編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Thorn LM, Forsblom C, Wadén J, Saraheimo M, Tolonen N, Hietala K, Groop PH; Finnish Diabetic Nephropathy (FinnDiane) Study Group: Metabolic syndrome as a risk factor for cardiovascular disease, mortality, and progression of diabetic nephropathy in type 1 diabetes. Diabetes Care. 2009; 32: 950-2. [PubMed]

本解析はFinnDiane(Finnish Diabetic Nephropathy)に登録された1型糖尿病患者を対象とし,WHOあるいはNCEPあるいはIDFの定義によるメタボリックシンドローム(MetS)が心血管疾患をどのくらい予測できるかを比べたものである。
その結果,心血管疾患の予測因子としてもっとも優れていたのは,MetSの定義に微量アルブミン尿が入っているWHOの定義であった。微量アルブミン尿自体が強力な心血管疾患の予測因子となることが明らかにされているので,この結果は納得できるものである。しかしながら,NCEPの定義によるMetSも心血管疾患の予測因子となり,とくに腎症をきたした者ではその傾向がより明らかであった。このことは,MetSが微量アルブミン尿とは独立した心血管疾患の予測因子であることを示唆しているといえる。
最後に,MetSの各構成要素の心血管疾患に及ぼす影響も検討されているが,肥満の予測因子としての意義は低かったことも特筆される。【片山茂裕

●目的 1型糖尿病患者において,メタボリックシンドロームの心血管(CV)イベント,CVおよび糖尿病関連死,腎症の進展についての予測能を検討した。
●デザイン プロスペクティブ。
●試験期間 追跡期間は5.5年(中央値)。
●対象患者 3783例:FinnDianeの参加者(1型糖尿病患者)のうち,メタボリックシンドロームに関するデータが得られた例。平均37±12歳。平均罹病期間23±12年。
●方法 WHO,NCEP,IDFの定義に基づいてメタボリックシンドロームを評価し,CVイベント,CVおよび糖尿病関連死,腎症の進展との関連を検討。
●結果 メタボリックシンドロームの有病率は,WHO定義では44%,NCEP定義では35%,IDF定義では36%であった。
従来のリスク因子および糖尿病性腎症を調整後,WHO定義例ではCVイベントリスクが2.1倍,CVおよび糖尿病関連死リスクが2.5倍であった(いずれもp<0.001)。NCEP定義例およびIDF定義例では,リスク増大を認めなかった。
腎症の進展については,WHO定義例では正常アルブミン尿から微量アルブミン尿への進展リスクが有意に増大し(p<0.001),NCEP定義例およびIDF定義例では蛋白尿から末期腎疾患への進展リスクが有意に増大した(p=0.009,p<0.001)。
●結論 1型糖尿病患者において,メタボリックシンドローム例では,CVイベントリスク,CVおよび糖尿病関連死リスクが有意に増大した。