編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lazarus G, Audrey J, Wangsaputra VK, Tamara A, Tahapary DL: High admission blood glucose independently predicts poor prognosis in COVID-19 patients: A systematic review and dose-response meta-analysis. Diabetes Res Clin Pract. 2021; 171: 108561. [PubMed]

いまだに出口が見えないCOVID-19感染症の予後ならびに重症度に関して,空腹時血糖値もしくは随時血糖値が,その予測因子になり得るか否かをメタ解析にて検討した報告である。
その結果,空腹時血糖値は,COVID-19感染症による死亡や重症度等の有意な予測因子であることが示された。
また,メタ解析で使用した論文数は多くはないが,空腹時血糖値と重症度には非線型ながらも用量反応関係があることも示している。メタ解析の図を見る限り,空腹時血糖値100mg/dL以下を目指すことが良好な転帰に関連していると考えられる。
本論文が検討しているのは主に空腹時血糖値であり,実臨床ではHbA1c値と組み合わせて使用されることが多く,そのような視点から検討したメタ解析が待たれる。
また,CGMを用いてTime in Range(TIR)をもとめ,同様の視点から検討した論文も登場しており,TIRについてのメタ解析の登場にも期待したい。【西村 理明】

●目的 入院時の血糖値が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予後を予測するか検証した。
主要エンドポイントは,アウトカム不良(死亡+COVID-19重症度の複合),死亡,COVID-19重症度。
●デザイン メタ解析
●試験期間
●対象患者 COVID-19患者14,502例(35研究)。
論文の採用基準:入院時の空腹時血糖(FBG)および随時血糖(RBG)とCOVID-19の転帰との関連を検討している研究。
論文の除外基準:症例報告,症例集積研究,レター,英語以外の論文。
●方法 ・PubMed,EMBASE,CENTRAL,MEDLINE,CINAHL,Scopusのデータベースより検索語を用いて検索(2020年9月8日まで)。さらに,採用した文献/レビューの引用文献リストのマニュアル検索に加え,灰色文献(viz,Google Scholar,ProQuest),プレプリント,WHO COVID-19リサーチデータベースも検索した。重複文献は除外。
・試験の異質性はCochran Q検定およびI2統計(なし:0%,低レベル:25%,中レベル:50%,高レベル:75%)により評価した。
・エビデンスの確実性はmodified Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation(GRADE)を用いて,高レベル,中レベル,低レベル,超低レベルとした。
●結果 入院時のFBGはCOVID-19予後不良(4研究の統合:リスク比[RR]1.20[95%CI 1.04 to 1.39]),全死亡(10研究の統合:RR 1.81[1.41 to 2.33]),重症度(7研究の統合:RR 2.61[1.82 to 3.73])とそれぞれ有意な独立した関連を認めたが,いずれも試験間の異質性が認められた(予後不良:I2=84%,全死亡:I2=87%,重症度:I2=69%,いずれもp for heterogeneity<0.01)。
用量反応性試験3件を統合した結果,FPGが1 mmol/L増加するごとに,重症化するリスクが33%上昇した(リスク比1.33[95%CI 1.26 to 1.40])。また,入院時FBGと重症度の間に非線型の用量反応関係が示された(P non-linearity<0.001)。
GRADEによるエビデンスの評価では,入院時FBGと重症度についてのエビデンスは高レベル,死亡および予後不良との関連についてのエビデンスは中レベルであった。
RBGとCOVID-19の予後の関連についても同様の傾向が示されたが,研究数が少ないため,エビデンスは限定的であった。
●結論 入院時のFBG高値はCOVID-19の独立した予後予測因子となる可能性が示唆された。