編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Dubourg J, Fouqueray P, Thang C, Grouin JM, Ueki K: Efficacy and Safety of Imeglimin Monotherapy Versus Placebo in Japanese Patients With Type 2 Diabetes (TIMES 1): A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled, Parallel-Group, Multicenter Phase 3 Trial. Diabetes Care. 2021; 44: 952-959. [PubMed]

Imegliminは,テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化合物で,ミトコンドリア機能を改善する。グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進,インスリン抵抗性の改善,糖新生の抑制が本薬の作用機序として想定されている(https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/2020/20200730-1.html)。2020年7月に製造販売承認が申請され,世界で最初に上市されると予想されている。
Imegliminはfirst-in-classの経口血糖降下薬と考えられるだけに,使用経験は限られており,有効性と安全性いずれも今後の課題である。糖尿病治療における位置づけがどのようになるか興味深い。【景山 茂】

●目的 日本人の2型糖尿病患者において,新機序の経口糖尿病治療薬imegliminの有効性と安全性を検討した。
一次エンドポイントは,ベースラインから24週後までのHbA1cの変化。
二次エンドポイントは,24週後における目標HbA1c(<7.0%)への到達率,ベースラインから24週後までのHbA1cの相対的減少率が7%以上の達成割合。
●デザイン ランダム化,二重盲検,プラセボ対照,多施設(30施設,日本),modified intention-to-treat解析(有効性),as-treated解析(安全性),第III相。
●試験期間 ランダム化期間は2017年12月26日~2019年2月1日。
●対象患者 日本人の2型糖尿病患者213例(解析対象は212例)。
平均年齢62.0歳,男性78.4%,HbA1c 7.96%,糖尿病罹病期間7.49年,糖尿病治療未経験71.8%,体重70.13 kg,BMI 25.49 kg/m2,eGFR 71.31 mL/分/1.73m2
登録基準:20歳以上,食事・運動療法を実施,経口血糖降下薬を用いている場合は,1種類のみで用量が12週間以上一定していること。HbA1c 7.0~10.0%。
除外基準:スクリーニング前30日以内のインスリン/血糖降下薬(注射剤)による治療,eGFR<45 mL/分/1.73m2,心不全(NYHA心機能分類III/IV),スクリーニング前24週以内の急性冠動脈/脳血管イベント。
●方法 4週間のプラセボrun in後,対象患者をimeglimin群(1000 mg 1日2回経口投与)(106例),プラセボ群(107例)に1:1にランダム化し,24週間実施。
HbA1c(<8%,≧8%)および治療歴(有無)による層別ランダム割付け。
●結果 ベースラインから24週後のHbA1cの変化は,imeglimin群-0.72%(95%CI-0.86 to -0.58),プラセボ群+0.15%(0.01 to 0.29)と,imeglimin群でプラセボ群に比べ,有意に減少した(群間差-0.87%[-1.04 to -0.69],p<0.0001)。
目標HbA1c(<7%)への到達率は,imeglimin群で有意に高かった(35.8% vs. 7.5%,p<0.0001)。また,HbA1cの相対的減少率が7%以上の達成割合は,imeglimin群でプラセボ群に比べ有意に高かった(57.5% vs. 11.3%,p<0.0001)。
有害事象はimeglimin群47例(44.3%),プラセボ群48例(44.9%)と両群同程度であり,重篤な有害事象は4例(3.8%),1例(0.9%)であった。
●結論 日本人の2型糖尿病患者において,imegliminはプラセボにくらべ,HbA1cを有意に改善させた。また,安全性プロファイルは両群同程度であった。