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安定冠動脈疾患患者における血行再建術,内科的治療(ネットワークメタ解析)
meta-analysis

安定CAD患者において,内科的治療群にくらべCABG群は全死亡,心筋梗塞,再血行再建術のリスクが低い。ステント群は再血行再建術が少なく,新世代DES群では生存率が改善。
Windecker S, et al: Revascularisation versus medical treatment in patients with stable coronary artery disease: network meta-analysis. BMJ. 2014; 348: g3859. PubMed

コメント

安定CADの内科的治療とステント治療(BMS・第一世代/第二世代DES)の予後について,CABGを対照として比較・検証した。内科的治療と各種ステントとの直接比較の研究は少なく,これまでの多くの質の高い研究を解析に含めるために,一般的なメタ解析ではなくネットワークメタ解析を行っている。すなわち,内科的治療を共通の群として位置づけ,各種の冠血行再建治療を相対的・間接的に評価している。このため,どの研究結果を統合するかが重要であり,1群100例以上でランダム化し6ヵ月以上の観察期間のある研究に限定している。この論文のMethodsの半分がstatistical analysisで,Discussionの半分がlimitationsで占められており,ネットワークメタ解析の異質さが現れている。
結果としては,内科的治療に対してCABGは死亡率,心筋梗塞発生率,冠血行再建率のどれをとっても優位さは明らかであった。これに対して,BMS,第一世代DESは死亡率や心筋梗塞発生率には有意差を示すことは出来なかった。しかし,第二世代DESは内科的治療に比して有意に死亡率を低下させており,臨床医にとってやっと納得いく結果が得られたことは注目に値する。EESやZES-Rではステント内血栓症がより少なく心筋梗塞発生率の低いことがこの結果につながっている。
興味深いのは,COURAGE study(内科的治療とBMSでは予後が変わらないことを示す代表的研究)の登録が開始された1999年以降に始まった研究に限定すると,CABGも第二世代DESも内科的治療に対する死亡率低下の優位性は減少している。一方で,心筋梗塞発生率に対するCABGや第二世代DESの効果がより鮮明になっており,両治療による冠血行再建をした局所の効果と内科的治療の進歩による他の冠動脈領域における動脈硬化進展抑制の効果がそれぞれかみ合わされた結果と考えられる。臨床転帰は第二世代DESよりもCABGのほうがよりすぐれており,安定CADの一部ではCABGが推奨されることには変わりはない。ステント治療が本当の意味でCABGと肩を並べることは可能であろうか?(星田


目的 急性冠症候群においては内科的初期治療よりも血行再建術のほうが死亡,心筋梗塞(MI)リスクが低いことが認められているが,安定冠動脈疾患(CAD)における有効性は確立していない。また,これらの治療による死亡低下を検討した試験はなく,メタ解析の結果は一致していない。
安定CADにおいて,血行再建術は内科的治療よりも予後を改善するかをネットワークメタ解析で検証する。
一次エンドポイントは全死亡。
対象 93,553例・100試験。症候性・無症候性の安定CAD患者あるいは任意抽出集団を対象としたランダム化比較試験(RCT)で,各治療群100例以上,追跡期間6ヵ月以上のもの。治療は内科的治療,CABG,PCI(FDAが承認しているバルーン血管形成術,ベアメタルステント[BMS],薬剤溶出性ステント[DES])。DESは第一世代(paclitaxel[PES]・sirolimus[SES]・zotarolimus[Endeavor:ZES-E]溶出ステント)と新世代ステント(everolimus[EES]・zotarolimus[Resolute:ZES-R]溶出ステント)。
除外基準:発症から72時間未満の急性心筋梗塞(ST上昇の有無は問わない)におけるトライアル;ポリマーあるいはカーボンコーティングBMSなど。
■試験背景:もっとも検討された血行再建術はBMS群(50試験:vs 7種類の治療),もっとも少なかったのはZES-E群(4試験:vs 3種類の治療)。一次エンドポイントを検討した患者数が最大の治療はSES群(45,879例・年),BMS群(45,467例・年),最少はZES-R群(3,384例・年)。
方法 Medline, Embase(1980年-2013年6月)を検索した。関連レビューの参照文献もハンドサーチ。
Bayesianランダム効果・Poisson回帰モデルを用いたネットワークメタ解析*で,治療法の直接比較,間接比較を行った。
* ステントAとステントBを比較するにあたって,A,Bを直接比較する試験だけでなく,ステントAとステントCおよびステントBとステントCを比較する試験を用いて,間接的にステントAとステントBを比較することも含めたメタ解析。
結果 [一次エンドポイント]
93,553例・95試験;26万2,090例・年追跡。全死亡は5,346例。
内科的治療群とくらべCABG群は20%低かった(発生率比:0.80;95%確信区間0.70-0.91)。PCI群で内科的治療群とくらべて低かったのは新世代DES群のみであった(EES群:0.75;0.59-0.96,ZES-R群:0.65;0.42-1.00)。
バルーン血管形成群(0.85;0.68-1.04),BMS群(0.92;0.79-1.05),初代DES(PES群:0.92;0.75-1.12,SES群:0.91;0.75-1.10,ZES-E群:0.88;0.69-1.10)も推定率比は1未満であったものの,その有効性は強くはなかった。

[その他]
・MI(90,472例・92試験;24万3,031例・年追跡):5,796例発症。
内科的治療群とくらべCABG群は21%低く(0.79;0.63-0.99),PCI群ではBMS群(1.04;0.84-1.27),paclitaxel群(1.18;0.88-1.54)を除き推定率比は1未満であったが,その有効性は有意ではなかった。
・死亡+MI複合エンドポイント(89,373例・88試験;23万3,030例・年追跡):8,936例発生。
内科的治療とくらべ,CABG群(0.81;0.70-0.94),バルーン群(0.83;0.70-0.97),EES群(0.78;0.63-0.96)は有意に少なかった。その他のPCI群で有意に低下した治療はなかったが,SES群(0.96;0.79-1.13),ZES-E群(0.85;0.67-1.05),ZES-R群(0.81;0.59-1.10)は推定率比が1未満であった。
・(再)血行再建術(90,282例・94試験;23万4,693例・人追跡):11,619例発生。
内科的治療とくらべ,CABG群では84%低下(0.16;0.13-0.20)。一方,PCI群でもバルーン群を除き低下した(BMS群:0.44;0.59-0.82,PES群:0.44;0.35-0.55,SES群:0.29;0.24-0.36,ZES-E群:0.38;0.29-0.51,-R群:0.26;0.17-0.40,EES群:0.27;0.21-0.35)。

[1999年以降に開始されたトライアル:85,720例・88試験]
上記の全体での結果にくらべると,全死亡の推定率比での有効性が消失し,95%確信区間の幅が広くなった(CABG群:0.85;0.72-1.00,EES群:0.82;0.65-1.03,ZES-R群:0.71;0.46-1.11)。
MIに関してはCABG群(0.48;0.37-0.64),EES群(0.73;0.57-0.95)の有効性が認められ,死亡+MI,血行再建術は全体での結果と同様であった。

(収載年月2014.12)
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