編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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McMurray JJ, Holman RR, Haffner SM, Bethel MA, Holzhauer B, Hua TA, Belenkov Y, Boolell M, Buse JB, Buckley BM, et al.; NAVIGATOR Study Group: Effect of valsartan on the incidence of diabetes and cardiovascular events. N Engl J Med. 2010; 362: 1477-90. [PubMed]

ARBが2型糖尿病を抑制する成績は多くみられる。
アンジオテンシンIIの活性化抑制は,単にインスリン作用を維持するのみならず,酸化ストレスの膵細胞への悪影響を抑制し,インスリン分泌能を維持することが認められている(BBRC. 2006; 344; 1224. [PubMed])。
本研究では測定されていないが,OGTT時のインスリン分泌反応により,多くの示唆が得られるだろう。【河盛隆造

●目的 耐糖能障害(IGT)患者において,AII受容体拮抗薬(ARB)valsartanの糖尿病発症および心血管(CV)イベント抑制効果を検討した。
一次アウトカムは糖尿病発症,心血管アウトカム(心血管疾患死+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+心不全による入院+動脈血行再建術+不安定狭心症による入院)。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設(40ヵ国,806施設),2×2 factorial(nageglinide,プラセボ)。
●試験期間 登録期間は2002年1月~2004年1月。追跡期間の中央値は5.0年(糖尿病発症の解析)または6.5年(生存状況の解析)。
●対象患者 9306例:CV疾患リスク因子を1つ以上有する(≧55歳)か心血管疾患を有する(≧50歳)IGT患者(空腹時血漿ブドウ糖値≧95かつ<126mg/dL,75g OGTT 2時間値≧140かつ<200mg/dL)。
除外基準:試験薬の安全性および有効性に影響を及ぼす症状および疾患,高血圧治療におけるACE阻害薬またはARBの使用,5年以内の抗糖尿病薬の使用。
●方法 valsartan(~160mg/日)群(4631例),プラセボ群(4675例)にランダム化。
全例に生活習慣改善を指導。
●結果 累積糖尿病発症率は,valsartan群33.1%,プラセボ群36.8%であった(ハザード比[HR]0.86,95%CI 0.80-0.92,p<0.001)。
心血管アウトカムは同等で(14.5 vs 14.8%,HR 0.96,95%CI 0.86-1.07,p=0.43),心血管アウトカムから血行再建術および不安定狭心症を除いても同等であった(8.1 vs 8.1%,HR 0.99,95%CI 0.86-1.14,p=0.85)。
●結論 心血管イベントリスクの高いIGT患者において,5年間のvalsartan治療により糖尿病発症リスクは14%低下したが,心血管イベント抑制効果は認めなかった。