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降圧による心血管イベント抑制効果に年齢による違いがあるのか。
Blood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration:BPLTTC
meta-analysis

異なる降圧薬によって達成した降圧による心血管イベント抑制効果は65歳以上と65歳未満とに差はない。
Blood Pressure Lowering Treatment Trialists’ Collaboration. Effects of different regimens to lower blood pressure on major cardiovascular events in older and younger adults: meta-analysis of randomised trials. BMJ. 2008; 336: 1121-7.PubMed

背景

目的
観察研究により血圧値と脳卒中,心疾患発症のリスクが強く直接的に関連することが示されているが,その関連度は加齢に伴い弱くなる。Prospective Studies Collaboration(61試験・100万人)は2002年に収縮期血圧が20mmHg降圧するごとに脳卒中のリスクが80〜89歳では33%低下するが,50〜59歳の低下は62%とリスクの低下度が年齢によって異なることを発表した(Lancet. 2002; 360: 1903-13.)。多くの臨床試験においても,幅広い年齢で降圧による主要な血管イベントへの有効性を検討しているが,若い群での相対リスクの大きな低下は認められていない。また異なる薬効による降圧効果を年齢別に検討したエビデンスは非常に少ないにもかかわらず,年齢により特定の薬剤の使用を推奨しているガイドラインもある。世界的に急速な高齢化時代を迎え,十分な検知力を持った集団において降圧による心血管イベント抑制効果が高齢者と若い者とでは異なるのかを明瞭にすることが必要になってきた。
そこで対象が19万例を超えるランダム化試験のメタ解析により,異なる薬効の降圧薬で達成した降圧による心血管イベントの相対リスクを高齢群(65歳以上)と若い群(65歳未満)とで比較した。
一次エンドポイントは主要な心血管イベント(脳卒中:非致死的,脳血管死,冠動脈疾患:非致死的心筋梗塞,突然死を含む冠動脈疾患死,心不全:死亡,入院)。
対象 19万606例:65歳未満9万6,466例(平均年齢57歳,男性58%),65歳以上9万4,140例(平均年齢72歳,男性51%):31のランダム化試験(RCT)の対象。
RCTの登録基準:降圧治療をプラセボ,積極度が低い降圧治療と比較したトライアル,異なる種類の降圧薬を比較したトライアル。
追跡期間が1000人・年以上予定されていて,主結果が1995年7月以前に公開あるいは論文発表されておらず,2006年9月までに発表されたトライアル。
方法 2群以上で比較しているトライアルは早期に治療を中止した場合を除き効果の評価を算出した。データはスクリーニング時あるいはランダム化時の患者背景の記録があり,追跡期間中に選択した検査項目を測定しており,予定された追跡期間中の全予後の発症の詳細があるものとした。
年齢の層別は登録時の年齢で行い,65歳以上をolder(高齢群),65歳未満をyounger(若い群)とした。

治療は次の7比較。

  • ACE阻害薬 vs プラセボ
    BENEDICT(対象数604例,試験薬はtrandolapril),DIAB-HYCAR(4,912例,ramipril),EUROPA(12,218例,perindopril),HOPE(9,297例,ramipril),PART2(617例,ramipril),PROGRESS(6,105例,perindopril±indapamide),SCAT(460例,enalapril),PREVEND-IT(864例,fosinopril)。
  • Ca拮抗薬 vs プラセボ
    BENEDICT(605例,verapamil),NICOLE(826例,nisoldipine),PREVENT(825例,amlodipine),SYST-EUR(4,695例,nitrendipine)。
  • 厳格降圧治療 vs 非厳格降圧治療
    AASK(1,094例,平均動脈圧≦92mmHg vs 102〜107mmHg),ABCD・高血圧(470例,拡張期血圧[DBP]≦75mmHg vs ≦90mmHg),ABCD・正常血圧(480例,DBP ベースライン時から10mmHg降圧 vs DBP 80〜89mmHg),HOT(18,790例,DBP≦80mmHg vs ≦85mmHg vs ≦90mmHg),UKPDS 38(1,148例,DBP<85mmHg vs <105mmHg)。
  • ARB vs 対照
    MOSES(1,352例,eprosartan vs nitrendipine),RENAAL(1,513例,losartan vs プラセボ),SCOPE(4,937例,candesartan vs プラセボ)。
  • ACE阻害薬 vs 利尿薬/β遮断薬
    AASK(877例,ramipril vs metoprolol),ALLHAT(24,309例,lisinopril vs chlorthalidone),ANBP2(6,083例,enalapril vs hydrochlorothiazide),CAPPP(10,985例,captopril vs β遮断薬あるいは利尿薬),STOP-Hypertension 2(4,418例,enalapril,lisinopril vs atenolol,metoprolol,pindolol,hydrochlorothiazide+amiloride),UKPDS 39(758例,captopril vs atenolol)。
  • Ca拮抗薬 vs 利尿薬/β遮断薬
    AASK(658例,amlodipine vs metoprolol),ALLHAT(24,303例,amlodipine vs chlorthalidone),CONVINCE(16,476例,COER-verapamil vs hydrochlorothiazide,atenolol),ELSA(2,334例,lacidipine vs atenolol),INSIGHT(6,321例,nifedipine GITS vs hydrochlorothiazide+amiloride),INVEST(22,576例,verapamil vs atenolol),NICS-EH(429例,nicardipine vs trichlormethiazide),NORDIL(10,881例,diltiazem vsβ遮断薬あるいは利尿薬),STOP-Hypertension 2(4,409例,felodipine,isradipine vs atenolol,metoprolol,pindolol,hydrochlorothiazide+amiloride),VHAS(1,414例,verapamil vs chlorthalidone)。
  • ACE阻害薬 vs Ca拮抗薬
    AASK(653例,ramipril vs amlodipine),ABCD・高血圧(470例,enalapril vs nisoldipine),ABCD・正常血圧(480例,enalapril vs nisoldipine),ALLHAT(18,102例,lisinopril vs amlodipine),BENEDICT(605例,trandolapril vs verapamil),JMIC-B(1,650例,ACE阻害薬 vs nifedipine),STOP-Hypertension 2(4,401例,enalapril,lisinopril vs felodipine,isradipine)。
この他に,最近のガイドラインで高齢群,若い群での使用を推奨されている利尿薬,β遮断薬それぞれの有効性を検討するため,ACE阻害薬/Ca拮抗薬 vs β遮断薬,ACE阻害薬/Ca拮抗薬 vs利尿薬も実施した。

結果 降圧による一次エンドポイントへの有効性において,年齢,降圧薬の種類による差はみられなかった。
  • ACE阻害薬 vs プラセボ
    追跡期間中の治療群間平均血圧差(SBP/DBP):65歳未満;−4.6/−2.1mmHg,65歳以上;−4.2/−2.0mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:ACE阻害薬群813例/9,514例 vs プラセボ群1,087例/9,640例;リスク比(RR)0.76(95%信頼区間0.66〜0.88),65歳以上:1,251例/8,005例 vs 1,490例/7,918例;RR 0.83(0.74〜0.94);P for homogeneity=0.37。
  • Ca拮抗薬 vs プラセボ
    降圧差:65歳未満;−7.2/−2.9mmHg,65歳以上:−9.3/−3.8mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:Ca拮抗薬群43例/1,310例 vs プラセボ群49例/1,287例;RR 0.84(0.54〜1.31),65歳以上:130例/2,220例 vs 170例/2,134例;RR 0.74(0.59〜0.92);P for homogeneity=0.59。
  • 厳格降圧治療 vs 非厳格降圧治療
    降圧差:65歳未満;−3.9/−3.6mmHg,65歳以上;−3.3/−3.3mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:厳格降圧治療群212例/5,024例 vs 非厳格降圧治療群365例/9,360例;RR 0.88(0.75〜1.04),65歳以上;156例/2,251例 vs 260例/4,198例;RR 1.03(0.85〜1.24);P for homogeneity=0.24。
  • ARB vs 対照
    血圧差:65歳未満;−1.7/−0.3mmHg,65歳以上;−2.0/−1.2mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:ARB群183例/742例 vs 対照群204例/722例;RR 0.89(0.75〜1.05),65歳以上:438例/3,167例 vs 487例/3,171例;RR 0.91(0.81〜1.02);P for homogeneity=0.78。
  • ACE阻害薬 vs 利尿薬/β遮断薬
    血圧差:65歳未満;+1.3/+0.1mmHg,65歳以上:+2.0/+0.5mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:ACE阻害薬群819例/9,448例 vs利尿薬/β遮断薬群1,066例/12,012例;RR 1.05,65歳以上:1,795例/10,783例 vs 2,525例/14,429例;RR 1.01(0.95〜1.06);P for homogeneity=0.44。
  • Ca拮抗薬 vs 利尿薬/β遮断薬
    血圧差:65歳未満;+1.1/−0.2mmHg,65歳以上;+0.5/−0.4mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:Ca拮抗薬群1,165例/20,358例 vs利尿薬/β遮断薬群1,430例/23,236例;RR 1.06(0.98〜1.14),65歳以上:2,653例/21,204例 vs 3,363例/24,981例;RR 1.02(0.97〜1.06);P for homogeneity=0.38。
  • ACE阻害薬vs Ca拮抗薬
    血圧差:65歳未満;+0.9/+0.6mmHg,65歳以上;+1.0/+1.0mmHg。 一次エンドポイントは,65歳未満:ACE阻害薬群548例/5,130例vs Ca拮抗薬群568例/4,919例;RR 0.91(0.78〜1.06),65歳以上:1,583例/8,170例 vs 1,608例/8,140例;RR 0.98(0.92〜1.05);P for homogeneity=0.37。

β遮断薬,利尿薬も年齢による主要心血管イベントのリスク低下の違いはみられなかった。

  • ACE阻害薬あるいはCa拮抗薬 vs β遮断薬
    降圧差:65歳未満;+0.2/+0.1mmHg,65歳以上;−0.8/−0.2mmHg。
    一次エンドポイントは65歳未満:ACE阻害薬/Ca拮抗薬群297例/7,013例 vs β遮断薬群308例/7,058例;RR 1.03(0.88〜1.20),65歳以上:519例/6,484例 vs 569例/6,648例;RR 0.94(0.84〜1.06);P for homogeneity=0.38。
  • ACE阻害薬あるいはCa拮抗薬 vs利尿薬
    降圧差:65歳未満;+1.9/0.0mmHg,65歳以上;+1.6/0.0mmHg。
    一次エンドポイントは65歳未満:ACE阻害薬/Ca拮抗薬群923例/8,447例 vs利尿薬群1,455例/13,683例;RR 1.06(0.98〜1.15),65歳以上:2,412例/13,613例 vs 3,786例/20,783例;RR 1.03(0.98〜1.08);P for homogeneity=0.53。


年齢を連続変数とした場合にも治療効果と年齢に相互関連は認められなかった。

  • 10歳加齢するごとの相対リスク(65歳以上 vs 65歳未満)の上昇: ACE阻害薬 vs プラセボ;1.09(1.00〜1.20,P=0.09),Ca拮抗薬 vs プラセボ;0.90(0.52〜1.54,P=0.70),厳格降圧治療 vs 非厳格降圧治療;1.12(0.91〜1.37,P=0.29),ARB vs利尿薬/β遮断薬;0.99(0.92〜1.06,P=0.83),Ca拮抗薬vs利尿薬/β遮断薬;0.95(0.87〜1.04,P=0.25),ACE阻害薬 vs Ca拮抗薬;1.06(0.98〜1.15,P=0.15)。


メタ回帰分析でも降圧によるリスク低下に年齢による違いはなかった。

  • SBPが5mmHg低下するごとの相対リスクは65歳未満;11.9%(5.3%〜18.0%)vs 65歳以上9.1%(3.6%〜14.3%);P for homogeneity=0.38。


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