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CKD患者におけるスタチンの心血管,腎転帰への影響
meta-analysis

透析例を含むCKD患者において,スタチン治療は主要心血管イベントリスクを低下する。
Hou W, et al. Effect of statin therapy on cardiovascular and renal outcomes in patients with chronic kidney disease: a systematic review and meta-analysis. Eur Heart J. 2013; 34: 1807-17. PubMed

コメント

SHARP試験では,CKD患者におけるLDL-Cの低下が心血管イベント抑制効果を実証した。しかし,その後,CKD対象の試験はない。本メタ解析は必ずしもCKDを対象としたものではなくとも,CKDステージがわかる患者を抽出しており,前向きのランダム化比較試験でスタチンを用いているものとしており,患者数が4万を超え,心血管イベントも6,600を超えるということから,信頼に足るメタ解析と思われる。SHARP試験のみでは,必ずしも十分とはいえなかったエビデンスレベルであったが,このサイズのメタ解析が出てくると,ガイドラインとしてもエビデンスレベルをあげる必要が出てくるであろう。とはいえ,やはり血液透析のCKD患者についてはサブ解析では有意差を出すことができなかったというSHARP試験と同様の結果であり,臨床レベルでは判断に苦しむところである。しかし,透析患者でもスタチンの有害事象には有意差がないことから,透析に移行した患者で中止する必然性はないものと思われる。(寺本

目的 LDL-C高値の慢性腎臓病(CKD)患者にスタチン治療が推奨されているが,進展したCKD患者へのスタチン治療については議論がわかれている。腎疾患患者におけるコレステロール値と心血管疾患(CVD)の関係は必ずしも一般住民のような線形をとるわけではなく,進展したCKDではCVDの原因が異なるとの指摘もある。さらに,ここ数年に行われたCKD患者に対するスタチン治療の大規模臨床試験でも一貫した結果は得られていない。
CKD患者におけるスタチン治療のリスク・ベネフィットを明確にし,腎機能がスタチン治療に及ぼす影響を評価するため,メタ解析を実施した。
対象 31試験*・48,429例。腎疾患患者においてスタチンが心血管転帰に及ぼす影響を検討した前向きランダム化比較試験(RCT)。
* atorvastatin:12試験(ALLIANCE,TNT,4Dなど),simvastatin:8試験(SHARP,4Sなど),pravastatin:5試験(MEGA,ALLHATなど),rosuvastatin:4試験(JUPITERなど),fluvastatin・lovastatin:各1試験。
■背景(範囲):追跡期間6ヵ月-4.9年,対象の平均年齢42-73歳。透析患者での検討:10試験(4,503例),非透析患者:18試験(33,252例)。
方法 MEDLINE(1950-2011年11月),Embase(1966-2011年11月),Cochrane LibraryでCKDにスタチンを6ヵ月以上投与したRCTを検索。参考文献,レビュー論文,ClinicalTrials.govも調査。言語制限なし。
主要心血管イベント(致死的・非致死的心筋梗塞,脳卒中,血行再建術,心血管死,心不全の複合エンドポイント),心血管死,全死亡,癌の新規発症,薬剤関連有害事象に関するデータを抽出。
結果 [主要心血管イベント]
心血管イベントは6,690例(22試験),死亡は6,653例(23試験)。
主要心血管イベントリスクはスタチン群で有意に低かった(スタチン群2,727/20,492例 vs プラセボ群3,418/20,578例:相対リスク[RR]0.77;95%信頼区間0.70-0.85;I ²=53.8%,P<0.001)。またLDL-C 1mmol/L( 38.67mg/dL)低下ごとにリスクは18%低下した(0.82:0.74-0.91,P<0.001)。
スタチン治療により冠イベント(15試験:0.78;0.69-0.88),全死亡(19試験:0.92;0.85-0.99),心血管死(11試験:0.91;0.84-0.99)のリスクは有意に低下した一方,脳卒中(8試験:0.79;0.56-1.12)と腎不全(6試験:0.95;0.90-1.01)に対する影響はみられなかった。

[サブグループ]
主要心血管イベントに対するスタチン治療の効果は,CKDの進展に伴い有意に弱まったが(RR;透析例:0.93,ステージ5:0.82,ステージ4:0.78,ステージ3/2:0.69 ;P<0.001),絶対リスクの低下には大きな差はなかった(ステージ5:0.022,ステージ4:0.028,ステージ3/2:0.042)。

[有害事象]
スタチンによる有意な増加は認められなかった(肝機能障害:1.13;0.92-1.39,筋肉痛:1.02;0.95-1.09,癌:0.95;0.87-1.05)。

[出版バイアス]
心血管転帰について出版バイアスの可能性が示された(Egger検定P=0.062)。

(収載年月2013.12)
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