編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Musen G, Tinsley LJ, Marcinkowski KA, Pober D, Sun JK, Khatri M, Huynh R, Lu A, King GL, Keenan HA. Cognitive Function Deficits Associated With Long-Duration Type 1 Diabetes and Vascular Complications. Diabetes Care. 2018; 41: 1749-56. [PubMed]

若年発症の1型糖尿病患者が,50年以上生存するようになったのは,つい最近のことである。
本研究は,50年以上の罹病期間を有する1型糖尿病患者を対象に,認知機能に注目した興味深い検討である。
その結果,非糖尿病者に比べて,1型糖尿病患者では認知機能の低下を認めるものの,その障害のパターンは2型糖尿病患者とは異なることが明らかとなった。
高齢社会における糖尿病治療を考えるうえで重要な研究である。【綿田裕孝

●目的 1型糖尿病患者,2型糖尿病患者,非糖尿病者における認知障害を比較し,1型糖尿病患者における認知機能と合併症の関連を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 1型糖尿病患者の試験期間は2013年2月~2016年8月。
●対象患者 ≧50歳の1型糖尿病患者82例,年齢をマッチングさせた2型糖尿病患者31例,年齢をマッチングさせた非糖尿病者(対照)30例。合計143例。
除外基準:既存の中枢神経系疾患または神経機能に影響する他の疾患,精神病治療薬の使用。
●方法 知能,実行機能,作業記憶,長期記憶,精神運動速度を評価する認知検査を実施。
1型糖尿病患者における認知機能と合併症の関連を評価した。
●結果 1型糖尿病患者と2型糖尿病患者は対照に比し,即時想起と遅延想起が有意に不良で(p≦0.002),両手の精神運動速度が有意に遅く(p≦0.01),実行機能が有意に不良であった(p=0.05)。
1型糖尿病患者において,心血管疾患は実行機能の低下と独立して関連し(p=0.007),増殖性糖尿病網膜症は利き手の精神運動速度の遅延と関連した(p=0.03)。
●結論 1型糖尿病患者と2型糖尿病患者は,非糖尿病に比べて認知機能が全般的に低下していた。1型糖尿病患者において,合併症と認知機能には関連が認められた。