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リポ蛋白関連ホスホリパーゼA2(Lp-PLA2)と冠動脈疾患,脳卒中,死亡リスク
collaborative meta-analysis

Lp-PLA2の活性および濃度は,non-HDL-C,収縮期血圧と同程度に冠動脈疾患(CAD)のリスクと相関。
Lp-PLA2の活性と濃度の関連のみが血管転帰に関連するのではなく,脂質値に異存する部分もある。
Lp-PLA2 studies collaboration: Lipoprotein-associated phospholipase A(2) and risk of coronary disease, stroke, and mortality: collaborative analysis of 32 prospective studies. Lancet. 2010; 375: 1536-44. PubMed


目的 Lp-PLA2は酸化リン脂質を加水分解し,内皮機能不全,プラーク炎症,プラーク内の壊死性コア形成に関与する炎症誘発性酵素で,低比重リポ蛋白の酸化修飾や内膜における炎症反応の進行と関連するとされている。Lp-PLA2と血管疾患のリスクとの関連については,2000年の最初の報告以来,多くの前向き疫学研究により検討されてきた。そのうち14研究についてのメタアナリシスが報告されているが,既報のデータに基づくものであったため,CAD,脳卒中それぞれとの関連の検討,用量-反応関係の評価等の詳細な分析や,潜在的交絡因子の調整という点で不十分であった。そこで,様々な状況下でのLp-PLA2とCAD,脳卒中,死亡との関連の独立性,特異度,関連強度,用量-反応曲線を評価した。
対象 32の前向き試験(うち19試験は未発表)・7万9,036例。
Lp-PLA2活性:18試験・5万7,931例,Lp-PLA2濃度:21試験・5万8,224例,活性および濃度のデータ:4万4,716例。
■患者背景:平均年齢64歳,男性64%,BMI 27kg/m2,収縮期血圧(SBP):活性データ例138mmHg;濃度データ例137mmHg,白人96%,西ヨーロッパ59%;北米26%,喫煙例14%,糖尿病既往18%。
血管疾患非既往例3万5,945例;安定性血管疾患既往例3万5,494例(ベースラインの30日以上前の心筋梗塞(MI),狭心症,その他のCAD,脳卒中,末梢血管疾患,冠手術),ベースライン前30日以内の急性虚血イベント1万638例(別途分析)。
47万4,976例・年において,致死性/非致死性の転帰1万7,722件(CAD 7,639件,脳卒中:脳梗塞2,547件;脳出血198件;未分類1,191件,その他の血管死1,490件,非血管死4,424件,原因不明の死亡233件)。
方法 一次エンドポイントはCAD(非致死性MI,致死性CAD)。
各試験についてベースライン時のLp-PLA2値(活性,濃度)の五分位内でリスク比(RR:前向きコホート試験はCox比例ハザード回帰モデルによるハザード比,ケースコントロール試験は条件/無条件ロジスティック回帰モデルによるオッズ比)を算出の上,多変量効果(random-effect)モデルにより対数尺度上で組み合わせ,対数線形が認められる場合は回帰係数の算出によりLp-PLA2値の1標準偏差(SD)の上昇とRRの関連を評価。RRは年齢および糖尿病の既往による調整,性別および血管疾患の既往による層別化後,従来の危険因子(脂質低下薬使用,SBP,BMI,喫煙,non-HDL-C,HDL-C,トリグリセライド)により漸次調整した。
結果

・Lp-PLA2の活性と濃度は相互に関連し(r=0.51;95%信頼区間[CI]0.47-0.56),それぞれnon-HDL-C,LDL-C,アポリポ蛋白B,トリグリセライドと正相関,HDL-C,アポリポ蛋白AIと逆相関を示した。
[Lp-PLA2活性・濃度が1SD上昇した場合の,従来のリスクによる調整後のRR(95%CI)]
CHD:Lp-PLA2活性1.10(1.05-1.16);Lp-PLA2濃度1.11(1.07-1.16)
脳梗塞:1.08(0.97-1.20);1.14(1.02-1.27)
血管死:1.16(1.09-1.24);1.13(1.05-1.22)
非血管死:1.10(1.04-1.17);1.10(1.03-1.18)

・Lp-PLA2の活性および濃度は,CADおよび血管死のリスクとほぼ対数線形の相関を示した。

・Lp-PLA2の活性および濃度のRRは,ベースライン時の安定性血管疾患の有無による差異がなかった(血管死とLp-PLA2濃度を除く)。

・Lp-PLA2の活性・濃度のCADについての調整後RRは,non-HDL-C,SBPと同程度であった(non-HDL-C:1.10;1.02-1.18,SBP:1.10;1.00-1.21)。


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