編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Shen L, Shah BR, Reyes EM, Thomas L, Wojdyla D, Diem P, Leiter LA, Charbonnel B, Mareev V, Horton ES, et al.: Role of diuretics, β blockers, and statins in increasing the risk of diabetes in patients with impaired glucose tolerance: reanalysis of data from the NAVIGATOR study. BMJ. 2013; 347: f6745. [PubMed]

利尿薬,β遮断薬,スタチンは2型糖尿病の発症リスクを増大させるというデータが存在するが,NAVIGATORは耐糖能異常患者を対象として毎年OGTTを実施し,グリニド薬,ARBの糖尿病発症リスクおよび心血管イベント抑制効果を検討したトライアルである。本解析はその対象者のデータを用いて,各薬剤の糖尿病発症リスクを検討したという点で,より精度の高い糖尿病発症の検出が可能となった研究であると評価できる。
その結果,利尿薬とスタチンで糖尿病発症頻度が上昇したことが確認されたことに意義が認められる。【綿田裕孝

●目的 耐糖能異常で心血管リスク因子を有する患者において,β遮断薬,スタチン,および利尿薬の使用が新規糖尿病発症リスクに与える影響を比較した。
●デザイン 無作為化二重盲検比較試験(NAVIGATOR)のサブ解析。
●試験期間 追跡期間は5年(中央値)(最長6年)。
●対象患者 9,306例:NAVIGATOR参加者のうち,β遮断薬未治療者5,640例,利尿薬未治療者6,346例,スタチン未治療者6,146例,Ca拮抗薬未治療者6,249例。
●方法 β遮断薬,利尿薬,スタチン,およびCa拮抗薬(ネガティブコントロール)の糖尿病進展リスクを検討するため,各薬剤の未治療者において,marginal structural model(治療の重み付けの傾向スコアの逆数を用い,ベースライン変数および治療による時間依存性変数による治療選択バイアスを調整)により薬剤の投与群における非投与群に比した新規糖尿病発症のハザード比(HR)を算出した。
各群の内訳は以下のとおり:β遮断薬投与群915例,非投与群4,725例。利尿薬投与群,316例,非投与群5,030例。スタチン投与群1,353例,非投与群4,793例。Ca拮抗薬投与群1,171例,非投与群5,123例。
●結果 新規糖尿病発症の調整ハザード比(HR)は,利尿薬投与群で非投与群に比して1.23(95%信頼区間1.06-1.44),スタチン投与群で非投与群に比して1.32(1.14-1.48)と有意なリスク上昇を認めた。一方,β遮断薬投与群では非投与群に比してHR 1.10(0.92-1.31),Ca拮抗薬投与群では非投与群に比して0.95(0.79-1.13)と有意な関連は認められなかった。
●結論 耐糖能異常で心血管リスク因子を有し,一連の血糖値測定を実施した患者において,利尿薬とスタチンは新規糖尿病発症リスクを有意に増加させたが,β遮断薬は関連しなかった。