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前高血圧例における降圧治療の脳卒中発症に対する影響
meta-analysis

前高血圧者の脳卒中発症リスクは降圧治療により有意に低下する。
Sipahi I, et al. Effect of antihypertensive therapy on incident stroke in cohorts with prehypertensive blood pressure levels: a meta-analysis of randomized controlled trials. Stroke. 2012; 43: 432-40. PubMed

コメント

コホート解析では,脳卒中発症は至適血圧(収縮期血圧<120mmHg,拡張期血圧<80mmHg)を起点として血圧値が上昇するにつれて脳卒中発症が増加することが知られている。本メタ解析では,正常血圧と正常高値をあわせた,いわゆる前高血圧の症例でも降圧薬治療によって脳卒中発症が予防出来るか否かをプラセボ対照の16トライアル,約7万人の成績から検討している。結果としてプラセボに比べて22%有意に脳卒中発症を予防するというものである。
しかし本メタ解析の前高血圧症といっても,個々のトライアルは虚血性心疾患や糖尿病などを合併している高リスク症例を対象とした試験がほとんどであり,かつすでに降圧薬やスタチン薬などを服用している症例である。また個々のトライアルの対象例の平均値が前高血圧であるという意味ですべての症例が前高血圧症例という意味ではない。
したがって高リスク症例では高血圧発症前から降圧薬によってさらに血圧を管理することが脳卒中発症を予防するというガイドラインで示されていることを裏付ける結果といえる。言い方を変えると,リスクのない,あるいは少ない前高血圧症に対して降圧薬治療が必要ということではない。(桑島

目的 高血圧患者では降圧治療により脳卒中を含む心血管イベントが抑制されることが示されているが,前高血圧(収縮期血圧[SBP]120-139mmHg/拡張期血圧[DBP]80-89mmHg))については降圧治療の心血管イベント抑制効果を検討した前向きランダム化比較試験(RCT)が乏しいことから,降圧治療は推奨されていない。しかし,前高血圧者を対象に,降圧薬の心血管合併症予防効果を検討したプラセボ対照比較試験は数多く行われている。そこで,これらの試験データを用いて降圧治療が前高血圧者の脳卒中発症に及ぼす影響を検討するメタ解析を行った。
対象 16試験*,70,664例。米国で使用されている降圧薬95剤のRCTのうち,対象者のベースライン平均SBPが120-140mmHg,DBP<90mmHgで,降圧薬とプラセボを比較し,致死的/非致死的脳卒中の発生率が報告されたもの。試験期間や症例数の制限は設けず。
除外基準:ベースライン血圧が未報告,クロスオーバー試験,プラセボ群未設定,疾病の自然経過の変化や心血管イベントの減少が特定の降圧薬(ACE阻害薬,β遮断薬,ARBなど)の降圧以外の作用によることが判明している病態(収縮不全,急性心筋梗塞,糖尿病性腎症など)。
* 選択されたトライアル:PREVENT,SCAT,HOPE,ABCD,CHARM-PRESERVED,EUROPA,CAMELOT,ACTION,PREVEND IT,PEACE,PEP-CHF,DREAM,I-PRESERVE,IMAGINE,GISSI-AF,NAVIGATOR(ACE阻害薬8試験,ARB 4試験,Ca拮抗薬2試験,Ca拮抗薬+ACE阻害薬1試験,ACE阻害薬/Ca拮抗薬1試験)。
方法 MEDLINEでヒトを対象としたRCTを検索(~2010年9月)。言語は英語のみ。検索用語は“[generic anti-hypertensive drug name]and placebo and [stroke or death or mortality or myocardial infarction]”。
結果 [血圧の変化]
実薬群における試験終了時のアドヒアランス率は60-95%で,プラセボ群と同等。
平均血圧値は全試験において実薬群でプラセボ群よりも大きく低下した(サンプルサイズで重み付けした追跡時の血圧:実薬群130.5/76.5mmHg,プラセボ群134.2/78.4mmHg)。

[脳卒中リスク]
実薬群ではプラセボ群に比して脳卒中リスクが22%有意に低下し,試験間に有意な異質性は認められなかった(I ²=18.0%,リスク比0.78;95%信頼区間0.71-0.86,P<0.000001)。
降圧薬のクラス別にみても,脳卒中リスクはプラセボと比較してACE阻害薬(41,798例)で25%低下(I ²=32.0%,0.75;0.66-0.86,P=0.00003),Ca拮抗薬(10,487例)で25%低下し(I ²=0%,0.75;0.57-0.97,P=0.03),ARB(17,899例)では低下傾向が示された(I ²=0%,0.85;0.72-1.01,P=0.07)。
メタ回帰分析において,脳卒中リスクの低下度とベースライン時の平均SBP,最終SBPとDBPの平均差,高血圧の既往,平均年齢,糖尿病,ベースライン時のスタチン治療との関連は認められなかった。
脳卒中1件を予防するために必要な治療数(NNT)は,169例(平均治療期間4.3年)。

[出版バイアス]
Beggの順位相関法により出版バイアスは認められなかった(P=0.33)。

(収載年月2012.04)
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