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糖尿病患者でのDES vs BMS
meta-analysis

糖尿病患者において,薬剤溶出性ステント(DES)はベアメタルステントにくらべ標的血管血行再建術を抑制し,ステント血栓症も増加せず。
DESのなかではeverolimus溶出ステントがもっとも有効性,安全性に優れる。
Bangalore S, et al. Outcomes with various drug eluting or bare metal stents in patients with diabetes mellitus: mixed treatment comparison analysis of 22 844 patient years of follow-up from randomised trials. BMJ. 2012; 345: e5170. PubMed

コメント

糖尿病症例の冠動脈病変は小血管やびまん性硬化病変が多く,PCI後の内膜増殖反応が強い。従って日常臨床では悩まされることが多いカテゴリーだが,ステントの性能を計るには格好のモデルと言える。本メタ解析はmixed treatment comparison analysis*の手法を用いて,42のランダム化比較試験,22,844患者・年という多数の糖尿病症例群を対象としている。その結果,DESがBMSに安全性で相殺されることなく有効性で優り,DESの中では有効性・安全性ともにEESが他を圧倒していた。糖尿病の有無を問わず検討された従来のメタ解析と同じ結論である。 対象試験の観察期間が6ヵ月から60ヵ月と幅広く,平均25.8ヵ月(中央値24ヵ月)でVLST (very late stent thrombosis)やlate catch-upを断定するには短すぎるが,「内皮機能」や「生体適合性」などのキーワードで説明されるこれらのピットフォールが長期間の観察の後に覆るとも思えない。
直近の興味としては本解析に含まれていないZES-ResoluteやBiolimus-DESがどの位置に割って入るか,という点であろう。  * mixed treatment comparison analysis;個々の試験に発表されている効果推定値とその信頼区間を利用して,論文中で直接比較していない治療群間の差を推定する方法 (中野中村永井


目的 糖尿病患者において,従来使用されていた薬剤溶出性ステント(DES)4種類(everolimus溶出ステント[EES],sirolimus溶出ステント[SES],paclitaxel溶出ステント[PES],zotarolimus溶出ステント[ZES])とベアメタルステント(BMS)の有効性および安全性を比較する。
有効性のエンドポイントは標的血管再血行再建術(TVR)。
安全性のエンドポイントは死亡,心筋梗塞(MI),ステント血栓症。
対象 42試験*・10,714例(22,844人・年追跡)。新規病変に対して施行した4種類の耐久性ポリマー製DESとBMSを互いに比較したランダム化比較試験で,対象に糖尿病患者50例以上を含み,追跡期間が6ヵ月以上のもの。
除外基準:生体吸収性ステント/ポリマー,非ポリマーステント,バルーン血管形成術のみのもの,CABGと比較したものなど。
* SPIRIT II+III+IV+COMPARE,RESET,HORIZONS-AMI,Endeavor IV,DES-Diabetes,SORT OUT IV,REALITY,TAXUS II・IV-VI,SORT OUT III, ESSENCE-DIABETESなど。
方法 PubMed,Embase,CENTRALを検索(~2012年4月)。参考文献と学会抄録集も検索。言語制限なし。
mixed treatment comparison analysis(コメント参照)により各ステントを比較。
結果 [有効性のエンドポイント]
TVRはすべてのDESでBMSにくらべて有意に減少した(EES群:率比0.31;95%信頼区間0.19-0.47,SES群:0.38;0.29-0.48,PES群:0.47;0.35-0.61,ZES群:0.63;0.42-0.96)。TVR率(/1,000人・年[中央値])はEES群(34.55)がもっとも低く,次いでSES群(41.51),PES群(51.14),ZES群(68.72)で,BMS群は109.40だった。他のステントにくらべもっとも有効である確率は,EESが87.22%ともっとも高かった。

[安全性のエンドポイント]
いずれのDESでもBMS群にくらべて死亡(死亡率[中央値]:DES群14.51-20.27 vs BMS群17.51/1,000人・年),MI(10.13-41.70 vs 19.16/1,000人・年)の有意な増加は認められなかった。
ステント血栓症についてもDESによる増加はみられず,DESのなかではEESがもっとも発生率が低かった(EES群0.82,SES群0.96,PES群1.19,ZES群4.16 vs BMS群1.49/1,000人・年)。他のステントにくらべもっとも安全である確率は,EESが61.87%ともっとも高かった。definite/probableステント血栓症(ARC定義),超遠隔期ステント血栓症の結果も概ね同様であった。

(収載年月2012.10)
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