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Inagaki N, Goda M, Yokota S, Maruyama N, Iijima H. Safety and efficacy of canagliflozin in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus: post hoc subgroup analyses according to body mass index in a 52-week open-label study. Expert Opin Pharmacother. 2015; 16: 1577-91. [PubMed]
canagliflozin 100mgもしくは200mgが投与されている日本人2型糖尿病患者1,299例において,BMIごとにその効果に差があるか否かを検討した研究である。その結果,canagliflozinの効果は,BMIを層別して検討しても,差がないことが示された。しかし,もっともBMIの低いBMI22未満の群において,ケトン体の増加を認める割合が最も多かった。このようなエビデンスの内容を十分に加味して,日本人におけるSGLT2阻害薬の理想的な使用方法を確立する必要がある。【西村理明】
●目的 | 日本人2型糖尿病患者において,canagliflozinの安全性と有効性をBMI別に検討した。 |
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●デザイン | 非盲検試験の事後サブグループ解析。 |
●試験期間 | 治療期間は52週。 |
●対象患者 | 1,299例:canagliflozin 100mgまたは200mgが投与された日本人2型糖尿病患者。 登録基準:≧20歳,2型糖尿病罹病期間≧3ヵ月,HbA1c≧7.0~≦10.0%(単独療法が予定されている場合)または≧7.0~≦10.6%(併用療法が予定されている場合)。 |
●方法 | BMIに基づき,対象患者をI群(<22kg/m2:canagliflozin 100mg群110例,200mg群121例),II群(≧22~<25kg/m2:100mg群171例,200mg群231例),III群(≧25~<30kg/m2:100mg群219例,200mg群265例),IV群(≧30kg/m2:100mg群84例,200mg群98例)に分類。52週後のHbA1c,空腹時血糖,体重,腹囲,体重のパーセント変化を比較した。 |
●結果 | I群,II群,III群,IV群で,全般的な安全性は同等であるが,低血糖と症候性低血糖の発生率はI群でIV群より高く,女性の生殖器感染症発生率はIV群で最も高く,ケトン体高値の患者の割合はI群で最も高かった。 canagliflozinは両用量とも52週後のHbA1c,空腹時血糖,体重を有意に減少させ,その変化についてBMIで分類した群間で比較しても有意差を認めなかった。 |
●結論 | 日本人2型糖尿病患者において,canagliflozinの忍容性は治療開始時のBMIにかかわらず良好であるが,安全性について特定の注意は必要である。 |
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