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ESC2011 Hot Line I
dal-VESSEL | |
Efficacy and safety of dalcetrapib in patients with or at risk of coronary heart disease | |
冠動脈疾患,その高リスク患者において,CETP阻害薬ダルセトラピブ(dalsetrapib)はLDL-C,ApoB100に影響することなくApoA1,HDL-Cを上昇させ,血管内皮機能を障害せず,血圧も上昇させず(第IIb相試験)。 | 背景・目的 |
HDL-C上昇作用のあるCETP阻害薬は新しい治療の選択肢として現在研究が進んでいるが,本試験はCETP阻害薬dalcetrapibの安全性をさらに評価し,血管内皮機能および血圧に対する有害な影響を解決することを目的として実施した。 [一次エンドポイント]12週間後の血流依存性血管拡張反応(flow-mediated dilatation:FMD)の変化率,4週間後の24時間自由行動下血圧(ABPM)。 [その他の評価項目]36週間後のFMD,12・36週間後の24時間ABPM。 |
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デザイン | ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。 |
期間 | 追跡期間は36週間。 |
対象 |
476例。冠動脈疾患(CAD)あるいはCADに相当する高リスク例;HDL-C<50mg/dL;心血管疾患の危険因子治療例。
■患者背景:平均年齢(dalcetrapib群62.3歳,プラセボ群61.9歳),男性(91%,90%),BMI(29.6kg/m2,28.7kg/m2),喫煙:現在(28%,24%);喫煙歴(78%,82%),既往:CAD(63%,66%);末梢血管疾患(10%,7%);2型糖尿病(47%,44%);高血圧(74%,75%),スタチン投与(94%,97%)。 |
治療法 |
dalcetrapib群(232例):危険因子に対する治療にdalcetrapib 600mgを追加投与,プラセボ群(234例)。 FMDは右上腕部にカフで5分間完全駆血し,駆血解除後の血流をBモード超音波で評価し,血圧はABPMを測定した。 |
結果 |
・脱落例はdalcetrapib群24例,プラセボ群23例。 ・dalcetrapibはCETP活性を約50%低下し,ApoA-1を上昇,HDL-Cを31%増加させた。LDL-C,ApoBへの影響はみられなかった。リポ蛋白関連ホスホリパーゼA2(P<0.0001)以外に両群間に有意差のみられたバイオマーカーはなかった。 ・dalcetrapibは,内皮機能を障害することなく,また改善もしなかった。 ・dalcetrapib によるABPMへの影響もみられなかった。 ・安全性:1件以上の有害事象が発生した患者は170例(72%),160例(68%),有害事象の発生数は437件,483件で,最も頻度が多かった有害事象は鼻咽頭炎38例,42例,下痢27例,26例,頭痛10例,13例。 |
presenter:Luscher TF, MD (University Hospital, Switzerland) |
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