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Preis SR, Pencina MJ, Mann DM, D'Agostino RB Sr, Savage PJ, Fox CS: Early-adulthood cardiovascular disease risk factor profiles among individuals with and without diabetes in the Framingham Heart Study. Diabetes Care. 2013; 36: 1590-6. [PubMed]

糖尿病患者は,その診断時から多くの心血管リスクを有することはよく知られている。ある検討では,糖尿病診断時の15年前から心血管リスクを有することが報告されているが,その研究ではもっとも重要な中年の時期の心血管リスクがみられていなかった。
本検討はFramingham Heart Studyでの解析であり,平均年齢60歳で糖尿病と診断された者は,その30年前に高血圧,LDLコレステロール高値,HDLコレステロール低値,トリグリセリド高値,肥満などの心血管リスクを有することが明らかにされた。後年の糖尿病発症予防にも,30歳代からのこれらリスクの管理が重要であることが示された貴重な検討である。【片山茂裕

●目的 糖尿病患者において,糖尿病診断前30年間の心血管疾患(CVD)リスク因子の負荷を,非糖尿病例と比較した。
●デザイン プロスペクティブ,コホート内症例対照研究。
●試験期間 1979~2008年(Offspring examinations 2~8)。
●対象患者 1574例:CVDのない新規糖尿病患者(空腹時血糖≧126mg/dLまたは糖尿病治療,525例),および対照例(1049例)。平均60歳,女性44.4%。
糖尿病例は性別および年齢をマッチングさせた対照例と1:2の割合でマッチさせた。対照例はリスク・セット・サンプリングを用いて選出した。
●方法 糖尿病診断時および10,20,30年前のCVDリスク因子(高血圧[収縮期血圧≧140mmHg,拡張期血圧≧90mmHg],LDL.コレステロール高値[≧130mg/dL],HDLコレステロール低値[男性<40mg/dL,女性<50mg/dL],トリグリセリド高値[≧150mg/dL]または脂質低下治療,肥満[BMI≧30kg/m2])を,条件付きロジスティックモデルを用いて糖尿病例と非糖尿病例で比較した。
●結果 非糖尿病例と比べ,糖尿病例では糖尿病診断30年前の高血圧(オッズ比[OR] 2.2,P=0.003),LDLコレステロール高値(OR 1.5,P=0.04),HDLコレステロール低値(OR 2.1,P=0.0001),トリグリセリド高値(OR 1.7,P=0.04),肥満(OR 3.3,P<0.0001)が多かった。BMIを調整後も,高血圧(OR 1.9,P=0.02),HDLコレステロール低値(OR 1.7,P=0.019)のORの統計的有意は維持された。
●結論 CVDリスク因子は糖尿病診断の30年前から増大しており,このことは糖尿病リスクのある例においてCVDリスク因子に対する生涯にわたるアプローチが重要であることを示している。