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HDL-Cを標的とした薬剤のCVDへの効果
meta-analysis

HDL-Cを上昇させるナイアシン,フィブラート系薬剤,CETP阻害薬のいずれについても,スタチン併用例における全死亡,冠動脈心疾患死,心筋梗塞,脳卒中の有意な減少は認められなかった。
Keene D et al: Effect on cardiovascular risk of high density lipoprotein targeted drug treatments niacin, fibrates, and CETP inhibitors: meta-analysis of randomised controlled trials including 117,411 patients. BMJ. 2014; 349 PubMed

コメント

本メタ解析は,LDL-C以外の残余リスクと考えられるHDL-Cを上昇させることで心血管イベントを抑制できるかという重要な臨床的疑問に迫る解析であるが,様々な薬剤を用いた試験のメタ解析であり,イベントの定義も異なる試験のメタ解析という重大な問題がある。もちろんそれぞれの薬剤でのサブ解析もしているのであるが,フィブラートについてはすでにLancetでメタ解析が発表されており(Lancet. 2012; 375: 1875-84. PubMed),それによれば,若干ではあるが有意に心血管イベントの抑制効果があることが示されている。本解析との違いを説明する必要があろう。また,CETP阻害薬については,重要な2つのイベント抑制試験が終了しておらず,まだメタ解析するような状況ではなく,時期尚早の感が否めない。ただし,スタチン時代の試験と,それ以前という解析のしかたは重要な視点であると思われる。興味深いことは,スタチン以前の試験ではニコチン酸もフィブラートも非致死性心筋梗塞の有意な予防効果を示した点である。残念ながら,これらの薬剤とスタチンとの併用がスタチンの有効性を凌駕するという結果は得られていないが,対象患者を選べば,それなりの効果を示すポテンシャルがあることを物語っているのかもしれない。(寺本

目的 心血管疾患の増加を抑えるため,LDL-Cを低下させる薬剤,HDL-Cを増加させる薬剤の開発が進められてきた。LDL-Cの低下については,スタチンの投与により心イベントや全死亡が減少することが,一次予防,二次予防試験で繰り返し確認されており,最近では安価なジェネリック薬も使用できるようになった。そのため,現在はHDL-Cの上昇により同様のベネフィットを得ることに関心が向けられている。
HDL-Cを上昇させるナイアシン,フィブラート系薬剤,CETP阻害薬の死亡および心血管イベントに対する有効性を検証するため,ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。
一次エンドポイントは,intention-to-treat解析での全死亡。
対象 39試験*・11万7,411例。ナイアシン/フィブラート系薬剤/CETP阻害薬群 vs 対照群のRCT(スタチン併用の有無を問わない)で,エンドポイントの1つ以上が報告されているもの。
* ナイアシン:CDP 5 YR,AIM-HIGH,HPS2-THRIVEなど;フィブラート系薬剤:BIP,ACCORD,FIELDなど;CETP阻害薬:dal-OUTCOMES,DEFINE,ILLUMINATEなど。
方法 MEDLINE(1966-2013年5月5日),Cochrane Central Register of Randomised Controlled TrialsおよびWHO International Clinical Trials Registry Platform(ともに2013年5月5日まで)を検索。メタ解析,レビューもハンドサーチし,学会で発表された出版前の結果も含めた。
結果 [ナイアシン]
11試験・35,301例(スタチン併用30,310例,非併用4,991例),追跡期間6-60ヵ月。
・一次エンドポイント
ナイアシン群における全死亡の有意な低下は認められなかった(オッズ比1.03;95%信頼区間0.92-1.15,P=0.59,I ²=12%)。スタチン併用例(1.10;1.00-1.21,P=0.06)と非併用例(0.86;0.65-1.14,P=0.29)の差は示されなかった(P=0.10)。
・二次エンドポイント(冠動脈疾患[CAD]死,非致死的心筋梗塞[MI],脳卒中,重要な有害事象)。
CAD死(0.93;0.76-1.12,P=0.44),非致死的MI(0.85;0.72-1.01,P=0.07),脳卒中(0.96;0.75-1.22,P=0.72)に対する有効性は認められなかった。
スタチン非併用例では非致死的MI(0.69;0.56-0.85,P=0.0004)および脳卒中(0.78;0.61-1.00,P=0.05)リスクの低下が認められたが,併用例では認められなかった(併用 vs 非併用:それぞれP=0.007,P=0.19)。
有害事象については,4試験で皮膚関連の副作用(潮紅)が報告され,有意差が認められた(リスク差0.05;0.03-0.07,P<0.001;I ²=86%)。

[フィブラート系薬剤(bezafibrate/clofibrate/gemfibrozil/fenofibrate)]
20試験・46,099例(スタチン併用は2試験のみ),追跡期間12-85ヵ月。
・一次エンドポイント
全死亡リスクの低下は認められなかった(0.98;0.89-1.08,P=0.66;I ²=33%)。スタチン併用例(2試験のみ:1.01;0.83-1.24)と非併用例(0.96;0.86-1.09)の差はなかった(P=0.67)。
また,薬剤による差も認められなかった(P=0.59,I ²=0%)。
・二次エンドポイント
CAD死(0.92;0.81-1.04),脳卒中(1.01;0.90-1.13)には有意な低下を認めなかったが,非致死的MIは有意に低下した(0.80;0.74-0.87,P<0.001)。非致死的MIリスクの低下はスタチン非併用例で有意であったが(0.78;0.71-0.86,P<0.001),併用例では有意ではなかった(0.83;0.69-1.01,P=0.07,併用例 vs 非併用例,P=0.58)。
有害事象については,3試験で肺塞栓が増加した(リスク差0.01;0.00-0.01,P=0.002)。

[CETP阻害薬(anacetrapib/dalcetrapib/torcetrapib)]
8試験・36,011例(全例がスタチンを併用),追跡期間8-31ヵ月。対照はすべてプラセボ。
・一次エンドポイント
CETP阻害薬全体では有意なリスク低下を認めなかったが(1.16;0.93-1.45),薬剤別ではtorcetrapibで死亡リスクが有意に増加した一方(4試験:1.53;1.12-2.09,P=0.007;I ²=0%[2試験は有害事象のため早期終了]),anacetrapib(1試験:1.38;0.55-3.45)とdalcetrapib(3試験:0.98;0.81-1.18;I ²=0%)では差を認めなかった(3薬剤間の差は有意,P=0.05;I ²=67.4%)。
・二次エンドポイント
CAD死(1.00;0.80-1.24),非致死的MI(1.05;0.93-1.18),脳卒中(1.14;0.90-1.45)に対する有意な有効性は認められなかった。
有害事象については,torcetrapibで高血圧が増加(リスク差0.10;0.06-0.14),dalcetrapibで下痢が有意に増加した(0.02;0.02-0.03,P<0.001)。

(収載年月2014.11)
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