編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2022年8月現在,1286報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Lithovius R, Harjutsalo V, Forsblom C, Saraheimo M, Groop PH; FinnDiane Study Group : Antihypertensive treatment and resistant hypertension in patients with type 1 diabetes by stages of diabetic nephropathy. Diabetes Care. 2014; 37: 709-17. [PubMed]

本検討は多数の1型糖尿病患者を対象にした横断研究で,フィンランドの1型糖尿病の実態を反映していると思われる。治療抵抗性高血圧の定義はわが国と同様であるが,用いられている降圧薬には違いがみられる。わが国と同様にレニン・アンジオテンシン系抑制薬が高頻度に使われているが,その内訳は異なり,アンジオテンシン変換酵素阻害薬が正常アルブミン尿~マクロアルブミン尿では60%~90%に用いられているのに対して,アンジオテンシII受容体拮抗薬の使用は20%未満である。利尿薬は正常アルブミン尿においても20%以上に用いられており,わが国における使用頻度よりもかなり高い。一方,カルシウム拮抗薬は末期腎不全と降圧目標に達していないマクロアルブミン尿を除くと30%未満で,わが国の使用よりも低いことがわかる。【景山 茂

●目的 糖尿病腎症を有する1型糖尿病患者において,血圧コントロール,降圧治療および抵抗性高血圧の有病率について評価し,降圧薬の使用と抵抗性高血圧の有病率について検討した。
●デザイン 横断研究,多施設(フィンランド)。
●試験期間 1995~2008年のデータ。
●対象患者 3678例:FinnDianeのデータベースより,1型糖尿病,かつ収縮期/拡張期血圧のデータと腎症のデータが得られた例。男性51%。平均年齢38.0±12.0歳。糖尿病罹病期間平均22.1±12.3年。
●方法 降圧目標はADAガイドラインに従った(2000年以前は130/85mmHg,2001年以後は130/80mmHg)。治療抵抗性高血圧は利尿薬を含む異なるクラスの降圧薬3剤以上の使用にもかかわらず目標値(130/85mmHg)に到達しなかった場合とした。腎症は正常アルブミン尿,微量アルブミン尿,マクロアルブミン尿,透析,腎臓移植の5段階に分類した。
●結果 正常アルブミン尿患者の14.1%が降圧治療中で,そのうち74.6%が血圧コントロール不良であった。微量アルブミン尿患者ではそれぞれ60.5%,71.2%,マクロアルブミン尿患者では90.3%,80.0%,透析患者では88.6%,88.1%,腎臓移植患者では91.2%,90.4%であった。治療抵抗性高血圧の有病率は正常アルブミン尿患者1.2%,微量アルブミン尿患者4.7%,マクロアルブミン尿36.6%,腎移植患者26.3%であった。
年齢(オッズ比1.04[95%CI 1.02-1.05]),推算糸球体濾過量(0.97[0.96-0.97]),ウェスト‐ヒップ比(1.44[1.15-1.80]),トリグリセリド(1.19[1.01-1.40]),微量アルブミン尿(2.58[1.43-4.67]),マクロアルブミン尿(5.61[3.20-9.84])は,それぞれ独立して治療抵抗性高血圧と関連していた。
●結論 高血圧コントロール不良および治療抵抗性高血圧は,糖尿病腎症の進行とともに増大していた。降圧治療の改善が急務であることを示唆するデータである。