編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lee M, Lee WJ, Kim JH, Lee BW: Effectiveness and safety of teneligliptin added to patients with type 2 diabetes inadequately controlled by oral triple combination therapy: A multicentre, randomized, double-blind, and placebo-controlled study. Diabetes Obes Metab. 2022; 24: 1105-1113. [PubMed]

本研究は,韓国で行われたランダム化比較試験であり,経口血糖降下薬3剤(メトホルミン[1,000 mg/日以上],SU薬[glimepiride 4 mg/日以上,またはgliclazide 60 mg/日以上],そしてSGLT2阻害薬)を12週間以上投与されても血糖コントロール不良(HbA1c 7.1~9.0%)の2型糖尿病患者に対して,DPP-4阻害薬を追加した際の効果を検証している。その結果,高用量のSU薬を含めた3剤がすでに投与されている状態でも,DPP-4阻害薬を追加すると,1%近くHbA1cが低下すること,対象者の7割前後でHbA1c 7%を達成できることが示された。
日本においては,これほど高用量のSU薬が使用されることは稀となってきているため,より低用量のSU薬を使用した同様の研究や,DPP-4阻害薬の代わりに経口GLP-1受容体作動薬を使用した,同様の研究が行われることを期待したい。【西村理明

●目的 3剤併用療法(metformin,SU薬,SGLT2阻害薬)でコントロール不良の2型糖尿病患者において,DPP-4 阻害薬teneligliptin追加投与の有効性と安全性をプラセボと比較した。
一次エンドポイントは,ベースラインから12週後までのHbA1cの変化。
●デザイン ランダム化,二重盲検,プラセボ対照,多施設(韓国)。
●試験期間 試験期間は24週。
●対象患者 経口血糖降下薬3剤併用療法で血糖コントロール不良(HbA1c 7.1~9.0%)の2型糖尿病患者99例。
平均年齢はteneligliptin群60.6歳,プラセボ/teneligliptin群60.8歳,男性 70.6%,58.3%,糖尿病罹病期間 13.4年,13.9年,HbA1c 7.9%,7.7%,BMI 25.7 kg/m2,26.0 kg/m2。【併存疾患】高血圧 60.8%,62.5%,脂質異常症 92.2%,95.8%。【血糖降下薬】metforminの用量 1,510 mg/日,1,548mg/日,SU薬の種類:gliclazide 90.2%,89.6%,glimepiride 9.8%,10.4%,SGLT-2阻害薬の種類:empagliflozin 88.2%,93.8%,dapagliflozin 11.8%,6.3%。
採用基準:18~80歳,経口血糖降下薬3剤併用(metformin≧1,000 mg/日, SU薬[glimepiride≧4 mg/日またはgliclazide≧60 mg/日],SGLT-2阻害薬)を12週以上投与にもかかわらず血糖コントロール不良(HbA1c 7.1~9.0%),注射療法(insulinかつ/またはGLP-1受容体作動薬)を拒否した患者。
●方法 teneligliptin群(20 mg 1日1回24週投与)(51例),プラセボ/teneligliptin群(プラセボ1 日1回12週投与後,teneligliptin 20 mg 1日1回12週投与に切り換え)(48例)にランダム化。
試験期間中はメトホルミン,SU薬,SGLT-2阻害薬の用量を維持。HbA1c>9.0%となった場合,または患者が血糖コントロール不良を訴えた場合は,試験中止とインスリン療法の開始を推奨。
投与開始から12週後のHbA1c値の変化をStudent’s t検定を用いて群間で比較した。
●結果 12週後のHbA1cの平均変化量は,teneligliptin群でプラセボ/teneligliptin群にくらべて有意に大きかった(-0.9%±0.6%[p<0.001] vs. -0.2%±0.6%[p<0.001],群間差-0.75%[95%CI -0.99 to -0.51],p<0.001)。
24週後のHbA1c値は両群ともにベースラインから有意に低下したが(teneligliptin群-0.9%±0.6% [p<0.001],プラセボ/teneligliptin群-0.8%±0.6% [p<0.001]),両群間に有意な差は認められなかった(群間差-0.17%[-0.41 to 0.07],p=0.156)。
また,空腹時血糖値の12週後の変化量は,teneligliptin群-10±28 mg/dL(p=0.013),プラセボ/teneligliptin群0±24 mg/dL(p=0.995)(群間差のp=0.056),24週後は-11±29 mg/dL(p=0.011),-14±30 mg/dL(p=0.003)で有意な群間差はみられなかった(p=0.674)。
有害事象の発現率に有意な差はみられなかった(teneligliptin群11例 [11.1%],プラセボ/teneligliptin群3例 [6.3%],p=0.550)。teneligliptin投与中にもっとも多く認められた有害事象は低血糖(3例[3.0%])と胃腸障害(4例[4.0%])で,発現率に有意な群間差はみられなかった。
●結論 経口血糖降下薬3剤併用療法でコントロール不良の2型糖尿病患者において,teneligliptinは4剤目の追加薬として有用である可能性が示された。