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スタチン治療患者におけるHDL-C,ApoA-IとCVDリスクとの関係
pooled analysis

スタチン治療患者では,非常に低いLDL-C値達成例においても,HDL-CおよびApoA-IはCVDリスク低下と強く関連した。ApoA-I上昇はCVDリスク低下と関連した一方で,HDL-C上昇は関連しなかった。
Boekholdt SM, et al. Levels and changes of HDL cholesterol and apolipoprotein A-I in relation to risk of cardiovascular events among statin-treated patients: a meta-analysis. Circulation. 2013; 128: 1504-12. PubMed

コメント

スタチンによるLDL-C低下の心血管イベント抑制効果については議論の余地がないところまで証明された。しかし,それでも抑制率はほぼ30%であり,残りの約70%の発症者における残余リスクが話題になっている。メタボリックシンドロームが取り上げられたのも,残余リスクを考慮したものであった。その診断基準のひとつであるHDL-Cは現在特に重視されている項目である。二次予防患者におけるLDL-C/HDL-C比が問題になったのもそのためである。一方,HDLに関しては,その質つまり機能の問題がよく問われる。本メタ解析の重要なところは,HDL-Cの量ではなく,アポリポ蛋白A-Iのほうが強力な予測因子になるということであり,残余リスクとしてはHDL粒子の数が重要であるということを示しているものと思われる。納得できる結論ではあるが,臨床の場にアポ蛋白測定を入れるか今後の課題となろう。(寺本

目的 低HDL-Cは冠動脈疾患(CAD)の確立した危険因子であるが,アポリポ蛋白A-I(apoA-I)でも同様の関係が示されている。また,低LDL-C例においてもHDL-CとCVDとの逆相関が認められており,HDL-CとapoA-Iは抗動脈硬化薬開発の重要な標的になっている。しかし,最近これらの関係を否定するような結果がいくつか発表された。
そこで,8つのランダム化比較試験(RCT)の患者個人データに基づきメタ解析を実施し,スタチン治療によって非常に低いLDL-C値を達成した患者においても,HDL-C,apoA-IとCVDリスクが逆相関するのか,またスタチン治療開始後のHDL-C値,apoA-I値上昇がCVDリスク低下と関係するかを検証する。
対象 8試験*・38,153例。スタチン群 vs 対照群で,総コレステロール,LDL-C,HDL-C,トリグリセライド,apoA-I,apoBをベースライン時および治療中に測定し,追跡期間≧2年,対象患者≧1,000例のRCT。
* 4S, AFCAPS-TexCAPS, LIPID, CARDS, TNT, IDEAL, SPARCL, JUPITER:CVDとの関連の試験間異質性は低く(HDL-C;コクラン統計量Q=9.93,P=0.19,I ²=29%,apoA-I;Q=6.30,P=0.51,I ²=0),試験の質も高かった(Delphiスコア;9)。
方法 登録基準に合致したトライアルの研究者に患者個人データを依頼。求めた患者背景は性,年齢,喫煙状況,BMI,糖尿病,収縮期・拡張期血圧,空腹時血糖値,総コレステロール,LDL-C,HDL-C,トリグリセライド,apoA-I,apoB(ベースライン時および1年後の値),試験薬,既往(安定狭心症,心筋梗塞[MI],PCI,CABG)。また転帰(および発症までの時間:致死的・非致死的MI,その他の致死的CAD,不安定狭心症による入院,致死的・非致死的脳卒中,末梢動脈疾患,うっ血性心不全)の情報も収集した。
結果 [スタチン群38,153例,15万5,573人・年の追跡結果]
致死的MI:158例(0.4%),非致死的MI:1,678例(4.4%),その他の致死的CAD:615例(1.6%),致死的・非致死的脳卒中:1,029例(2.7%),不安定狭心症による入院:2,806例(7.4%)。

[スタチン治療によるHDL-C,apoA-IとCVD]
HDL-C,apoA-Iの五分位層別結果
・HDL-C:1標準偏差(SD)増加ごとのCVDハザード比(HR)は0.83(95%信頼区間0.81-0.86,P<0.001)。
第1五分位群(<36;平均32mg/dL):CVD発症1,495/7,872例(19.0%);HR 1.00,
第2五分位群(37-42;39mg/dL):1,124/7,317例(15.4%);0.84(0.77-0.87),
第3五分位群(43-47;45mg/dL):1,124/7,658例(14.7%);0.80(0.74-0.87),
第4五分位群(48-57;52mg/dL):916/7,783例(11.8%);0.70(0.64-0.76),
第5五分位群(>57;68mg/dL):728/7,523例(9.7%);0.65(0.59-0.71)。
・apoA-I:1SD増加ごとのHRは0.79(0.72-0.82,P<0.001)。
第1五分位群(<121;平均112mg/dL):1,500/7,548例(19.9%);1.00,
第2五分位群(122-136;130mg/dL):1,230/7,773例(15.8%);0.79(0.73-0.85),
第3五分位群(137-149;142mg/dL):1,009/7,271例(13.9%);0.69(0.64-0.75),
第4五分位群(150-168;157mg/dL):1,015/7,968例(12.7%);0.66(0.61-0.72),
第5五分位群(>169;190mg/dL):633/7,593例(8.3%);0.53(0.48-0.59)。

[1年(LDL-C低下達成)後のHDL-C,apoA-Iの変化とCVDリスク]
・HDL-C:1SD増加ごとのHRは0.98(0.94-1.01,P=0.2)
第1五分位群(<3.9低下;8.5mg/dL低下):811/7,894例(10.3%);1.00,
第2五分位群(3.9-0.4低下;2.3mg/dL低下):782/7,194例(10.9%);0.92(0.84-1.02),
第3五分位群(0.4低下-1.9上昇;0.8mg/dL上昇):890/7,784例(11.4%);0.97(0.88-1.07),
第4五分位群(1.9-6.2;4.1mg/dL上昇):793/7,543例(10.5%);0.94(0.85-1.04),
第5五分位群(>6.2;11.6mg/dL上昇):626/7,332例(8.5%);0.98(0.87-1.09)。
・apoA-I:1SD増加ごとのHRは0.93(0.90-0.97,P=0.001)。
第1五分位群(<12低下;26mg/dL低下):729/7,478例(9.7%);1.00,
第2五分位群(12-2低下;8mg/dL低下):854/7,751例(11.0%);0.96(0.87-1.06),
第3五分位群(2低下-6上昇;1mg/dL上昇):818/7,193例(11.4%);0.94(0.85-1.05),
第4五分位群(6-16上昇;10mg/dL上昇):796/7,623例(10.4%);0.89(0.79-0.99),
第5五分位群(>16;27mg/dL上昇):705/7,702例(9.2%);0.83(0.74-0.93)。

(収載年月2013.12)
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