編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hiro T, Kimura T, Morimoto T, Miyauchi K, Nakagawa Y, Yamagishi M, Ozaki Y, Kimura K, Saito S, Yamaguchi T, et al.; JAPAN-ACS Investigators: Diabetes mellitus is a major negative determinant of coronary plaque regression during statin therapy in patients with acute coronary syndrome--serial intravascular ultrasound observations from the Japan Assessment of Pitavastatin and Atorvastatin in Acute Coronary Syndrome Trial (the JAPAN-ACS Trial). Circ J. 2010; 74: 1165-74. [PubMed]

インスリン抵抗性改善治療群は,インスリン供給治療群に比較して,バイオマーカーから判断するかぎり凝固・線溶系のバランスは有利に作用し,またHbA1cも低く推移している。しかしながら,3年後の治療ではインスリン供給治療群におけるインスリン抵抗性改善薬の併用群は9.9%にとどまっているのに対して,インスリン抵抗性改善治療群におけるインスリン供給薬は35.3%に達しており,血糖コントロールにおけるインスリン供給薬の必要性が示されている。
インスリン抵抗性改善薬治療群におけるチアゾリジンジオン誘導体の使用率は,3年後には64.3%に達しているが,チアゾリジンジオン誘導体のうち,rosiglitazoneとpioglitazoneとでは心筋梗塞に対する影響は異なり,前者はリスクを増大させるが,後者はリスクを減少させる傾向にある。
血糖コントロールにおけるインスリン供給薬の必要性,バイオマーカーがどれほど病態を反映するのかを考慮することが,本研究の評価には必要である。【景山 茂

●目的 インスリン抵抗性改善とインスリン供給という2つの異なる高血糖治療を検討したBARI 2D試験の参加者において,糖尿病性血管障害を示す炎症の強さ,線溶と血栓のバランスを反映するバイオマーカーへの影響を比較した。
●デザイン 無作為,2×2 factorial,多施設(6ヵ国,49施設),intention-to-treat解析
●試験期間 追跡期間は5年。
●対象患者 2368例:血管造影法で評価した冠動脈疾患を有する2型糖尿病患者。平均62.5歳,女性29.9%。
除外基準:即時血行再建術の必要。
●方法 血行再建術群と薬物治療群に無作為化し,さらにHbA1c値<7%を目標としたインスリン抵抗性改善治療群とインスリン供給治療群に無作為化。
ベースライン時,1,3,6ヵ月後,その後の6ヵ月ごとに得られた血液サンプル中のプラスミノーゲン活性化因子抑制物質-1(PAI-1)抗原と活性,組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)抗原,フィブリノーゲン,Dダイマー,C反応性蛋白(CRP),インスリン,HbA1cを測定。
●結果 両治療群の患者において,Dダイマー,フィブリノーゲン,CRPのベースライン高値が,死亡率,脳卒中と心筋梗塞の発生率の予後の悪さを示唆した。インスリン供給治療群と比較し,インスリン抵抗性改善治療群では,(1)血漿インスリン,(2)PAI-1抗原および活性,tPA抗原,(3)CRPとフィブリノーゲンがベースライン後のすべての測定時で有意に低下した(すべてP<0.001)。
●結論 インスリン抵抗性改善治療では,バイオマーカーのプロファイルが変化し,心血管リスク関連因子であるインスリン抵抗性の低下,血栓と線溶のバランスの変化,全身性炎症の低下が示された。