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心房細動患者における脳梗塞後の抗凝固療法至適開始時期（CATALYST）
meta-analysis
急性脳梗塞合併心房細動患者において，早期（4日以内）の直接経口抗凝固薬（DOAC）開始は脳梗塞再発，症候性脳内出血，分類不能脳卒中の複合転帰を抑制した。本結果より，早期のDOAC開始が支持される。
Dehbi HM, et al. Collaboration on the optimal timing of anticoagulation after ischaemic stroke and atrial fibrillation: a systematic review and prospective individual participant data meta-analysis of randomised controlled trials (CATALYST). Lancet. 2025; 406: 43-51. PubMed
| 目的 |
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急性脳梗塞合併心房細動患者において，脳梗塞再発予防のための経口抗凝固療法至適時期は不明である。本論文では，脳梗塞発症後の複合転帰（脳梗塞再発，症候性脳内出血，分類不能脳卒中）抑制について，DOACの早期開始（≦4日）が後期開始（≧5日）よりすぐれているかどうか検討した。 |
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| 方法 |
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PubMed，Cochrane Central Register of Controlled Trials，EMBASE，Cochrane Centralにおいて，2025年3月16日までに英文で出版されたRCT（急性脳梗塞合併心房細動患者を早期群（≦4日）または後期群（≧5日）にランダム化）を検索。
有効性の一次エンドポイントはランダム化から30日以内の脳梗塞再発，症候性脳内出血，分類不能脳卒中の複合。
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| 対象 |
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4試験［TIMING（NCT02961348），ELAN（NCT03148457），OPTIMAS（NCT03759938），START（NCT03021928)），5,441例（早期群2,691例，後期群2,750例）。
［各試験における脳梗塞発症後の抗凝固療法開始日］
TIMING：早期群は≦4日，後期群は5～10日
ELAN：開始時期は脳卒中の重症度（梗塞サイズ）により，軽症脳卒中では早期群48時間以内，後期群3～4日，中等度脳卒中ではそれぞれ48時間以内および6～7日，重症脳卒中ではそれぞれ6～7日および12～14日。
OPTIMAS：早期群は≦4日，後期群は7～14日。
START：脳卒中の重症度（臨床的症候および脳画像）により，軽症～中等度脳卒中3，6，10，14日，重症脳卒中6，10，14，21日。
したがって，本解析には，ELANからは中等度患者のみ，STARTからは軽症～中等度患者のみ含めた。
［患者背景］
対象患者の平均年齢77.7歳，女性45.4％，NIHSS中央値5，機械的血栓除去術施行11.9％，血栓溶解薬静注26.5％，再灌流療法施行32.5％，脳梗塞発症前の抗凝固療法32.7％。
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| 結果 |
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脳梗塞発症からDOAC開始までの期間中央値は，早期群3.0日，後期群7.2日。
［一次エンドポイント］
一次エンドポイントは，早期群57/2,683例（2.1％），後期群83/2,746例（3.0％）と，早期群で抑制された（OR 0.70，95％CI 0·50-0·98，P＝0.039，不均一性P＝0.66）。
早期群では脳梗塞再発が減少した：45/2,683例（1.7％），70/2,746例（2.6％），OR 0.66，0.45-0.96，P＝0.029。
症候性脳内出血は増加しなかった：10/2,683例（0.4％），10/2,746例（0.4％），OR 1.02，0.43-2.46，P＝0.96。
90日後の一次エンドポイントは，早期群83/2,678例（3.1％），後期群96/2,738例（3.5％），OR 0.88，0.65-1.19，P＝0.40。
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