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非ST上昇型急性冠症候群(ACS)におけるルーチン早期侵襲治療と待機的侵襲治療
collaborative meta-analysis

ルーチンの早期侵襲治療は待機的侵襲治療よりも長期心血管死,心筋梗塞のリスクを低下した。有効性が最も大きかったのは高リスク例であった。
Fox KA et al for the FIR collaboration: Long-term outcome of a routine versus selective invasive strategy in patients with non-ST-segment elevation acute coronary syndrome a meta-analysis of individual patient data. J Am Coll Cardiol. 2010; 55: 2435-45. PubMed

コメント

本論文は,ST非上昇型急性冠症候群におけるルーチン早期侵襲治療と待機的侵襲治療を比較した3つの無作為化試験 (FRISC-2,ICTUS,RITA-3) の患者単位のデータを用いたメタ解析である。5年追跡結果が報告されており,主要エンドポイントである「心血管死,非致死的心筋梗塞」はルーチン早期侵襲治療群で19%低下したと報告されている。
COURAGE試験やBARI-2D試験など慢性冠動脈疾患においては,冠動脈インターベンション (PCI) を施行しても死亡/心筋梗塞の発生率は減少しないと報告されている。今回の対象は慢性冠動脈疾患よりもリスクの高いST非上昇型急性冠症候群であり,ハイリスク群においては早期の冠動脈血行再建が患者の長期予後を改善することが確認されたことは重要である。両群のイベント発生率の差は長期に渡って開く傾向が明らかで,ST非上昇型急性冠症候群における早期の冠動脈血行再建が急性期予後の改善だけではなく慢性期のイベントを減少させていることは興味深い。
本研究ではトロポニン上昇の有無が報告されておらず,ST非上昇型心筋梗塞と不安定狭心症を区別することはできないが,ECG上ST偏移が見られる症例が50%に留まり,ルーチン早期侵襲治療群における早期の冠動脈血行再建施行率が70%であったことを考えると必ずしもハイリスクACSばかりが登録されているわけではないようである。従って,今回の結果はECG変化のないACS疑診の患者にも適用できるわけで,実地臨床におけるACSの的確な診断とルーチン早期侵襲治療の重要性を確立したと言える。(木村


目的 非ST上昇型ACSにおける侵襲治療のランダム化試験(RCT)から,短期および長期の転帰が発表されているが,結論は一定していない。また,ルーチンの早期侵襲治療のリスク-ベネフィットに関しても明らかになっていない。
2005年,’06年,’08年に発表されたメタ解析は患者個人データを使用したものではなく,1年以降の転帰が含まれていなかった。トライアルによる転帰の差は,登録基準やベースライン時の患者背景,血行再建術のタイミングや施行閾値,“偶然”を含む結果などその他の因子の違いによる可能性がある。
そこで,ルーチンの早期侵襲治療と保守的治療の,特に心血管死,非致死的心筋梗塞(MI)抑制効果を検証するために,長期転帰の結果を発表した3つのRCTのメタ解析を実施した。
対象 5,467例(FRISC-II試験2,457例,ICTUS試験1,200例,RITA-3試験1,810例)。
保守的治療(待機的侵襲治療[SI])群2,746例,ルーチン早期侵襲治療(RI)群2,721例。
■患者背景:平均年齢63.3歳,男性68.0%,BMI 27.2kg/m2,ST偏位47.3%,ST低下(FRISC-II試験47.1%,ICTUS試験44.6%,RITA-3試験36.5%)。
方法

1970~2009年のMEDLINE,コクランデータベースで,“invasive strategy”,“conservative strategy”,“selective invasive strategy”,“intervention”,“acute coronary syndromes”,“non-ST-segment elevation myocardial infarction”,“unstable angina”の用語で検索し,これらの基準に合致した3つの長期(5年)RCT(FRISC-II,ICTUS,RITA-3:FIR)を特定し,患者個人データのメタ解析を実施した。

結果 [血行再建術施行率]
RI群:入院中64.1%→1年後71.8→3年後73.3%,一方,SI群:17.6%→41.6%→47.8%。

[5年後の転帰]
主要評価項目である心血管死,非致死的MIの複合エンドポイントの発生は,RI群389例(14.7%) vs SI群475例(17.9%):ハザード比0.81;95%信頼区間0.71-0.93(P=0.002)。
心血管死:181例(6.8%) vs 218例(8.1%):0.83;0.68-1.01(P=0.068)。
全死亡:288例(10.6%) vs 321例(11.7%):0.90;0.77-1.05(P=0.19)。
MI:260例(10.0%) vs 338例(12.9%):0.77;0.65-0.90(P=0.001):RI群のSI群と比較した有効性が最も大きかった。

[心血管死,非致死的MIの予測因子:多変量解析]
独立した予測因子は,ランダム化された治療(0.76;0.67-0.87,<i>P</i><0.0001),5歳ごとの加齢,糖尿病,MI既往,ST低下,高血圧,BMI<25kg/m2あるいは≧35kg/m2

[リスク層別と心血管死,非致死的MI]
高リスク例:RI群130/423例(32.1%) vs SI群159/379例(43.8%) 0.66;0.52-0.83;リスク差-11.7%。
中等度リスク例(全体の29%):134/791例(17.4%) vs 152/774例(20.3%):0.86;0.68-1.08;-2.9%。
低リスク例(全体の56%):125/1,507例(8.5%) vs 164/1,593例(10.6%):0.80;0.63-1.01;-2.1%。
高リスク例で心血管死(82/378例 vs 84/331例:0.83;0.61-1.12:-3.8%),全死亡(107/378例 vs 107/331例:0.84;0.65-1.10:-4.0%)が少なかった。


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