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糖尿病患者におけるaspirinの心血管イベント一次予防効果
meta-analysis

糖尿病患者において,aspirinの明確な主要心血管イベント一次予防効果は示されなかった。心筋梗塞の予防に関しては性差が重要な影響を及ぼす可能性が示された。
De Berardis G, et al. Aspirin for primary prevention of cardiovascular events in people with diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2009; 339: b4531. PubMed

コメント

イベント発症率の低い一次予防では試験の対象症例のばらつきが大きい。一次予防の対象症例の中にはaspirinによりメリットを受ける症例,出血というデメリットに遭遇する症例,なんの影響も受けない症例が混在していることは容易に想像できる。これらの症例群のなかから糖尿病という特性を抜き出しても,メリットを得る症例を効率的に選択することにはならない,ということを本メタ解析結果は示している。今後,aspirin介入によりメリットを得る症例群を選択する技法を確立する必要がある。(後藤

目的 aspirinは主要ガイドラインで糖尿病患者の心血管イベント一次予防に推奨されているが,糖尿病患者のみを対象にaspirinの一次予防効果を立証したエビデンスは乏しい。過去のメタ解析(287試験,135,000例)では,全般的には明確なaspirinの心血管イベント予防効果が示されたものの,糖尿病患者のみでは有意な効果は示されなかった(9試験,5,126例)(BMJ. 2002; 324: 71-86 PubMed)。その後実施された3試験でも,低用量aspirinのプラセボと比較した心血管イベント抑制効果は認められていない。これらの試験結果の解釈は多様で,aspirinの有効性が不十分なことは明確とするものもあれば,未だ検討の余地はあり更なる試験が必要との見解もある。これらの背景から,心血管疾患のない糖尿病患者においてaspirinの有用性と有害作用を評価するメタ解析を実施した。
対象 6試験*10,117例。心血管疾患のない糖尿病患者の心血管疾患一次予防においてaspirinと対照(プラセボまたは無治療)を比較したオープン/盲検ランダム化試験。
*PHS,ETDRS,PPP,WHS,POPADAD,JPAD
方法 Medline(1996~2008年11月),Cochrane central register of controlled trials(Cochrane Library 2008;issue 4)を検索し,選択した文献の参考文献も調査した。検索用語は“diabetes mellitus”,“aspirin”。
イベントは全死亡,主要心血管イベント(心血管死,非致死的心筋梗塞[MI],非致死的脳卒中)とした。
結果

aspirin投与量は100mg隔日投与~650mg/日。
追跡期間は3.6~10.1年。

[主要心血管イベント]
プラセボまたは無治療と比較して,aspirinの有意な主要心血管イベント抑制効果は認められなかった(5試験[9,584例],1,258イベント;相対リスク0.90,95%信頼区間0.81~1.00,P=0.06)。
・MI:6試験(10,117例),834イベント(0.86,0.61~1.21,P=0.37)。試験間に中等度の異質性が認められた(I2=62.2%,P=0.02)。
aspirinは男性のMIリスクを有意に低下させたが(0.57, 0.34~0.94,P=0.03),女性では低下せず(1.08,0.71~1.65,交互作用のP=0.056)。
・脳卒中:5試験(9,584例),382イベント(0.83,0.60~1.14,P=0.25)。試験間に中等度の異質性が認められた(I2=52.5%,P=0.08)。
・心血管死:4試験(8,557例),626イベント(0.94,0.72~1.23,P=0.68)。

[全死亡]
aspirinの有意な抑制効果は認められず(4試験[8,557例],1,018イベント;0.93,0.82~1.05,P=0.22)。

[有害事象]
aspirin投与による出血,消化器症状,癌の増加は認められなかった。


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