編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Gerstein HC, Bosch J, Dagenais GR, Díaz R, Jung H, Maggioni AP, Pogue J, Probstfield J, Ramachandran A, Riddle MC, et al.; ORIGIN Trial Investigators: Basal insulin and cardiovascular and other outcomes in dysglycemia. N Engl J Med. 2012; 367: 319-28. [PubMed]

インスリンglargine群においては,平均HbA1c 6.4%が7年後には6.2%,標準療法群では6.4%から6.5%と,いずれも良好な状態を維持できていた。心血管イベントの発症も低率であった。
より早期からの積極的薬物療法の有用性を示す根拠となるだろう。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病,空腹時血糖異常(IFG),耐糖能異常(IGT)で,心血管リスク因子を有する患者において,インスリンglargineの標準治療に比した心血管イベント抑制効果を検討した。
一次エンドポイントは心血管死+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中の複合,二次エンドポイントは心血管死+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+血行再建術の施行+心不全による入院の複合。
●デザイン 無作為,多施設(40ヵ国,573施設),プラセボ対照,2×2 factorial,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は中央値6.2年。
●対象患者 12,537例:空腹時血糖異常,耐糖能異常,または2型糖尿病で,その他の心血管リスク因子を有する50歳以上の患者。女性35%,平均63.5歳。
●方法 ORIGIN試験では,インスリンglargine群(6,264例)(糖尿病患者:目標空腹時血糖値[自己測定]≦95mg/dLとし,通常の血糖コントロール治療に加え,インスリンglargineを日1回夜注射;非糖尿病患者:インスリン用量を10 units/日として,最終visitまでメトホルミンを中止)または標準ケア群(6,273例)(糖尿病患者:医師の裁量および地域のガイドラインに順じた治療を実施;非糖尿病患者:3~4週後,および10~12週後に75gOGTTを実施),ならびにn-3脂肪酸群またはプラセボ群に無作為化。
本研究では,インスリンglargine群と標準ケア群を比較検討した。
●結果 複合一次エンドポイントの発生は,インスリンglargine群2.94例/100人・年,標準治療群2.85/100人・年と,有意な群間差を認めず(ハザード比[HR]1.02,95%信頼区間[CI]0.94-1.11,P=0.63),それに血行再建術の施行+心不全による入院を加えた複合二次エンドポイントの発生も,5.52/100人・年,5.28/100人・年と,有意な群間差を認めなかった(HR 1.04,95%CI 0.97-1.11,P=0.27)。
非糖尿病患者1,456例における治療終了100日後の糖尿病新規発症率は,インスリンglargine群30%,標準治療群35%であった(オッズ比0.80,95%CI 0.64-1.00,P=0.05)。
全患者での重度低血糖症の発症は1.00/100人・年,0.31/100人・年(P<0.001),体重増加は1.6kg,0.5kgであった。
また,がん発症について有意な群間差を認めなかった(HR 1.00,95%CI 0.88-1.13,P=0.97)。
●結論 6年以上にわたる目標空腹時血糖値を設定したインスリンglargine投与は,心血管アウトカムおよび癌の発症について標準治療と有意な差を認めなかった。インスリンglargineは新規糖尿病発症を抑制したが,低血糖症が有意に増加し,体重が増加する傾向が認められた。