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CKDにおける降圧と心血管イベント(BPLTTC)
meta-analysis

推算糸球体濾過量がある程度低下した患者において,降圧治療による血圧の低下は心血管イベントの抑制に有効であったが,降圧薬のクラスによる差は認められなかった。
Blood Pressure Lowering Treatment Trialists’ Collaboration. Blood pressure lowering and major cardiovascular events in people with and without chronic kidney disease: meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2013; 347: f5680. PubMed

コメント

慢性腎臓病は心血管系疾患発症のマーカーであるとされるが,その治療においては,まず降圧が重要であり,降圧薬の種類や積極的治療か否かに関係なく,降圧こそが心血管疾患発症を予防するということを信頼性の高いとされるBPLTTCメタ解析で報告したことの意義は大きい。(桑島

目的 慢性腎臓病(CKD)患者は成人の10-15%を占めるとされており,腎不全や心血管疾患のリスクが高い。CKDでない人とくらべると,CKD患者は血圧が高い場合が多く,ガイドラインでも非CKD患者にくらべて低い目標血圧を推奨している。しかし,CKD患者における降圧治療の心血管イベント抑制効果を示すエビデンスは限られており,またその効果に降圧薬のクラスによる違いがあるのかもわかっていない。
CKD患者と非CKD患者において降圧治療が心血管イベントにもたらす有効性を検討し,さらにその有効性を降圧薬のクラス別に比較するため,ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。
一次エンドポイントは,主要心血管イベント(脳卒中,冠動脈疾患,心不全,心血管死)。
対象 25試験*・152,290例(推算糸球体濾過量[eGFR]低下例30,295例[20%],非低下例121,995例)。降圧薬群とプラセボ群,強化治療群と非強化治療群,または降圧薬のクラス間で比較を行ったRCTで,各群を1,000人・年以上追跡し,1995年7月以降に結果が発表されたもの。
* EUROPA, HOPE, PROGRESS, ADVANCE, SYST-EUR, HOT, UKPDS-HDS, ALLHAT, CAPPP, NORDIL, STOP Hypertension-2など。
■患者背景:年齢(eGFR低下例68歳,非低下例63歳),女性(60%,40%),クレアチニン(115,83mmol/L),eGFR(52,81mL/min/1.73m²),血圧(ベースライン:160/90,156/91mmHg;追跡期間中:144/80,141/81mmHg)。
方法 電子検索,抄録および学会録の精査,同僚・共同研究者・降圧薬の製造会社への問い合わせにより,論文を特定。2012年4月までに腎機能データが得られた試験を解析対象とした。
eGFR低下例(<60mL/min/1.73m²)と非低下例(≧60mL/min/1.73m²)にわけて解析。
結果 [プラセボ対照試験(ACE阻害薬10試験,Ca拮抗薬3試験)]
血圧は,ACE阻害薬群のeGFR低下例でプラセボ群にくらべ4.6/2.0mmHg低下,eGFR非低下例で4.7/2.1mmHg低下し,Ca拮抗薬群ではそれぞれ9.8/3.2mmHg,7.6/3.5mmHg低下した。
血圧の低下で重み付けした主要心血管イベントリスクは,ACE阻害薬/Ca拮抗薬群でプラセボ群にくらべ有意に低く(収縮期血圧5mmHg低下ごとのハザード比[HR]0.83;95%信頼区間0.79-0.87),eGFRレベルによる差はみられなかった(eGFR低下例:0.83;0.76-0.90,非低下例:0.83;0.79-0.88;P for homogeneity=1.00)。

[強化治療群 vs 非強化治療群(5試験)]
eGFR低下例,非低下例ともに,強化治療群における非強化治療群と比較した有意な心血管イベントの抑制は認められなかった(HR 1.24;95%信頼区間0.62-2.48,0.87;0.73-1.03;P for homogeneity=0.33)。

[クラス間比較]
主要心血管イベントにおいて,降圧薬のクラスによる差はeGFR低下例,非低下例ともに認められなかった。
ACE阻害薬 vs 利尿薬/ β遮断薬(6試験):1.00;0.91-1.11,1.03;0.97-1.10(P for homogeneity=0.64)。
Ca拮抗薬 vs 利尿薬/ β遮断薬(7試験):1.05;0.93-1.16,1.04;0.98-1.11(P for homogeneity=0.90)。
ACE阻害薬 vs Ca拮抗薬(7試験):0.95;0.85-1.06,0.97;0.90-1.05(P for homogeneity=0.71)。

[出版バイアス]
ある程度の出版バイアスが認められた(EggerテストP=0.05)。

(収載年月2013.11)
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