編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Balducci S, D'Errico V, Haxhi J, Sacchetti M, Orlando G, Cardelli P, Vitale M, Bollanti L, Conti F, Zanuso S, Lucisano G, Nicolucci A, Pugliese G; Italian Diabetes and Exercise Study 2 (IDES_2) Investigators. Effect of a Behavioral Intervention Strategy on Sustained Change in Physical Activity and Sedentary Behavior in Patients With Type 2 Diabetes: The IDES_2 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2019; 321: 880-90. [PubMed]

残念なことに現時点では,糖尿病患者に対する運動療法に“科学的根拠”はない。健常人と異なり糖尿病患者では,インスリン分泌,およびインスリンのはたらきに異常があり,インスリン作用が筋などで十分発揮されないこと,ストレスにより過剰になるグルカゴンやカテコラミンなどの作用がされることから,運動中にはかえって血糖値が上昇することになる。「患者一人一人にとって,慣れた,ストレスにならない身体活動を継続すること」を心がけ,指導することが求められる。
本研究は,「継続可能な各人に沿った身体活動量を増やすこと,じっとしている時間を減らすこと」を指導することが,結果的にそのような生活習慣を維持してくれることを示している。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病患者において,行動介入は身体活動の持続的な増加および座位時間の減少をもたらすか否かを検証した。
●デザイン ランダム化,オープン,評価者盲検,パラレル, 3施設(糖尿病クリニックの外来,イタリア[ローマ])。
●試験期間 登録期間は2012年10月~2014年2月,追跡期間中央値は3.0年(2017年2月まで)。
●対象患者 非活動的で座りがちな生活をしている2型糖尿病患者300例。平均年齢61.6歳,女性38.7%,
採用基準:2型糖尿病の罹病期間≧1年,40~80歳,BMI 27~40,6ヵ月以上の身体的不活動および座りがちな生活(起床時:座位またはもたれかかった姿勢>8時間),介助なしで1.6kmの歩行が可能な者。
●方法 対象患者を行動介入群(150例),標準ケア群(150例)に1:1にランダム化。
施設,年齢(<65歳 vs. ≧65歳),糖尿病治療(非インスリン vs. インスリン)により層別化し,置換ブロック(ブロックサイズ4~8)法を用いた。
全例に対し,米国糖尿病学会ガイドラインが推奨する血糖,脂質,血圧,体重の目標値を達成するための食事療法の処方などを含めた治療レジメンを実施した。
行動介入群では,毎年,糖尿病専門医による個別の理論的なカウンセリングセッションを1回,認定運動療法士による個別の理論的・実践的カウンセリングセッションを隔週8回実施した。
標準ケア群では,一般医による推奨(日常の身体活動を増やし,座位時間を減らす)のみ実施した。
●結果 試験を完遂したのは267例であった。
身体活動量の代謝率(MET)(時/週)は,行動介入群13.8,標準ケア群10.5(群間差3.3[95%CI 2.2-4.4],P<0.001),中等度~激しい/強度の身体活動(分/日)は18.9,12.5(群間差6.4[5.0-7.8],P<0.001),軽度~強度の身体活動(時/日)は4.6,3.8(群間差0.8[0.5-1.1],P<0.001),座位(時/日)は10.9,11.7(群間差-0.8[-1.0 to -0.5],P<0.001)であった。
全試験期間において有意な群間差が維持されたが,中等度~激しい/強度の身体活動(分/日)の群間差は3年目に6.5から3.6へと減少した。
有害事象は,セッション外では行動介入群41件,標準ケア群59件であった。
理論的・実践的カウンセリングセッション中には,行動介入群で30件に認められた(軽度の低血糖症8件,頻拍/不整脈3件,筋骨格障害/不快感19件)。
●結論 2型糖尿病患者において,行動介入戦略は標準ケアにくらべ,身体活動の増加を持続させ,座位時間を減少させた。