編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Shimizu M, Suzuki K, Kato K, Jojima T, Iijima T, Murohisa T, Iijima M, Takekawa H, Usui I, Hiraishi H, Aso Y. Evaluation of the effects of dapagliflozin, a sodium-glucose co-transporter-2 inhibitor, on hepatic steatosis and fibrosis using transient elastography in patients with type 2 diabetes and non-alcoholic fatty liver disease. Diabetes Obes Metab. 2019; 21: 285-92. [PubMed]

24週のdapagliflozin投与で,エラストグラフィーによる脂肪変性指標と肝線維化指標の改善が認められたとする,興味深いデータである。エラストグラフィーにおける変化が,肝組織像を本当に反映しているのであれば,臨床にきわめて有用な知見と思われる。【綿田裕孝

●目的 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を有する2型糖尿病患者において,肝脂肪変性および肝線維化に対するdapagliflozinの効果を検討した。
主要評価項目は,24週後のcontrolled attenuation parameter(CAP)の変化。副次評価項目は,24週後の肝硬化指数(LSM)の変化。
●デザイン 無作為。
●試験期間 試験期間は24週。
●対象患者 NAFLDを有する2型糖尿病患者57例。
登録基準:≧20歳,≧3ヵ月の安定用量の経口糖尿病治療薬1~3剤±インスリン投与下でHbA1c 6.0~12.0%。
●方法 対象患者dapagliflozin 5mg/日群(33例),対照群(24例)にランダム化。
エラストグラフィー(非侵襲的肝弾性度測定装置)を用いて,肝脂肪変性の指標としてCAP,肝線維化の指標としてLSMを評価した。
●結果 24週後のCAPは,dapagliflozin群は有意に低下したが(314±61→290±73dB/m,p=0.0424),対照群では変化を認めず,CAP変化率には有意な群間差を認めた(92.4±18.7 vs. 102.2±13.2%,p=0.0429)。
24週後のLSMは,dapagliflozin群は低下傾向を認め(9.49±6.05→8.01±5.78kPa,p=0.0539),dapagliflozin群のうち肝線維化を示唆するLSM≧8.0kPaの14例では有意に低下したが(14.7±5.7→11.0±7.3kPa,p=0.0158),対照群では変化を認めなかった。
dapagliflozin群では血中ALT値およびγ-GTP値が低下していたが,対照群では変化はなかった。またdapagliflozin群では内臓脂肪量が有意に減少していた。
CAP変化の独立した決定因子は,HbA1cの変化(β=0.530,p=0.004)とLDLコレステロールの変化であり(β=0.411,p=0.033),LSM変化の独立した決定因子は,HDLコレステロールであった(β=0.417,p=0.030)。
●結論 NAFLDを有する2型糖尿病患者において,dapagliflozinは肝脂肪変性を改善し,重大な肝線維化を認める患者の肝線維化を軽減した。