78-1.07(P=0.248,P=0.712)。
・拡張機能(治療後の拡張機能の指標であるearly to atrial filling ratio[E/A比])に有意な変化はみられなかった。
併用治療:加重平均差-0.01;-0.03-0.02(P=0.541,P=0.868)。
ACE阻害薬/ARB:-0.01;-0.04-0.02(P=0.470,P=0.477)。
血管拡張薬:-0.01;-0.04-0.02(P=0.351,P=0.979)。
硝酸薬:0.03;-0.03-0.09(P=0.387,P=0.335)。
・運動耐容能(治療後のトレッドミル運動負荷時間)は有意に改善した。
併用治療:加重平均差51.5;27.3-75.7(P<0.001)。
血管拡張薬:48.3;20.5-76.2(P=0.001)。
硝酸薬:61.0;12.3-109.7(P=0.014)。

[観察研究の結果:人口統計学的背景,臨床背景,心エコーの群間差調整後]
・死亡への有効性は調整前はみられたが(併用治療で0.80;0.66-0.97,P=0.027),調整後は認められなかった。
併用治療:0.93;0.84-1.02(P=0.103)。
ACE阻害薬/ARB:0.95;0.79-1.13(P=0.544)。
β遮断薬:0.93;0.83-1.04(P=0.196)。


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