編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Sakurai M, Saitoh S, Miura K, Nakagawa H, Ohnishi H, Akasaka H, Kadota A, Kita Y, Hayakawa T, Ohkubo T, et al.; NIPPON DATA90 Research Group : HbA1c and the Risks for All-Cause and Cardiovascular Mortality in the General Japanese Population: NIPPON DATA90. Diabetes Care. 2013; 36: 3759-65. [PubMed]

NIPPON DATA 90は,わが国を代表する疫学研究の一つである。欧米では,HbA1cの正常域においても,HbA1cが上昇するにつれて心血管疾患による死亡リスクが増大することが,多数の疫学研究で示されてきた。本研究は,アジア人においても同様の知見がみられることを報告しており,きわめて重要な情報を提供している。
論文を詳細に読むと,とくに女性において脳卒中による死亡のリスクが,HbA1cの上昇とともに急激に増大しており,これが日本人もしくはアジア人に特有な知見か否かを検討することも必要であろう。
本知見を心血管疾患の予防対策の確立,とくに特定健診,特定保健指導において,いかに役立てていくかが肝要である。【西村理明

●目的 一般の日本人において,HbA1cと全死亡および心血管疾患(CVD)死リスクの関連を検討した。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 1990年登録。追跡期間は15年(2005年11月追跡終了)。
●対象患者 7,120例:無作為抽出された≧30歳の対象者のうち,CVDの既往がない日本人男女。男性2,962例,女性4,158例。平均52.3±13.6歳,平均BMI 22.9kg/m2,平均HbA1c(NGSP値) 5.3%。
●方法 糖尿病治療を行っていない患者をHbA1c<5.0%(2,143例),5.0~5.4%(3,505例),5.5~5.9%(964例),6.0~6.4%(191例),≧6.5%(126例)に分類し,糖尿病治療を行っている患者(191例)とともに,全死亡,CVD死,冠動脈心疾患(CHD)死,脳卒中死,脳梗塞死,脳出血死の調整ハザード比(HR)と95%CIを算出。
●結果 追跡期間(99,605人年)における死亡は1104例で,CVD死は304例,CHD死は61例,脳卒中死は127例(脳梗塞死78例,脳出血死25例,分類不能の脳卒中死24例)であった。
年齢,性別,BMI,喫煙状況,飲酒量,運動習慣,収縮期血圧,総コレステロール,HDLコレステロール,高血圧および脂質異常症の治療薬使用を調整後,HbA1c<5.0%に対し,HbA1c 6.0~6.4%におけるCVD死のHRは2.18(95%CI 1.22-3.87),≧6.5%のHRは2.75(95%CI 1.43-5.28)であった。CHD死,脳梗塞死についても同様であった。
●結論 一般日本人において,欧米諸国と同様,HbA1c高値は全死亡,CVD死,CHD死,脳梗塞死のリスク上昇と関連した。