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Libman IM, Miller KM, DiMeglio LA, Bethin KE, Katz ML, Shah A, Simmons JH, Haller MJ, Raman S, Tamborlane WV, et al.; T1D Exchange Clinic Network Metformin RCT Study Group
: Effect of Metformin Added to Insulin on Glycemic Control Among Overweight/Obese Adolescents With Type 1 Diabetes: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2015; 314: 2241-50. [PubMed]
欧米では1型糖尿病に肥満を合併する症例が多くmetforminを併用するケースがあるが,これまで青年期の1型糖尿病に限定した検討はなかった。
本試験では,成人の1型糖尿病と同様に,青年期においてもmetformin追加投与による血糖値の改善は認められなかったものの,インスリン用量と一定のBMIに対する低減効果を示した点は評価される。【綿田裕孝】
●目的 | 1型糖尿病を有する過体重/肥満の青年において,基礎-ボーラスインスリン治療へのmetformin追加の有効性と安全性を検討した。 主要アウトカムは26週後のHbA1c変化。 |
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●デザイン | 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(26施設)。 |
●試験期間 | 登録期間は2013年10月~2014年2月。 |
●対象患者 | 140例:1型糖尿病の青年。平均15.3歳,女性66%,平均罹病期間7.0±3.3年,平均1日インスリン用量1.1±0.2U/kg,平均HbA1c 8.8±0.7%。 登録基準:自己免疫性1型糖尿病,インスリンポンプまたは1日3回以上のインスリン注射による治療歴≧1年,12~<20歳,HbA1c 7.5~9.9%,BMIが年齢と性別による基準の85パーセンタイル以上,総1日インスリン用量≧0.8U/kg,1日3回以上の自己血糖測定。 |
●方法 | metformin群(71例),プラセボ群(69例)にランダム化し,26週追跡。 metformin用量は4週間で2000mg/日まで増量。 |
●結果 | metformin群はプラセボ群に比し,13週後のHbA1c低下度が有意に大きかったが(-0.2% vs. 0.1%,平均群間差-0.3%,95%CI -0.6 to 0,p=0.2),26週後には有意な群間差を認めなかった(平均群間差0%,-0.3 to 0.3,p=0.92)。 metformin群はプラセボ群に比し,26週後の総1日インスリン用量の減少が≧25%であった患者の割合(23% vs. 1%,平均群間差21%,11 to 32,p=0.003),26週後のBMI zスコアの低下が≧10%であった患者の割合(24% vs. 7%,平均群間差17%,5 to 29,p=0.01)が有意に高かった。 metformin群では,消化管有害事象が有意に増加した(平均群間差36%,19 to 51,p<0.001)。 |
●結論 | 1型糖尿病を有する過体重/肥満の青年において,インスリンへのmetformin追加はインスリン用量と脂肪を減少させたが,6ヵ月後の血糖コントロールの改善は認められなかった。 |
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