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Peters SA, Huxley RR, Woodward M: Diabetes as risk factor for incident coronary heart disease in women compared with men: a systematic review and meta-analysis of 64 cohorts including 858,507 individuals and 28,203 coronary events. Diabetologia. 2014; 57: 1542-51. [PubMed]
糖尿病がCHDのリスクであり,とくに女性においてリスクの増大が大きいことはこれまでの疫学研究から明らかにされており,今回のメタ解析でもそのことがあらためて示された。
しかしながら,なぜ男性よりも女性でリスクが増大するのか,糖尿病予備軍の段階から増大するのかは明らかにされておらず,その対策,とくに閉経前の冠血管リスクをどう扱うか,女性ホルモン補充療法の安全性など,さまざまな問題点がつぎの研究課題として残されている。【西尾善彦】
●目的 | 最新のエビデンスを含むメタアナリシスにより,糖尿病の女性と糖尿病の男性で,冠動脈疾患(CHD)発症リスクを比較した。 主要評価項目は,致死的または非致死的CHD発症。 |
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●デザイン | メタアナリシス。 |
●試験期間 | 1966年1月~2013年2月のあいだに発表された論文を解析。 |
●対象患者 | 858,507例:糖尿病患者。 |
●方法 | PubMed MEDLINEを用いて,1966年1月1日~2013年2月13日のプロスペクティブ集団ベースコホート研究を検索。糖尿病に伴うCHD発症についての男女別の相対リスク(RR)と変動性を報告している研究64件を抽出。 逆分散重み付けを行ったランダム効果メタアナリシスを用いて,糖尿病に伴うCHD発症の男女別のRRとRR比(RRR)を算出。 |
●結果 | 解析対象としたCHDイベントは28,203件であった。 非糖尿病例に対するCHD発症のRRは,糖尿病女性で2.82(95%CI 2.35-3.38),糖尿病男性で2.16(95%CI 1.82-2.56)であった。 CHD発症についての多変量調整RRRは,糖尿病男性より糖尿病女性で44%上昇し(RRR 1.44,95%CI 1.27-1.63),有意な研究間の不均一性は認めなかった(I2=20%)。 |
●結論 | 糖尿病女性は糖尿病男性に比し,CHD発症リスクが40%高かった。 |
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糖尿病トライアルデータベースは2001年にオープンしました。現在までに,1283件のトライアルを収載しています。