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PCIと比べたCABGの脳卒中リスク
meta-analysis

CABGはPCIにくらべ30日後および1年後の脳卒中リスクが高い。
Palmerini T et al: Risk of stroke with coronary artery bypass graft surgery compared with percutaneous coronary intervention. J Am Coll Cardiol. 2012; 60: 798-805. PubMed

コメント

本メタ解析を読み解くにあたり留意すべき問題点を指摘しておきたい。第一は,脳卒中の定義が試験によって異なる問題で,いくつかの試験にはその定義さえ記載されていない。第二は,対象ランダム化比較試験(RCT)19試験が1993年(RITA trial)から2011年(Budriotからの報告)と幅広い点である。従って現代の実臨床に必ずしも当てはめられない。例えば 2001年までのRCTにoff-pump CABGは全く含まれていない。現在本邦で60%前後に施行されているoff-pump CABGは脳卒中予防効果が期待されている。本メタ解析ではoff-pump CABG施行は全体の1/8にとどまっており,またその内訳も1枝疾患では 80%と高率なのに多枝疾患/ 非保護主幹部では9%と極端に少ない。
メタ解析の妥当性を判断するのは難しい。(中野中村永井


目的 一部のランダム化比較試験(RCT)で,CABGはPCIよりも脳卒中リスクが高いと報告されているが,これらのRCTにおける脳卒中リスクの差の統計学的検出力は十分ではない。
そこで,広範な冠動脈疾患(CAD)患者において,CABGはPCIよりも脳卒中リスクが高いかを検証するメタ解析を実施する。
一次エンドポイントは,30日後の脳卒中。
対象 19試験*・10,944例。1枝/多枝/非保護左主幹部病変に対するCABGとPCIを比較したRCTで,30日後,中期追跡後もしくはその両方の脳卒中発生率が報告されているもの。
* ARTS I,AWESOME,BARI,CARDIa,EAST,ERACI II,GABI,MASS II,SoS,SYNTAX,SYNTAX Left Main,BPRECOMBAT,RITAなど。
方法 MEDLINE,Cochrane,EMBASEデータベースを検索。
RCTのデータを一次解析セットとし,観察研究のデータも二次解析として解析。
結果 [一次エンドポイント]
30日後の脳卒中発生率(14試験・8,744例)はCABG群がPCI群よりも高かった(1.20% vs 0.34%:オッズ比2.94;95%信頼区間1.69-5.09,P<0.0001;I ²=0.0%)。number needed to harmは155で,CABGはPCIよりも7/1,000例脳卒中発症例が多い。

[二次エンドポイント:中期追跡後の脳卒中リスク]
12.1ヵ月後(中央値)の脳卒中リスク(12試験・7,052例)も,CABG群のほうが高かった(1.84% vs. 0.99%:1.67;1.09-2.56,P=0.02;I ²=4.8%)。

[その他]
CADの程度(1枝/多枝/非保護左主幹部)は,特にCABG群で脳卒中発症率と有意な関連が認められたが,PCIと比較した相対的脳卒中リスクにおいてはCADの程度と無関係だった。
CABGのPCIと比較した脳卒中リスクに影響を及ぼさなかった(交互作用:30日後P=0.57,中期追跡後P=0.08)。
観察研究においても,30日後(27研究・33,980例:6.38;4.68-8.70,P<0.0001),14.2ヵ月後(中央値)(13研究・18,250例:2.08;1.63-2.66,P<0.0001)ともに脳卒中リスクはCABG群のほうが高かった。

(収載年月2012.10)
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