編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Capehorn MS, Catarig AM, Furberg JK, Janez A, Price HC, Tadayon S, Vergès B, Marre M: Efficacy and safety of once-weekly semaglutide 1.0mg vs once-daily liraglutide 1.2mg as add-on to 1-3 oral antidiabetic drugs in subjects with type 2 diabetes (SUSTAIN 10). Diabetes Metab. 2019; 101117. [PubMed]

週1回投与のGLP-1受容体作動薬semaglutideと1日1回投与のGLP-1受容体作動薬liraglutideとの血糖降下作用を比較したトライアルである。コントロールとしてのliraglutideの用量1.2 mgはヨーロッパでもっとも多く用いられている用量のようである。
本試験の結果,semaglutideの強力な血糖降下作用が明らかとなっている。semaglutide投与では体重も低下しており,強力な体重低下作用が,本薬剤の血糖降下作用と強く関連すると考えられる。【綿田裕孝

●目的 1~3種類の経口糖尿病治療薬投与下の成人2型糖尿病患者において,semaglutide 1.0 mg週1回皮下投与の有効性と安全性をliraglutide 1.2 mg 1日1回皮下投与と比較した。
一次エンドポイントはベースラインから30週後までのHbA1cの変化。
二次エンドポイントはベースラインから30週後までの体重の変化。
●デザイン ランダム化,オープン,多施設(欧州11ヵ国),第IIIb相,有効性はfull analysis set,安全性はsafety analysis set。
●試験期間 登録期間は2017年6~11月。治療期間は30週,追跡期間は治療後5週間(安全性解析)。
●対象患者 1~3種類の経口糖尿病治療薬投与下の成人2型糖尿病患者577例。
平均年齢59.5歳,男性56.7%,HbA1c 8.2%,糖尿病罹病期間9.3年,体重96.9 kg,BMI 33.7 kg/m2,スクリーニング時の糖尿病治療薬使用(ビグアナイド薬94.8%,SU薬46.8%,SGTL2阻害薬24.6%,DPP-4阻害薬0.2%)。
登録基準:18歳以上,HbA1c 7.0~11.0%,スクリーニングの90日前に以下の糖尿病治療薬を維持用量にて単独/併用で使用している者:ビグアナイド薬(metformin≧1,500 mgまたは最大耐量),SU薬/SGLT2阻害薬(ともに≧最大耐量の0.5倍/ローカルラベル)。
除外基準:腎機能障害(eGFR<30 mL/分/1.73 m2),NYHA心機能分類IV度,ランダム化の90日前以内の眼底撮影/拡張眼底検査により緊急治療を要すると診断された増殖網膜症または黄斑症,肝機能障害(ALT≧正常値上限の2.5倍),5年前以内の悪性新生物の既往。
●方法 2週間のスクリーニング期間後,対象患者をsemaglutide 群(1.0 mg 週1回皮下投与)(290例),liraglutide群(1.2 mg 1日1回皮下投与)(287例)にランダム化。
基礎治療薬(SU薬かつ/またはSGLT2阻害薬かつ/またはmetformin)により層別化を行った。
semaglutide週1回皮下投与は,8週間かけて(0.25 mgを4週間,0.5 mgを4週間)維持用量の1.0 mgまで漸増。
liraglutide 1日1回皮下投与は,0.6 mgを1週間後,維持用量の1.2 mgへ漸増した。
●結果 一次エンドポイントであるHbA1cのベースラインから30週後までの変化は,semaglutide群-1.7%,liraglutide群-1.0%であり,semagtlutide群のliraglutide群に対する優越性が認められた(推定治療差[ETD]-0.69%,95%CI -0.82 to -0.56,p<0.0001)。
二次エンドポイントである体重の30週後までの変化は,semaglutide群-5.8 kg,liraglutide群-1.9 kgで,有意な群間差を認めた(ETD -3.83 kg,95%CI -4.57 to -3.09,p<0.0001)。
30週後にHbA1cが<7.0%に到達した患者(semaglutide群80% vs. liraglutide群46%,オッズ比5.98,95%CI 3.83 to 9.32),≦6.5%に到達した患者(58% vs. 25%,4.84,95%CI 3.21 to 7.30),体重が≧5%減少した患者(56% vs. 18%,5.89,3.93 to 8.81),≧10%減少した患者(19% vs. 4%,4.99,2.57 to 9.68),および複合エンドポイント(HbA1c<7.0%で重症/症候性[血糖値で確定診断]低血糖を伴わず,体重増加もなし)の発生(76% vs. 37%,6.07,4.02 to 9.15)は,いずれもsemaglutide群でliraglutide群にくらべ,有意に多かった(いずれもp<0.0001)。
安全性プロファイルは,semaglutide群でliraglutide群にくらべて消化管疾患(43.9% vs. 38.3%)と治療中止となった有害事象(11.4% vs. 6.6%)が多かった以外は同程度であった。
●結論 HbA1cの低下および体重の減少において,semaglutide週1回皮下投与のliraglutide 1日1回皮下投与に対する優越性が認められた。安全性プロファイルについては,消化管の有害事象以外は,両群で同程度であった。