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ESC2011 Hot Line II
CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2
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Comparison of Three-year Outcome after PCI and CABG in Triple Vessel Coronary Artery Disease. Stratified analysis by the SYNTAX Score | |
3枝病変,特にSYNTAXスコアの高い症例では,今もなおCABGが標準治療である(登録研究) | |
背景・目的 |
SYNTAX試験の3年後の結果から,3枝病変患者ではPCIはCABGに比べて全死亡リスク,死亡+心筋梗塞(MI)+脳卒中の複合エンドポイントリスクが有意に高いことが示唆されている。また,このリスクはSYNTAXスコア*が高い症例で増大することも示された。しかし,同試験はこれらの結果を評価するには統計学的検出力が不足していた。そこで,CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2のデータを用いて,3枝病変患者におけるPCIとCABGの長期転帰を比較した。 [一次エンドポイント] 死亡+MI+脳卒中の複合エンドポイント。 * 血管造影所見(病変部位や病変数,複雑病変など)によってスコア化し,冠動脈疾患の複雑構造を分類し解剖学的特徴を明確にするツール。スコアが高いほど複雑度が高い。 |
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コメント |
3枝病変(TVD)症例に対してPCIとCABGを対比したSYNTAX trialでは,3年後の死亡/心筋梗塞/脳卒中のイベント頻度はCABGが有意に優れていた。SYNTAX score別では中等度や高度のリスク群ではCABGの方がより良好でありリスクが低い群では両者のイベント頻度に差を認めなかったが,症例数が少ないため有意差は得られなかった。CREDO-Kyotoは症例数を増やし,SYNTAX score別でリスクの低い群ではPCIとCABGが同等であることを証明しようとしたのかもしれないが,結果としてはCABGが有意に良好であったのはリスクの低い群のみであった。臨床的にもっているイメージと今回の結果が離反している理由は明らかではない。CABG群では心筋梗塞の既往例が多いが,冠血行再建の目標血管数がPCI群では平均2.1本に対してCABG群では平均3.4本であり,再建された心筋領域の広さの違いが両者の効果の相違に反映されていると考えられる。両者のSYNTAX score別における冠血行再建の目標血管数の比較が一つのカギになるかもしれない(![]() |
デザイン | 登録研究,多施設(日本の26施設)。 |
対象 |
2,981例。CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2に登録されたPCIまたはCABGを初めて施行した15,263例から特定された3枝冠動脈疾患患者。 除外基準:急性MI,左主幹部病変。 ■患者背景:平均年齢(PCI群69.7歳,CABG群68.0歳;P<0.001),男性(71%,73%),BMI(23.8kg/m2,23.5kg/m2),高血圧(87%,84%;P=0.01),糖尿病(50%,56%;P=0.002),インスリン治療(14%,19%;P<0.001),心不全(21%,22%),EF≦40%(12%,15%),MI既往(19%,25%;P<0.001),脳卒中既往(16%,15%),非血液透析でeGFR<30mL/分/1.73m2(5.6%,8.7%;P=0.001),貧血(16%,19%;P=0.02)。 手技背景:標的病変数/血管数(2.05,3.44;P<0.001),左前下行枝近位部病変(64%,97%;P<0.001),慢性完全閉塞(23%,51%;P<0.001)。 ステント背景:分岐部病変38%,総ステント数2.81,総ステント長62.0mm,ステント使用95%,薬剤溶出性ステント使用77%。 CABG背景:内胸動脈使用98%,オフポンプ63%。 |
期間 | 追跡期間は3年。 登録期間は2005年1月-‘07年12月。 |
方法 | - |
結果 |
PCI群は1,825例,CABG群は1,156例。
[一次エンドポイント:死亡+MI+脳卒中の複合エンドポイント]
[二次エンドポイント]
[SYNTAXスコアによる層別解析] |
presenter: H Shiomi, MD ( Graduate School of Medicine, Kyoto University, Japan ) |
▲UP |
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