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LDL-C強化低下療法の安全性と有効性(CTT)
meta-analysis

LDL-C 38.7mg/dL(1.0mmol/L)低下あたり主要血管イベントは約20%減少。
Cholesterol Treatment Trialists' Ctt Collaboration Efficacy and safety of more intensive lowering of LDL cholesterol: a meta-analysis of data from 170 000 participants in 26 randomised trials. Lancet. 2010; 376: 1670-81. PubMed


目的 2005年にCholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaborationが発表したスタチン系薬剤と対照を比較した14のランダム化比較試験(RCT)(約9万例)のメタアナリシスでは,LDL-C低下の加重平均差約38.7mg/dL(1.0mmol/L)と主要血管イベント(冠動脈死,非致死的心筋梗塞[MI],冠動脈血行再建術,脳卒中)リスクの約20%の減少が示された。その後,より強力なスタチン(atorvastatin 40-80mg,rosuvastatin 10-20mg)が登場し,LDL-Cを下げれば下げるほど主要血管イベント抑制効果も増大するかについて,いくつかの試験で検証がなされた。しかし,いずれもその有用性を示唆してはいるものの,主要転帰の有意な減少が認められた試験は少ない。また,腎不全患者や慢性心不全患者を対象に行われた最近の試験では,スタチンの明確な有効性は示されなかった。
そこで,前回の解析対象の14試験にこれらのより強力なスタチンのRCTも加えた全26試験で,同様のメタアナリシスを実施した。さらに今回の解析では,LDL-Cを超低値まで下げた場合の有害転帰についても検討した。
対象 スタチンによるLDL-C強化低下療法とLDL-C通常低下療法を比較したRCT 5試験*39,612例(追跡期間中央値5.1年),スタチンと対照(プラセボ,食事療法,無治療など)を比較したRCT 21試験**12万9,526例(追跡期間中央値4.8年)。
介入の主効果がLDL-Cの低下で,LDL-C以外のリスク因子の改善を評価項目としていないRCT,対象者数1,000例以上,治療期間≧2年のRCTで,2009年までに発表されたもの。
*PROVE-IT,A to Z,TNT,IDEAL,SEARCH。
**MEGA,LIPID,HPS,ALLHAT-LLT,ASCOT-LLA,JUPITERなど。
結果
[強化vs 通常療法]
1年後のLDL-Cの低下は19.7mg/dL(ベースラインからの低下の加重平均差)。
年間の主要血管イベント発生率は,強化療法群4.5% vs 通常療法群5.3%で,強化療法群でイベントリスクが15%低下した(95%信頼区間11-18%,P<0.0001)。各イベントリスクの低下は下記の通り:
冠動脈疾患死/非致死的MI:13%低下(7-19%,P<0.0001)
冠動脈血行再建術:19%低下(15-24%,P<0.0001)
脳梗塞:16%低下(5-26%,P=0.005)。
LDL-Cの低下38.7mg/dLあたり,主要血管イベントリスクは28%低下した(22-34%,P<0.0001)。

[スタチン vs 対照]
1年後のLDL-Cの低下は41.4mg/dL(ベースラインからの低下の加重平均差)。
年間の主要血管イベント発生率はスタチン群2.8% vs 対照群3.6%で,スタチン群ではイベントリスクが22%低下した(19-24%,P<0.0001)。
LDL-Cの低下38.7mg/dLあたりの主要血管イベントリスクの低下は21%(19-23%,P<0.0001)。

[全試験]
LDL-Cの低下38.7mg/dLあたり,1年後の主要血管イベントは22%減少した(20-24%;P<0.0001)。
ベースライン時のLDL-Cはスタチン vs 対照のスタチン非投与群(143.1mg/dL)が強化 vs 通常療法の通常療法群(97.8mg/dL)よりも高かったが,LDL-Cの低下38.7mg/dLあたりの主要心血管イベントリスクの低下率はベースライン時のLDL-Cに依存しなかった(傾向のP=0.3)。また,ベースライン時のHDL-C値の影響も認められなかった(傾向のP=0.7)。

[有害転帰]
全26試験で,全死亡はLDL-Cの低下38.7mg/dLあたり10%低下した(率比[RR]0.90; 0.87-0.93,P<0.0001)。内訳は下記の通り:
冠動脈疾患死:0.80;0.74-0.87*P<0.0001
その他の心臓死:0.89;0.81-0.98*P=0.002
脳卒中死:0.96;0.84-1.09
その他の血管死:0.98*;0.81-1.18 * 99%信頼区間
癌死などの非血管死:0.97;0.92-1.03
癌の発症率にはスタチン治療の影響は認められなかった(1.00;0.96-1.04)。
ベースライン時LDL-C低値例におけるLDL-Cの低下と非血管死および癌発症の増加との関連性は認められなかった(それぞれ傾向のP=0.2,P=0.1)。


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