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ESC2011 Hot Line I
PURE | |
Prospective Urban Rural Epidemiologic study | |
有効性が証明された比較的安価な心血管疾患二次予防薬の使用率は世界全体で低いが,中でも顕著なのが中-低所得国,また都会より農村で低い(疫学研究,17ヵ国628地域15万4,000人)。 | 背景・目的 |
抗血小板薬,β遮断薬,ACE阻害/ARB,スタチンの心血管イベント(CVD)予防効果は証明されているが,それらの薬剤の地域社会レベルでの使用状況をみた研究はほとんどない。 また,世界のCVDの80%以上は中-低所得国で発症しているが,その実情はほとんど分かっていない。 地域社会,高-中-低所得国*において,CVDの二次予防効果が証明されている治療薬の使用状況を調査し,社会的因子(所得レベルの異なる国,都市,農村),個人的因子(性,年齢,教育など)による薬剤使用の違いを検証する。 *研究開始時(2003-2007年)の世界銀行の分類に基づく。 |
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デザイン | 疫学研究。 |
期間 |
調査期間は2003-2010年。 現在も追跡中。 |
対象 |
17ヵ国628地域39万人以上の対象から35-70歳の高血圧,CVD既往15万4,000人を抽出。 高所得国:カナダ,スウェーデン,アラブ首長国連邦(UAE),高中所得国:アルゼンチン,ブラジル,チリ,ポーランド,トルコ,南アフリカ,マレーシア,低中所得国:コロンビア,イラン,中国,低所得国:インド,バングラデシュ,パキスタン,ジンバブエ。 |
結果 |
・冠動脈疾患患者(CAD),脳卒中患者における有効性が証明された比較的安価な二次予防薬の使用率は世界全体で低いが,中でも顕著なのが中-低所得国で,また都会より農村で低い。 CAD 5,650例(脳卒中患者2,292例):抗血小板薬25.8%(24.3%),β遮断薬20.4%(9.4%),ACE阻害薬/ARB 20.0%(18.6%),利尿薬13.6%(15.2%),Ca拮抗薬13.3%(14.4%),降圧薬43.0%(40.0%),スタチン16.7%(9.0%)。 どの薬剤も所得が低くなるほど,また都会より農村で使用率が低下。 [抗血小板薬]世界全体では都会約20%,農村15%以下,高所得国は都会,農村とも約40%,低所得国は10%以上,約5%。 [β遮断薬]世界全体では都会約20%,農村15%以下,高所得国は都会,農村とも約40%,低所得国は10%以上,約5%。 [ACE阻害薬/ARB]世界全体では都会20%以上,農村20%以下,高所得国は50%以上,40%以上,低所得国は10%以下,5%以下。 [スタチン]世界全体では都会20%以下,農村約10%,高所得国は70%弱,60%以上,低所得国は約5%,5%以下。 [降圧薬]世界全体では都会50%以下,農村約30%以上,高所得国は都会,農村とも70%以上,低所得国は20%以上,10 %以上。
[CAD患者の所得国別投与薬剤数]
・CVDを合併した高血圧・非高血圧患者での投与
・その他の結果
性別:男性のほうが投与率は高い。
BMIが高いほうが投与率は高い。
糖尿病例は非糖尿病例より投与率が高い。 |
presenter:Yusuf S, MD (McMaster University, Canada) |
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