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Glucose tolerance and mortality: comparison of WHO and American Diabetes Association diagnostic criteria. The DECODE study group. European Diabetes Epidemiology Group. Diabetes Epidemiology: Collaborative analysis Of Diagnostic criteria in Europe. Lancet. 1999; 354: 617-21. [PubMed]

DECODEのコホートを用いて,FPGのみを用いたADAの診断基準およびOGTT2時間値を用いたWHOの診断基準で診断された糖尿病患者の死亡リスクを調べた重要な報告である。
FPGのみでは高血糖に伴う死亡リスク上昇を認める患者を特定できなかったが,OGTTにより診断された患者では,死亡のHRが男性で2.02倍,女性で2.77倍となった。IGT群でもHRが1.51,1.60倍と有意に上昇していた。2時間値のカテゴリー内では,FPG上昇に伴う死亡率上昇は認めなかった。ちなみに,今回のOGTTにより診断された糖尿病患者の31%はFPGが正常であり,20%がIFGであった。一方,ADAの基準(FPG≧126mg/dL)により診断された患者のうち46%のみがWHOの基準(OGTT2時間値>200mg/dL)をみたすことも以前に報告されている。また,今回の検討では,IGTの25%がIFGを示すことも報告されている。
糖尿病の診断において,FPGのみでなく,OGTT2時間値を併用することの重要性が改めて示されたといえる。【片山茂裕

●目的 米国糖尿病学会(ADA)の空腹時血糖値(FPG)基準とWHOの75g経口糖負荷試験(OGTT)2時間値基準で,死亡率を比較した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 追跡期間は7.3年(中央値)。
●対象患者 25,364例:欧州のプロスペクティブコホート研究13件に参加した,30歳以上の男性18,048例,女性7,316例。うち糖尿病患者1,275例。
●方法 ベースラインのFPGと75gOGTT 2時間値のデータを使用し,糖尿病のADA基準(FPG≧126mg/dL)とWHO基準(2時間値≧200mg/dL)の死亡リスクを比較。
●結果 ADA基準を用いた場合,FPG正常(<110mg/dL)に対する新規診断糖尿病の死亡のハザード比(HR)は,男性は1.81(95%CI 1.49-2.20),女性は1.79(95%CI 1.18-2.69)。空腹時血糖異常(110~125mg/dL)のHRは,それぞれ1.21(95%CI 1.05-1.41),1.08(95%CI 0.70-1.66)。
WHO基準を用いた場合,2時間値正常(<140mg/dL)に対する糖尿病の死亡のHRは,男性は2.02(95%CI 1.66-2.46),女性は2.77(95%CI 1.96-3.92)。耐糖能異常(140~199mg/dL)のHRは,それぞれ1.51(95%CI 1.32-1.72),1.60(95%CI 1.22-2.10)。
FPGの各カテゴリー内で,2時間値の上昇に伴い死亡率が上昇したが,2時間値のカテゴリー内では,FPG上昇に伴う死亡率上昇は認めなかった。
●結論 FPGのみでは高血糖に伴う死亡リスク上昇を認める患者を特定できなかった。OGTTにより,予後についての情報がさらに得られ,死亡への寄与リスクの高い耐糖能異常例の検出が可能となる。