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Hoffstad O, Mitra N, Walsh J, Margolis DJ: Diabetes, Lower-Extremity Amputation, and Death. Diabetes Care. 2015; 38: 1852-7. [PubMed]
LEAを合併する患者の死亡率が高いことは予期できる結果であるが,その原因は一般的な糖尿病合併症では説明できないことが明らかとなった。
この原因を解明することが,LEA合併患者の予後改善に必要である。【綿田裕孝】
●目的 | 糖尿病患者における死亡と関連する心血管疾患や腎障害などの合併症が,下肢切断(LEA)を受けた患者の高い死亡率を十分に説明するかを検討した。 エンドポイントは全死亡。 |
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●デザイン | 縦断研究。 |
●試験期間 | 2003~2012年。追跡期間は平均9年,3,700,000人年。 |
●対象患者 | 糖尿病患者416,434例。 採用基準:罹病期間≧1年,糖尿病診断時の年齢が25歳以上。 |
●方法 | Cox比例ハザードモデルを用いた説明モデルを構築し,死亡に対するLEAの影響を評価した。 ハザード比は,LEA,年齢(65歳以上),慢性腎臓病,Charlson併存疾患指数,心筋梗塞,脳血管障害,うっ血性心不全,末梢血管疾患/動脈不全,喫煙,HbA1c,がん,性別で調整した。 |
●結果 | 追跡期間中のLEA施行は6,566例,死亡は77,215例であった。 LEA後の死亡のハザード比(HR)は3.02(95%信頼区間[CI]2.90-3.14)であり,この値に類似した他のリスク因子はうっ血性心不全(HR 3.11[3.04-3.18])と65歳以上(HR 3.58[3.52-3.64])であった。 当初,他のリスク因子の変数をすべて調整した後は,死亡に関するLEAのHRは1まで減退すると予想されていたが,実際には調整後のHRは2.37(2.27-2.48)であり,22%の減退に留まった。 さらに,本検討で用いたモデルの死亡予測能に関しては,LEAの曲線下面積は0.51で予測力はほとんどなく,調整後の曲線下面積は0.77で強力な予測力はなかった。 感度分析では,LEAと死亡の関連を十分に説明づける交絡因子は存在する可能性が低いことが明らかにされた。 |
●結論 | LEAを合併する糖尿病患者では,LEAのない糖尿病患者に比べ,追跡期間中のいずれの時点においても死亡する確率が高かった。その一部は既知の合併症により説明されるが,いまだ明らかにされていない部分が多い。 |
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