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Roumie CL, Hung AM, Greevy RA, Grijalva CG, Liu X, Murff HJ, Elasy TA, Griffin MR: Comparative effectiveness of sulfonylurea and metformin monotherapy on cardiovascular events in type 2 diabetes mellitus: a cohort study. Ann Intern Med. 2012; 157: 601-10. [PubMed]
SU薬治療を開始した10万人と,metformin治療を開始した15万人の2型糖尿病患者におけるCVDアウトカムならびに死亡を,約7年間追跡したコホート研究である。SU薬治療を開始した患者群では明らかにCVDおよび死亡のリスクが高く,初期治療薬としてのmetforminの有用性が明示された報告である。【西村理明】
●目的 | 2型糖尿病患者において,スルホニル尿素(SU)薬とmetforminの心血管疾患(CVD)アウトカムまたは死亡に対する効果を比較した。 一次複合アウトカムは,急性心筋梗塞または脳卒中による入院+死亡。 |
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●デザイン | レトロスペクティブ,コホート。 |
●試験期間 | 2008年9月30日試験終了。 |
●対象患者 | 253,690例:SU薬またはmetformin治療を開始した糖尿病の退役軍人。SU薬(glyburide,glipizide)開始患者98,665例,metformin開始患者155,025例。 除外基準:重篤な内科疾患(心不全,HIV,非メラノーマ皮膚癌を除く癌,臓器移植,末期腎・肝疾患,呼吸不全),コカイン使用,血清クレアチニン≧1.5mg/dL。 |
●方法 | 2001年10月1日~2008年9月30日に経口単剤療法を開始した患者を対象。 ベースラインの服用薬,コレステロール,HbA1c,血清クレアチニン,血圧,BMI,医療資源使用,併発疾患を調整。 |
●結果 | 一次複合アウトカムの粗発生率は,SU薬開始患者18.2件/1000人・年,metformin開始患者10.4件/1000人・年で,調整発生率比は2.2件/1000人・年(95%CI 1.4-3.0),調整ハザード比(aHR)は1.21(95%CI 1.13-1.30)であった。SU薬をglyburide(aHR 1.26,95%CI 1.16-1.37)とglipizide(aHR 1.15,95%CI 1.06-1.26)で分けて検討しても同様で,患者をCVDの既往,年齢,BMI,アルブミン尿で分けて検討しても同様であった。 |
●結論 | 2型糖尿病患者において,SU薬を開始した患者はmetforminを開始した患者に比し,CVDイベントと死亡のリスクが上昇した。 |
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Neuen BL, et al.―慢性腎臓病または心血管リスクが高い2型糖尿病患者における,SGLT2阻害薬の高カリウム血症リスクに対する効果
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糖尿病トライアルデータベースは2001年にオープンしました。現在までに,1283件のトライアルを収載しています。