編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Aroda VR, Rosenstock J, Terauchi Y, Altuntas Y, Lalic NM, Morales Villegas EC, Jeppesen OK, Christiansen E, Hertz CL, Haluzík M, et al.; PIONEER 1 Investigators: PIONEER 1: Randomized Clinical Trial of the Efficacy and Safety of Oral Semaglutide Monotherapy in Comparison With Placebo in Patients With Type 2 Diabetes. Diabetes Care. 2019; 42: 1724-1732. [PubMed]

世界初の経口GLP-1受容体作動薬セマグルチドの臨床研究であるPIONEERの基盤となるプラセボとの比較研究。予想通り,容量依存性にHbA1cが低下し,体重が低下することが示されている。【綿田裕孝

●目的 食事・運動療法のみの2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬semaglutide単独療法の有効性と安全性をプラセボと比較した。
一次エンドポイントはベースラインから26週後までのHbA1cの変化。
二次エンドポイントはベースラインから26週後までのBMIの変化。
●デザイン 無作為,二重盲検(患者と治験責任医師を盲検化),プラセボ対照,パラレル,多施設(93施設,9ヵ国)。
●試験期間 登録期間は2016年9月~2017年12月,治療期間は26週,追跡期間は治療後5週間。
●対象患者 食事・運動療法のみ(≧30日間)で,HbA1cが7.0~9.5%の成人2型糖尿病患者703例。
平均年齢55歳,男性50.8%,HbA1c 8.0%,糖尿病罹病期間3.5年,体重88.1 kg,BMI 31.8 kg/m2
除外基準:糖尿病治療薬による治療歴(スクリーニング前90日以内),緊急治療を要する増殖網膜症または黄斑症,甲状腺髄様癌または多発性内分泌腺腫症2型の既往/家族歴,eGFR<60 mL/分/1.73m2,膵炎の既往。
●方法 対象患者をsemaglutide 3mg群,semaglutide 7mg群,semaglutide 14mg群,プラセボ群に1:1:1:1にランダム化。
朝1日1回,空腹時に経口投与し(飲料水≦120mL),投与後30分間は食事/他の薬剤の服用を控えることとした。semaglutide群に割付けされた患者はすべて3mg 1日1回から開始し,割付けされた各維持用量に達するまで4週間ごとに漸増した。
semaglutide各群とプラセボ群の比較において, “治療方針estimand”(治療中止またはレスキュー治療導入に関わらず,割付けした全例を含む:intention-to-treat解析)および“治療薬estimand”(治療中止例およびレスキュー治療導入例を除外)による解析を行った。
●結果 semaglutide群では,いずれの用量においても,HbA1cの有意な低下を認めた(プラセボ調整後の変化:治療方針estimand: 3mg群-0.6%[95%CI -0.8 to -0.4],7mg群-0.9%[95%CI -1.1 to -0.6],14mg群-1.1%[95%CI -1.3 to -0.9],治療薬estimand:-0.7%[95%CI -0.9 to -0.5],-1.2%[95%CI -1.5 to -1.0],-1.4%[95%CI -1.7 to -1.2],すべてp<0.001)。
体重については,ベースラインから26週後までに,治療方針estimandではsemaglutide 14mg群でのみ有意に減少し(プラセボ調整後の変化-2.3 kg[95%CI -3.1 to -1.5],p<0.001),治療薬estimandではsemaglutide 7mg群(-1.0 kg[-1.8 to -0.2],p=0.01),14mg群(-2.6 kg[-3.4 to -1.8],p<0.001)でのみ有意な減少を認めた。
semaglutide群でもっとも多くみられた有害イベントは,軽度~中等度の一過性の消化管イベントであった(吐き気,下痢,嘔吐,日咽頭炎,インフルエンザ,頭痛,食欲減退)。
治療薬中止はsemaglutide 3mg群1.7%,7mg群2.3%,14mg群7.4%,プラセボ群2.2%であった。
●結論 2型糖尿病患者において,semaglutide単剤経口投与は,臨床的に有意義かつ優れた血糖降下作用を示し,また14mgでは体重減少効果も認めた。また,忍容性も良好で,他のGLP-1受容体作動薬と同様の安全性と忍容性を示した。