編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Akbaraly TN, Kivimäki M, Brunner EJ, Chandola T, Marmot MG, Singh-Manoux A, Ferrie JE: Association between metabolic syndrome and depressive symptoms in middle-aged adults: results from the Whitehall II study. Diabetes Care. 2009; 32: 499-504. [PubMed]

横断的研究では,うつ病とメタボリックシンドローム(Met S)との関連を示す成績がいくつかある。しかしながら,長期の縦断的な研究では,もっぱらうつ病はMet Sの予測因子になるとのエビデンスで,逆にMet Sがうつ病の病因となるかの検討はほとんどなかった。ただ1つ,子供時代や成人になってからのMet Sは成人になってからのうつ病と関連するとの報告があるが,男性での検討はなされていない。
今回のWhitehall II studyのコホートでの検討では,男女ともにMet Sの存在はうつ病の発症に関連していた。うつ病はむしろMet Sの結果であり,うつ病がMet Sの病因にはなっていなかった。うつ病とは,とくに中心性肥満とトリグリセリド高値あるいはHDL-C低値などの脂質異常症との関連が示されたが,高血圧や空腹時血糖高値とは関連しなかった。肥満者での食事療法による減量のための自己管理などのストレスがその一因とも考えられるが,中心性肥満とトリグリセリド高値あるいはHDL-C低値などの脂質異常症が,うつ病の発症につながるのか,さらなる検討が必要であろう。【片山茂裕

●目的 中年男女において,メタボリックシンドロームとうつ症状発症との関連を検討した。
●デザイン プロスペクティブ,コホート(英国)。
●試験期間 追跡期間は6年。
●対象患者 5232例:ベースライン(1991~1993年)にうつ症状を認めない英国公務員。41~61歳。
●方法 ベースラインおよび6年後に,一般健康調査質問票のうつサブスケールにより,うつ症状の発症を評価し,メタボリックシンドローム例(547例)と非メタボリックシンドローム例(4685例)で比較。
●結果 潜在的交絡因子を調整後,メタボリックシンドローム例ではうつ症状リスクが増大した(オッズ比1.38,95%CI 1.02-1.87,p=0.04)。
メタボリックシンドロームの項目のうち,中心性肥満,トリグリセリド高値,HDL-C低値のみが,うつ症状と相関した。
●結論 メタボリックシンドロームとうつ症状発症は相関を認め,とくに中心性肥満およびトリグリセリド高値の影響が大きかった。